松井「ハイブリッド打法」でアーチ量産！

オペレーターの指導を受けハイブリッド型ショベルカーを運転する松井

　エンゼルスの松井秀喜外野手（３５）が２０日、イメージキャラクターを務める重機メーカー「コマツ」の工場を訪問した。０３年からヤンキー・スタジアムに広告を掲げる同社だが、今季からエンゼル・スタジアムでも松井をサポートすることを発表。松井は初試乗した次世代ショベルカーばりに「ハイブリッド打法」での看板アーチ量産を誓った。

　神奈川・平塚市にあるコマツ湘南工場を訪れた松井に朗報が届いた。

　松井が渡米した０３年からヤンキー・スタジアムの右翼席に看板広告を出しているコマツだが、今季からエンゼル・スタジアムでも看板を設置することを決定。契約期間も松井と歩調を合わせるかのように１年だ。

　「右翼スタンドに向かって本塁打を打ってほしい」（同社関係者）とのことで、場所は右翼ポール際で調整中という。意気に感じたのか松井も「僕の本塁打は、だいたい右翼にいくので（広告の）近くにいくと思います」と看板直撃アーチを予告。エンゼル・スタジアムでは敵地最多タイの８本塁打を放っているだけに、ミラクル弾の確率は高い。

コマツ湘南工場の社員の前で語る松井

　今季へのヒントももらった。同社が誇る世界初のハイブリッド式ショベルカーを初体験。運転席に２人乗りで密着した女性社員から手ほどきを受け、アームを上下に振った。「僕の体もこれくらい滑らかに動いてくれたらいいと思う。若い時はパワーでガンガンいけたけど、この年齢になって体のいろんな部分を混合（ハイブリッド）させて省エネで打球を遠くに飛ばしたい」と意気込んだ。

　コマツがエンゼルス側に支払う契約料は非公表だが、その広告価値はプライスレスだ。世界一を決めたＷシリーズ第６戦での先制２ランは、ヤンキー・スタジアム右翼２階席の同社看板越えの一撃。全世界に「ＫＯＭＡＴＳＵ」がアピールされた。「ヤンキースでの最後の本塁打で、僕自身もよかったと思うし、コマツのみなさんに少しでも（広告費用を）安く感じていただければ」とウインウインの恩返し弾を誓った。

　コマツの坂根正弘会長（６９）は「今年は、このショベルの目標売り上げである３０００台と松井選手の本塁打３０本で、競争ですね」と激励。松井も「もちろん、その（３０本）ぐらいいけばいいなと思います。僕自身はワールドチャンピオン２連覇できるように頑張りたい」。ハイブリッドなゴジラには頂点の座しか見えない。

　◆松井とコマツ　コマツは松井の出身地、石川・能美市に隣接する小松市で１９２１年に創業。ヤンキースに入団した２００３年から松井とキャラクター契約を結んでいる。父・昌雄さん（６７）も５７年から２１年間、同社粟津工場（小松市）に勤務。松井は「僕の実家と粟津工場が近く、父も勤めていましたから、非常に深い縁を感じています」。ヤンキー・スタジアムの広告看板は、来年３月まで契約を残している。