松井、エンゼルスでもマイペース…離陸４０分前ギリギリ空港到着

米国へ出発した松井秀

　エンゼルスの松井秀喜外野手（３５）が１５日、米アリゾナ州テンピでのキャンプに備え、成田空港から日航機でニューヨークへ出発した。出発ロビーに現れたのは、離陸の４０分前と巨人、ヤンキース時代からのマイペースは相変わらず。１年契約のエ軍でも“松井タイム”を貫くつもり。周囲に流されることなく自己流調整に専念し、「不安がある」という両ひざを守りながら打撃を磨く。

　午前１１時２０分の離陸が、４０分後に迫っていた。搭乗手続きに慌てる関係者とは対照的に、松井はゆっくり出発ゲートに向かった。「新しいチームでのスタート。不安もあるが、楽しみも大きい。シーズンが終わって、いい１年だったと思えるようにしたい」。メジャー８年目。エンゼルス１年目の出発も例年通り、堂々としたものだった。

　ユニホームが変わっても、松井は変わらない。「（エ軍に）移籍したからといって、（マイペースは）特に変わりませんよ」。渡米前に意気込みを聞かれ、悪びれることなく話した。ニューヨークからカリフォルニア州アナハイムへ。時差３時間の西海岸に本拠地を移しても、松井の“体内時計”に修正はない。

　マイペースは、巨人時代から折り紙付き。９５年の球宴第２戦では移動の飛行機に乗り遅れ、打撃練習をしないで出場し、セ・リーグ最年少のＭＶＰ受賞。ヤンキースでの昨年、ワールドシリーズ第２戦では交通規制に巻き込まれ、練習に３０分遅刻。それでも決勝弾でヤ軍を世界一に導いた。

　規格外の大物は、今オフの自主トレも余裕をもって進めた。移籍１年目。しかも１年契約。焦ってもいいはずだが、古傷である両ひざの筋力強化を重視し、屋外でのティー打撃をしないまま渡米した。「技術的なことに関しては、まだそんなにやってないんで、そういう意味では（仕上がりは）遅いかもしれない」。注目の外野守備も「ちょっと分からない。状態を見ながら」。慣れない新チームのペースに振り回されて、自分を見失うことはない。腰を据えて調整し、「４番候補」としたソーシア監督の期待に応えるつもりだ。

　ＮＹで自宅を整理し、アリゾナに入る。「不安を取っていきながら、ひざの状態を（開幕まで）１００％に近づけ、しっかりシーズンの準備をしていければ」。キャンプインは２３日。温暖な気候の下、調整のギアを上げる。