松井秀、今季月間最多８度目マルチ…ヤンキース地区Ｍ２８

　◆ヤンキース１０―０ホワイトソックス（２９日・ニューヨーク）　ヤンキース・松井秀喜外野手（３５）が３試合ぶりのマルチ安打を放ち、勝利に貢献した。Ｗソックス戦に「５番・ＤＨ」で１０試合連続して先発出場。右翼線に適時二塁打を放つなど、今季自身の月間最多となる８度目の複数安打をマークした。

　好調の理由がスイングに凝縮されていた。５点リードの４回、１死一、三塁。同時期にヤ軍に入団したコントレラスの初球をたたいた松井の打球は、一塁線を破っていった。「追い込まれていなかった分、強く振れた。詰まっていましたが、振り切れているからでしょう」強振した結果、鋭い当たりとなり、４試合ぶりの適時打（二塁打）となった。

　６回の１死一塁でも同じだった。カウント１―２から「芯に近いところだった」と振り返るように、詰まった当たりだったが、力で中前へ運んだ。８月の２５安打中、１５本が３球以内でのもの。「いいカウントの時は強く振りにいかないとダメ」と、思い切りのいいスイングができる早い仕掛けが、好調の打撃を支えている。

　デーゲームは鬼門だった。この試合前まで打率２割２厘。後半戦だけでみると３１打数２安打、０割６分５厘という数字が残っていた。「今季だけじゃなくて、いつも（昼間は）打てていない」と開き直っていたが、「眠いんだよ」と、以前からナイター後のデーゲームは寝不足が打席に影響していることを認めていた。この日は心地よい疲労感から、しっかり睡眠が取れたよう。これも打撃好調のおかげ、ということか。

　点差が開いたことで８回に代打を送られ、退いた。チームは大勝で地区優勝マジックを２８とした。８月の月間打率は３割９厘。松井の勢いは加速するばかりだ。