松井「完ぺき」特大１号！復活見えた２の２、４打点！

　◆ヤンキース９―２パイレーツ（１７日・フロリダ州タンパ）　ヤンキースの松井秀喜外野手（３４）がパイレーツ戦に「４番・ＤＨ」で先発出場し、３回１死二塁からオープン戦２３打席目で、右越えに“今季初アーチ”を放った。第１打席では“初タイムリー”となる先制２点二塁打を放つなど２打数２安打４打点。昨年のオープン戦はノーアーチに終わった５５番が、昨年９月に受けた左ひざ手術からの完全復活へ確かな一歩を刻んだ。

　４番のバットから快音が響いた。３回１死二塁。松井はパ軍の右腕バスケスのチェンジアップにうまく対応した。「素晴らしい当たり。完ぺきだった」自画自賛した打球は右翼席の最上段へ飛び込む特大の１号２ランとなった。オープン戦９試合、２３打席目で飛び出したアーチに「ホームランはいつでもうれしい。草野球で打ってもうれしいでしょ？」と思わず顔がほころんだ。

　約１か月の“アドバンテージ”は大きかった。右ひざの手術から復帰を目指した昨年はレギュラーが確約されておらず、万全でない状態で実戦出場し始めた。思い描くフルスイングはできず、オープン戦での本塁打はメジャー移籍後初めてゼロに終わった。

　しかし、今回は手術を受けた時期が昨季終了直前だった。打撃に支障がないほど、左ひざは回復。この日の一発につながった。初回１死一、二塁からは右翼線へ今オープン戦初のタイムリーとなる先制の２点二塁打。２打数２安打４打点と、チームにも大きな意味をもたらす活躍だった。

　プレーオフ進出を逃した昨季の低迷は、けがによる主力選手の離脱が大きい。その一因であった松井や右肩痛で離脱した正捕手のポサダが順調な仕上がり。通算４８２セーブの守護神リベラも、右肩手術後の初登板で１回を無失点に抑えた。ジラルディ監督は「みんながいい方向へ進んでいる」と、故障明けの選手の力強いプレーに巻き返しの手応えをつかんだ。

　試合後の松井は「テレビ（の会見）いらないでしょ？　（ＷＢＣの）日本戦あるんだから」と、自虐的なコメントで周囲の笑いを誘った。だが、この日のアーチは背番号５５の存在感を十分に示す一撃だった。