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JR東海:リニア建設表明、新たなドル箱路線確保に先手

 JR東海が自己負担によるリニア中央新幹線建設を表明した背景には、東海道新幹線の輸送能力が上限に近づくなか、東名間の新たなドル箱路線を確保する必要に迫られていることがある。公的資金の投入をあてにすれば完成は他の整備新幹線の後。完全民営化(06年)後の成長戦略をいつまでも描けないことになるため、「真の民間企業として」(JR東海幹部)早期着工への先手を打った。

 「中央新幹線がいつ具体的になるか見えない。一方で(東海道新幹線の)輸送力の限界が近づき、早くやる必要がある」。同社の松本正之社長は25日の会見で、自力建設の必要性を力説した。

 積極姿勢の裏付けは、年間1兆円以上の東海道新幹線の収入。さらに、少子高齢化時代が進むなかでも、産業が集積する太平洋ベルト地帯の旅客数は減少せず、東京-大阪間で2割ほど残っている航空旅客シェアも、リニア整備による時間短縮で乗り換えが進むとして、「健全経営と、リニア新幹線推進を両立できる見通しが立った」(松本社長)という。

 一方、投資コストを抑えるため、東京-名古屋間は直線ルートを採用することも明らかにした。これまで想定ルート上にあった長野県の諏訪湖周辺は外れることになり、関係自治体からは失望の声も上がるとみられる。

 また、東京、名古屋以外の中間駅の設置場所も焦点となるが、同社の野田豊範専務は「(高速走行という)リニアの特性を損なうことはできない。駅間距離は必要」と、新幹線駅より間隔を置くことを前提にする考えを示した。沿線自治体から要望の強い新駅設置は最小限にとどまりそうだ。【井崎憲】

毎日新聞 2007年12月25日 22時25分 (最終更新時間 12月25日 22時31分)

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