第3回 「全員集合!」の・・・。


	 そう!話は戻りまして、一番楽しみだったのはその「8時だよ、全員集合!」に出演してい
	たフルバンドのドラムプレーとドラムセットを見ることでした。その日によって、ワインレッ
	ドみたいな派手な色のタムをずら〜〜と並べた人が叩いていたり、シンプルなセットの人だっ
	たり。それを見て、聞いて「あぁ〜〜・・・あのステージであんなドラムセットを思いっきり
	叩いてみたいな〜〜ぁ」と憧れていたのです。「豊岡豊とスウィングフェイス」だったか「ス
	ウィングビーバーズ」だったか・・・。私の夢は「8時だよ、全員集合!」のフルバンドで
	drumsを叩くことでした。

	 さて、「大学を辞めて音楽活動に専念できる!」と思っては見たものの、よくよく考えてみ
	ると大学の中には音楽仲間はいましたが、学外にはプロ指向(プロ指向、いまでもこの言葉は
	使われているのでしょうか?)の音楽仲間はほとんどいないことに気が付きました。大学内に
	練習に十分の広さのサークル用部室があって外のリハーサルスタジオを使う機会が全くなかっ
	たので、学外の人とリハスタで知り合うようなこともありませんでした。ホントに困ってしま
	いました。どうしよう・・・。

	 そこで取った行動は「はみだしぴあ」の仲間募集に応募することでした。「はみだし」に募
	集を載せていた人に葉書で連絡、電話がかかってきた人とスタジオに入ってセッション、お互
	い気に入った人とバンドを組む。そうこうしてようやく同じようにプロを目指しているという
	ギターの「ヨコヤマテツ」と、さらにベースと知り合うことになりました。(そのときの
	ギターのテツは今はサラリーマン、ベースは今どうしてるのでしょう?)テツの紹介で、今も
	公私共に親しくお付き合いとバンド活動を行っているベースの「ムラオカ」さんと知り合うこ
	ととなりました。

	 さて大学を辞めて何して食べよう?プロを目指すからにはまさか就職は出来ない、アルバイ
	トで生活をしていくしかない、いわゆるフリーターのハシリみたいなものでした。そのころの
	私の仕事はトヨタの新車の陸送でした。綱島駅からバスで12〜3分の所にあるトヨタの新車
	の配送センターから、都内のディーラーまで新車に乗って届ける仕事でした。

	 その仕事で最初一番不安だったのは、運ぶ車にほとんどガソリンが入っていなかったことで
	した。Fuelゲージも空っぽ状態。その車に乗っていくわけですから、最初は「いつガス欠する
	か?」不安で、信号で止まる度にFuelゲージやエンジン音を気にしていました。そのうちに
	「な〜んだ、車ってFuelゲージが振り切っていてもけっこう走れるジャン!」とあまり気にし
	なくなりました。

	 失敗も何回か(も!)あります。車検が済み、ナンバープレートのついた新車を運ぶ途中に
	電柱にこすって車体に傷を付け、メチャメチャ怒られたこともありました。


	 ある日、小金井かそのあたりのディーラーから江戸川だったかの自動車解体工場まで廃車に
	する2トントラックを運ぶことになりました。ディーラーを出発するときにバッテリーがイカ
	レていて、やっとの事でエンジンをかけて出発、ちょっと不安。ディーラーの人曰く、

	「エンストしなけりゃ大丈夫だよ。」

	 後楽園球場側の交差点で止まり、信号が青になってアクセル踏んでクラッチ繋げ・・・。ク
	ラッチミスで、エ・ン・・ス・・・ト?・・・・!!

	 近くの公衆電話からJAFを呼びましたが、お陰で後ろは大渋滞に。ハイ、ソノ原因ヲ作ッ
	タノハワタクシデスゥ。


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