【秘書給与問題】
 田中真紀子衆院議員が議員辞職
田中真紀子前外相は９日午前、綿貫民輔衆院議長あてに衆院議員の辞職願を提出した。衆院事務局によると、田中氏側が直接、衆院議長に辞職願を提出した。同日午後、綿貫議長は鳩山邦夫衆院議院運営委員長と協議して辞職を認めた。
田中氏は、今年４月に秘書給与流用疑惑が浮上。６月２０日に自民党から「２年間の党員資格停止」処分を受けた。さらに衆院政治倫理審査会（奥野誠亮会長）が７月２４日開かれ、田中氏は「秘書給与を流用した事実は一切ない」と疑惑を全面的に否定していた。
田中氏の議員辞職に伴う補欠選挙は他の衆参５選挙区を含めて１０月２７日に行われることになる。
◇
【秘書給与流用疑惑とは】
田中氏の秘書給与流用疑惑は４月に明るみに出た。公設秘書給与が開封されないまま越後交通の担当者に渡っていたとして、田中氏側が流用していた疑いが週刊誌に報じられたのがきっかけとなった。実態解明を巡り自民党執行部との間で確執が深まり、６月２０日、党員資格停止の処分を受けた。田中氏は７月２４日の衆院の政治倫理審査会で弁明し、疑惑を否定した。
◇
■田中氏の秘書給与流用疑惑の経緯
４月 ３日 田中前外相の公設秘書がファミリー企業の社員を兼務していたことが明らかに
５日 自民党の山崎幹事長が党政治倫理審査会で事情聴取する方針を表明。田中氏は反論文書発表
１０日 林義郎・党政倫審会長名による質問書を田中氏側に提示
１５日 田中氏、質問書の真意を問う文書を小泉首相（党総裁）と山崎幹事長に送る
１６日 田中氏、林会長と会い、疑惑を否定
１７日 首相、疑惑調査への協力を求める文書を田中氏に送る。田中氏は口頭で説明したと反論
１８日 山崎幹事長が田中氏に協力依頼の文書を送る
２８日 参院新潟選挙区補選
５月 ８日 田中氏から林会長らが聴取
９日 林会長らが再度の聴取。田中氏は重ねて疑惑を否定
１０日 田中氏が参院補選での選挙応援を怠ったとして、山崎幹事長が厳重注意することを決定
１７日 党政倫審、今後の対応を執行部に一任
２０日 党役員会は「疑惑は払拭（ふっしょく）されない」と判断し、関係資料の提出を求めることを決定
２８日 田中氏、「説明責任は果たした」として資料提出拒否
３０日 党側、田中氏の処分を党紀委員会に諮る方針を決定
６月１１日 田中氏が党紀委に出席し、疑惑を否定。党紀委は追加資料の提出を要求
２０日 自民党が田中氏の党員資格停止処分を決める
７月２４日 衆院政治倫理審査会で田中氏が弁明
（08/10）
田中真紀子衆院議員が議員辞職 （08/10 ）
田中事務所、人影もなく 衆院議員会館 （08/09 ）
自民党本部にも衝撃 田中氏議員辞職願提出 （08/09 ）
田中前外相の疑惑、再追及せず 政倫審 （08/03 ）
「田中氏の疑惑解明されず」衆院政倫審、報告書で表明へ （07/31 ）
田中前外相、秘書給与流用疑惑を全面否定 衆院政倫審 （07/25 ）
衆院政倫審、一般傍聴認めず限定的な公開に （07/17 ）
田中前外相の秘書給与疑惑、２４日に政倫審 一部公開 （07/11 ）
「流用は議員の責任」 参院秘書会が議長に申し入れ （04/12 ）
田中真紀子氏に文書で事実関係ただす 自民党政倫審 （04/10 ）
|
