松井秀３度出塁もサヨナラ負け…リーグ優勝決定Ｓ第３戦

　◆ア・リーグ優勝決定シリーズ第３戦　エンゼルス５ｘ―４ヤンキース＝延長１１回、７回戦制＝（１９日・アナハイム）　ア・リーグ優勝決定シリーズ第３戦はエンゼルスが、延長１１回にサヨナラ勝ちし、対戦成績を１勝２敗とした。ヤンキースは同シリーズで初めて３点リードを守れなかった。「５番・ＤＨ」で出場したヤ軍・松井秀喜外野手（３５）は２打数１安打２四球と３度出塁したが、勝利には結びつかず、８回に代走と交代した。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第４戦も、フィリーズが９回にロリンズ内野手の二塁打で逆転サヨナラ勝ちでドジャースとの対戦戦績を３勝１敗とし、２年連続ワールドシリーズ出場に王手をかけた。

　ヤ軍は４本塁打を放つなど試合を優位に進めたが、相手の勝利への執念が上回った。６回に４番・ゲレロに同点２ランを浴び、最後は１１回２死からサヨナラ負け。松井は「プレーオフですから（エ軍の執念）感じました。本塁打を打ったのに本塁打で返された」と勢いを肌で感じた。

　攻め切れなかった。ジラルディ監督が「１点を取れなかったことが一つの敗因」と指摘したのが２回と４回だった。ともに１死一、三塁から追加点を奪えなかったことだ。２回は先頭の松井が４試合連続ヒットとなる右前安打を放ったが後続が凡退。４回も松井の四球が起点だったが、あと一本が出なかった。

　最後は継投ミスだった。１０回無死一、三塁の大ピンチを守護神リベラがしのいだ。１１回、７番手のロバートソンも簡単に２死を取り、流れはヤ軍に傾きかけた。だが指揮官は「相性が良かったから」という理由で同じ右腕のアセベスを投入。この継投が裏目に出た。ケンドリックに中前打、マシスにサヨナラの左中間二塁打を打たれ、決着がついた。

　ヤ軍がリーグ優勝決定シリーズで３点差を返されて敗戦するのは初めてのこと。対戦成績はヤ軍の２勝１敗と有利であることに変わりないが、史上初の屈辱は嫌な感じだ。松井は「この流れを断ち切ること。明日、しっかり戦いたい」と気を引き締め直していた。