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花火検定試験(準備中) & 四方山話

隅田川花火大会の蘊蓄(うんちく)
時代の流れの大きな波により消された花火大会
歴史ある隅田川の花火は全国に知れ渡っている。今に伝わる「隅田川花火大会」の名称は昭和53年からと意外と新しい名称なのです。では、その前の名称はと言うと「両国の川開き」が呼び名として昭和36年まで使用され翌年(昭和37年)交通事情の悪化に伴い開催されなくなりました。

※全国花火コンクールは12回で終了。また、昭和34年からは打上花火の大きさも制限され5寸玉は打上できなくなりまた。
※昭和36年までは打上場所は両国橋上流で行われていました。

復活
時が経ちビルの谷間に開いた大きな花火、昭和53年「隅田川花火大会」と名を改め、ビルで囲まれた隅田川で復活しました。また、打上場所もさらに上流へ移動し、打上会場も2ヶ所となりより多くの方々に観ていただける配慮が施されました。
復活に至るまでには、多くの時間と協力いただいた諸父による「江戸風情」を楽しむ娯楽復活への想いのたまものです。

川開きと花火その由来(神事から娯楽へ)
歴史的記録の残るものは両国の花火が最古となっている。時代は江戸へ。享保17年(1732)の大飢餓で多くの餓死者が出、更に疫病が流行し国勢に多大な被害と影響を与えました。
幕府(8代将軍吉宗)は、翌18年(1733)5月28日(旧暦)犠牲となった人々の慰霊と悪病退散を祈り、隅田川で水神祭を行った。この時に、両国橋周辺の料理屋が公許(許可)により花火を上げたことが由来とされています。

※江戸時代、隅田川は別名「大川」とも呼ばれていました。古典落語の中では大川と表現されていることがあります。
※両国橋の名称の由来、貞享3年(1686)下総国と武蔵国の国境に掛かっていたので両方の国をつなぐ橋として両国橋の名がついたそうです。
※両国橋架橋、万治2年12月13日(1659)。

昭和31年当時

昭和31年当時
花火の蘊蓄
打上花火の種類
スターマイン
花火の種類と言うよりは打上の技術的な意味を持っています。同時に何種類かの花火を打ち上げて色合いや形の織りなすハーモニーを表現します。
※花火師のセンスと技術。
割物
花火の基本的な構造をしています。玉皮の内側に星と呼ばれる小さな花火が均等に並び、その一つ一つが光を放ち丸く開きます。真円に近いほど良いとされています。
※玉皮に張る枚数は多く、割火薬の量も多くなる。
ポカ物
玉が上空に上がり二つに割れ、中に入っている分包や仕掛(落下傘や旗等もある)が落下してくる。分包の場合は不規則な動きで彩りを添える。
※玉皮に張る枚数、割火薬の量共に少ない。
半割物
割物とポカ物の両方の特徴を持った花火で、空中で開くときは大物と違う繊細な彩りと形状を表現することができる特徴を持っている。
※アイデアと技術から生まれた花火。
型物
空中で開いたときに何らかの造形を表現する花火で明治初期より花火職人の手により開発が進められていて、今ではかなり複雑な造形も可能となっています。花火大会では必ずと言っていい観ることができる花火です。右の写真は「カタツムリ」

※左側花火の写真はすべて2006年の隅田川花火大会で撮影をした物です。



仕掛花火
竹などで造形物を組上、その形に花火を取り付けて発火させることにより造形物を闇夜に彩りも鮮やかに浮かび上がらせる豪快な花火です。

大玉
文字のごとく花火の中でも大きさを誇った花火です。一般的に尺5寸(15号玉)以上を大玉と呼んでいます。ギネスに認定されている大きさは「4尺玉」が現在最高です。打ち上げられる場所も限られていますので当然、隅田川花火大会は対象外です。
花火の色
炎色反応
花火は化学!?夜空をキャンバスに美しく彩る花火、その色はなぜ出るのでしょうか。金属を微粉末にし燃やすと色が出ることを学校の実験でおこなったことはないでしょうか。パチパチ音を発しながら発色して燃えます。これが、炎色反応といわれるものです。まさに、花火はこれをそのまま応用している技術なのです。今は現代化学である程度まで化合物の色反応がわかるようになってきましたが、まだまだ自由に色の調合をできるまでには至っていません。

配合
炎色剤(金属化学物)・可燃剤(助燃剤)・酸化剤(酸素供給剤)の配合により花火の基が作られます。同じ配合でも、作り手によって発色が変化する。赤色でも暗い赤色・明るい赤色等のように変化する、故に作り手である花火職人の腕と技術の見せ所でもあるのです。江戸時代にかかれた庭花火(玩具)の花火の配合表なども貴重な資料として現存しています。

現代の色、江戸の色(和火)
赤色・黄色・緑色・白色・紫色・紅色・銀色など現在の花火は色とりどりで豪華絢爛。では、江戸時代はと言うと化学薬品などなく硫黄・硝石・炭だけで配合を工夫し色合いの変化を持たせて楽しんでいました。時と技術で進化を遂げる花火の制作技術ですが、近年になり実現された色もあります。↓

水色 1998年完成
エメラルドグリーン 1998年完成
オレンジ色 2000年完成

昔の技術で今も健在。「顕」と呼ばれ、なんと黒色に発色させることにより、一瞬、火が消えたように見え、また発色させることにより虚を与え深い表現を行う技術が生かされています。
花火の規格
号数 仕上げ寸法 玉皮の枚数 重さ 打上高度 開花時半径
3号 8.5cm 9〜12 0.2kg 120m 30m
4号 11.5cm 12〜15 0.5kg 160m 65m
5号 14.2cm 18〜21 1.3kg 190m 85m
6号 16.7cm 23〜25 2.0kg 220m 110m
7号 20.5cm 27〜30 3.0kg 250m 120m
8号 23.5cm 32〜40 4.8kg 280m 140m
10号 29.5cm 43〜50 8.5kg 330m 160m
20号 58.5cm 180 70.0kg 500m 240m
30号 88.5cm 450 280.0kg 600m 275m

※参考書籍:「花火大会に行こう」新潮社・「花火の本」淡光社
※写真:Logical Think Co.