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怪物がベールを脱いだ。巨人のドラフト1位ルーキーの大田泰示内野手(18)が宮崎キャンプ初日の1日、ひむかスタジアムで屋外でのフリー打撃を初披露した。サク越えは28スイングのうち2本。重さ1キロのマスコットバットでバックスクリーンへ130メートル弾を放ちながら「まだ、ちょっと違う」と不満そうだった。10時間を超えるハードな練習を「あっという間の一日でした」と振り返った背番号55。随所に大物の片りんを見せた。
実力を証明するには十分な一打だった。重さ1キロのマスコットバットを振り切った大田は、しばらく打球の行方を目で追った。豪快なスイングが弾丸ライナーを生んだ。バックスクリーン横に飛び込む、推定130メートル弾。それでも「ちょっと違う。もっとヘッドが抜けるはず。重いバットを振ってスイングを強くして、バッティングの確率を上げていきたい」と怪物は満足できない。
B班(若手主体)が練習した、ひむかスタジアム。注目の“プロ初アーチ”は21スイング目に飛び出した。外角高めのボールをたたいた。真芯を外しながらも、打球はスライスの弾道で右中間スタンドに届いた。マウンドの平松打撃投手は「力がないと右方向にあれだけ飛ばない。スイングは速いし、インパクトに力がある」と舌を巻いた。28スイングでサク越えは2本。マシン打撃と合わせて6本だった。「遠くに飛ばすのは、すべての選手が出来る。もっと意識を高く持って(打撃フォームの修正など)行動に移せれば、開幕1軍の可能性もあると思う」大田の両手には、小さいが、確かな自信が残った。
打撃ケージの後ろでは、原監督が熱視線を送った。「細かいことは考えないでセンター返しを心がけなさい」と助言。「監督が見ていたので力が入ってしまいました。ドライブがかかる打球が多かった」怪物は18歳の素顔をのぞかせ、反省した。「これからのプロ野球を背負う逸材であると断言できるが、これから越えなければいけない山がある。それを越えてほしい」指揮官は厳しさの中に期待を込めた。
午前中の守備練習では、送球ミスや捕球ミスが目立ち、原監督から指導を任されている勝呂2軍内野守備走塁コーチに「元気がない」と一喝された。原監督も「基本は守ることだと考えている。バッティングは必ずいい方向に向かう」と守りの重要性を説いた。大田は「守備がまだまだなので、形は悪くてもエラーをしないようにしたい」と前向きにとらえた。
夜間も含めて約10時間に及んだ練習を、すべてこなした。「これからやっていかないといけないという気持ち。欲することなく無心で、がむしゃらにやるだけ」ヤンキース・松井から受け継いだ、背番号55のユニホーム姿を初披露した“プロ初日”。大田はゴジラに続く大物の出現を予感させた。
(2009年2月2日06時03分 スポーツ報知)
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