松井秀Ｖ弾　内角弾き返した！復帰！復活！復権！！

８回無死、右中間に決勝の４号本塁打を放つ松井秀

　◆ブルージェイズ２―３ヤンキース（１４日・トロント）　右太ももの違和感を訴えていたヤンキースの松井秀喜外野手（３４）が復帰戦で決勝アーチを放った。ブルージェイズ戦に「５番・ＤＨ」でスタメン出場。同点の８回、第４打席で右中間に５試合ぶりとなる４号ソロを運んだ。２試合ぶりの出場で１９打席ぶりのアーチ。復活をアピールする一発でチームは首位・ブルージェイズとの３連戦に勝ち越し。５割復帰を果たした。

　大音量の音楽が鳴り響き、試合後のクラブハウスは勝利に沸いた。その立役者はまぎれもなく松井だった。同点の８回無死。完全復活を告げる値千金の一発が右中間最深部のフェンスを越えていった。

　サイドスロー左腕、カールソンがカウント２―２から投じた６球目。直球でインコース中心を攻められた後、初めて来た真ん中低めのスライダーにも惑わされなかった。「内角を攻められても踏み込んでいくのは絶対にしなくちゃいけないこと。だからこそ打てた。あそこで打てたのは良かった」１６打席ぶりの安打は、１９打席５試合ぶりのアーチ。今季初の決勝弾を松井は控えめに喜んだ。

　１２日の試合で痛めた右太ももは順調に回復。練習も軽いランニングを含めて通常通りこなし、患部にサポーターを巻いて試合に臨んだ。ジラルディ監督も「ビッグヒットだった。彼は健康なら１００打点を稼げる選手なんだ」と手放しでたたえる全快ぶりだった。

　左太ももを痛めて故障者リスト入りした２年前は我慢してプレーを続けた結果、完治が長引いた。指揮官は「選手は自分からグラウンドを離れると言いたがらないもの。だが、早めに言ってくれたことが良かった」と違和感を感じた直後に申告してきたことが早期復帰につながったとうなずいた。

　試合前、ジラルディ監督は６試合連続で守備に就いているＡロッドに休養を与えるため、１５日のツインズ戦はＤＨで起用するプランを示唆した。その場合は松井がスタメンから外れることになるが、強烈な一発で試合後の口調も変化。再考に含みを持たせた。

　「ひざは本当にいい状態。太ももも気をつければ大丈夫だと思う。こういう厳しい試合を取ったのだから、いい流れをつなげていければいい」チームは５割復帰。松井の復活アーチが上昇のきっかけになるか。