松井秀に任せた！練習メニューもＯＰ戦出否も全権委任

外野守備練習で軽快な動きを見せた松井。右はウィリッツ

　【テンピ（米アリゾナ州）２３日】エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）がキャンプイン。２年ぶりとなる初日からの守備練習を行い、“外野手復帰”へ第一歩を踏み出した。フリー打撃では最後の１スイングで“エ軍１号”アーチを描いた。首脳陣はキャンプ中の練習メニューやオープン戦初戦に出場するかどうかなどを本人に“全権委任”することを明言。超ＶＩＰ待遇のキャンプがスタートした。

　最後の１球が名刺代わりの一発だった。フリー打撃での４４スイング目。松井のバットから放たれた会心の当たりが右翼フェンスを越え、ボールは奥の駐車場で弾んだ。「打撃練習で空振りしなくて良かったです」。移籍後、初の一発はラストひと振りで決めた。にくらしい演出に同じ組で打撃練習をしていたハンターやリベラからは驚きの声が上がった。

　念願の外野手復帰プランも動き出した。コーチが投げるボールを追い、半身で捕球する練習や軽めのノックを受けた。キャンプでは２年ぶりとなる守備練習。一昨年に手術を受けた左ひざの影響で一部、別メニューとなる守備練習もあったが「やれと言われたらできた。けれど段階を踏んでいくのはいいんじゃないかと思います」と少しずつハードルを上げて、全メニューをこなしていく。

駐車した自分の車の付近に落ちた松井のホームランボールを拾うハンター

　オープン戦出場に関し、ローニキー・ベンチコーチは本人に任せていることを明言。「マツイが出たいと言えば、試合に出すつもり。左翼が難しいなら、ＤＨで起用する」と松井に出場の意思があれば初戦となる４日のＷソックス戦、「４番・ＤＨ」で出場させることを示唆。一方、松井は「毎日練習をして、その（オープン戦開幕）時にどうなっているかで決めたい」と出場時期を決めずに、慎重に調整を進めていく。

　打撃投手を務めたハッチャー打撃コーチは「自分のペースを守ってくれればいい。彼にできる限りのことをしてあげたいし、我々がマツイのことを理解して、見守っているということを彼には知ってもらいたい」とあふれる愛情を言葉で表した。巨人、ヤンキースで王道を歩いてきたプロフェッショナルな選手に、細かい指示は必要ない。すべてを委任された“超ＶＩＰ待遇”のキャンプが幕を開けた。