松井秀、休み明けマルチ！タイムリーで連敗ストップ貢献

　◆アスレチックス２―７ヤンキース（１８日・オークランド）　ヤンキースの松井秀喜外野手（３５）が敵地でのアスレチックス戦に「５番・ＤＨ」で４試合ぶりに先発。４打数２安打１打点と活躍して、チームの連敗を２で止めた。昨年、手術を受けた左ひざが腫れていたことから、ここ３試合は完全休養。前夜、チームが完封負けしたこともあり、練習再開と同時にスタメン起用を決めたジラルディ監督の期待に応えた。

　チャンスに強い松井は健在だった。６回１死満塁で回った４打席目、相手の３番手右腕・カシーヤがフルカウントから投げた外角高め、９７マイル（約１５６キロ）の速球を見逃さなかった。

　「最後に甘く入ってきたんで、ラッキーだった。若干振り遅れたけど」。２―２で迎えたこの回、チームは一挙５点を勝ち越した。４点目をたたき出した左前適時打を満足げに振り返った。

　１４日のマリナーズ戦で先発した後、左ひざの腫れを理由にスタメンから外れた。今季初めて３試合連続欠場した。１６日には患部にたまった水を抜いた。試合前練習も行わない完全休養だった。この日は、４試合ぶりに体を動かすことになるが、ジラルディ監督は戦列復帰させることに迷いはなかった。

　前夜、７安打しながらも完封負けで、連敗を喫した。試合後、指揮官は松井に伝えた。「患部の状態が大丈夫そうなら、明日はスタメンで使う」。期待されれば、言葉ではなく、結果で応えるのが背番号５５の流儀だった。

　ブランクはまったく感じさせなかった。１打席目に四球を選んだ。「最初からある程度、（球が）見えていた」。５打席目にも「引っ張って強い当たり」の一塁内野安打を放ち、マルチ安打で復帰戦を飾った。「やはり彼が戻ってくると、打線に厚みが出る」と試合後の指揮官はうなずいた。

　８回に出塁後、代走を送られて退いた。大事を取っての交代で、松井も「大丈夫ですよ」。水を抜いた患部は稼働域も元に戻り「動きやすい」という。これで欠場明けにスタメン出場した試合は３３打数１１安打の打率・３３３、２本塁打、６打点と結果を残している。松井の復帰したヤ軍が、独走街道を進む。