メッツも松井獲りに参戦！ＧＭ「レギュラーとして考えている」

　ヤンキースからフリーエージェント（ＦＡ）申請した松井秀喜外野手（３５）に対し、メッツが獲得へ向けて調査を進めることが１０日、分かった。米イリノイ州シカゴで行われているＧＭ会議に参加しているメ軍のミナヤＧＭがスポーツ報知の取材に「間違いなく検討する」と明かした。エンゼルスのリーギンスＧＭも「外野手もできると思う。調査をする」と興味を示した。ヤ軍が再契約へ積極的に動かない中、マリナーズ、レッドソックスに続き、東西人気２球団が動き出した。

　ニューヨークの人気をヤ軍と二分するメッツが、松井の動向に目を向け始めた。９日にＦＡ申請した松井に、ヤ軍のキャッシュマンＧＭが「ＤＨとしてしか考えていない」と発言。これを受け、ＤＨ制のないナ・リーグが、外野守備に就かない選手は獲得しない方向に向かうとみられていた。しかし、メ軍のミナヤＧＭの見解は違った。松井の代理人、テレム氏と「話をすることになるだろう」と語り、言葉を紡いだ。

　「各球団にはそれぞれの評価というものがある。我々がＤＨと外野手、どちらとみなしているか、現時点で言うことはできないが、彼については、レギュラー選手として見ている。５０試合に出られればいい、というレベルではない」。独自の評価をした上で、外野手の一角を担う、年間通しての働きを期待している。

　ポイントは、守備に就くだけの状態かどうかだ。「外野を守れるひざの状態なのか。健康ならば、どうしてヤンキースが起用しなかったのか。スカウトにその調査報告を聞かなければいけない」。今季、チームはレイエス、ベルトランの主力をけがで欠き、優勝争いから遠ざかった。ベストコンディションにこだわるのは、自然な流れといえる。

　ヤ軍が再契約に積極的でないからこそ、ミナヤＧＭは「ＦＡ選手なのだから、間違いなく検討する」と断言した。ライバル関係のヤ軍を９年ぶりの世界一に導いたＭＶＰ選手を、同じＮＹのチームが見逃す手はない。海を渡った０２年オフ、ヤ軍入りした松井が、最後まで迷ったチームがメ軍だった。８年越しの獲得となるか興味深い。

　ア・リーグの西の強豪、エンゼルスも動き出した。「もちろん調査をする」。リーギンスＧＭは、松井のＦＡ申請を歓迎し「ＤＨが基本だが、故障者の出た緊急事態に、外野を守ることは十分にできると思う」と続けた。エ軍は、今季主にＤＨで、ＦＡとなったゲレロと再契約交渉を進めながら、松井の調査を進めていく。

　守備に就くことをあきらめない松井に、ＦＡするベイの後釜となる左翼手、ＤＨとして興味を持つＲソックスのほか、マリナーズもすでに関心を寄せていた。ヤ軍と決別覚悟の男に、熱視線が注がれている。