since 14/DEC/96
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8月
31日
(tue)
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昔、友人が「私はいつも空想ばかりしてるっていうか、白昼夢の中で生きてるようなものだし」と話していたことがあって、彼女を現実主義者だとばかり思っていた僕に少なからぬ驚きをもたらしました。そういう自分もまた、空想と現実の境目をかろうじて認識できているだけの白昼夢の住人かもしれません。考えてみれば、人ってのはどのくらいバランスで空想と現実の折り合いをつけてるんでしょう。それは外から窺い知ることが出来ないだけに、ちょっと不思議で、突き詰めると恐い気がしてくる問題です。
「アフタヌーン」10月号に掲載された高野文子の新作「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」の主人公・実地子もまた、日常に空想を溶け合わせて日々を送る人物。学校卒業と就職を控える彼女は、授業中でもバスでも布団の中でも「チボー家の人々」という小説を読み耽り、哲学的苦悩を抱えながら革命に燃える若者たちと自分を重ね合わせます。けれど自分を取り囲む現実と物語の世界が重なることはなく、ギャップを感じながらも、実地子は己の境遇の平凡さをあからさまに嘆きはしません。そしてその微かな痛みを描き出す手腕が、高野文子の真骨頂でしょう。物語の登場人物達、そして革命の夢に別れを告げ、5巻に渡る長い物語の読了と卒業が訪れるラストの、なんて透き通って暖かであることか。
物語の舞台は、おそらくは30年ほど昔の田舎。家の中や教室の会話の描写のひとつひとつにまで体温がこもっているかのようです。その世界に同調できないと読むのが辛いのも確かだと思われますが、普通だったら不要に思われるようなコマの生み出す独特の間や、映画のような大胆なアングルを使っての構図も従来通り。線はさらにペン先が軽くなった印象で、絵は一般的に可愛いと形容されるようなものではないし、実地子なんて平気で変な顔になったりするんだけど、その表現は見事なまでに雄弁なのです。
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四季賞99冬のコンテスト募集のお知らせは、山本昌幸さんがイラストを描いてました。ああっ、もっと早く読んでおけばコミティアでお祝いを言えたのに!
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8月
30日
(mon)
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朝日新聞朝刊の「おやじの背中」というコーナーに庵野秀明が登場しています。片足が無かった父からの影響に触れ、「僕にとっては何かが壊れ、欠けてる方が普通なんです」。
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これまでOUTDEXは、どうも更新時刻取得情報エンジンやWWWCなどで更新時刻を取得できなかったようです。自分のWWWCでも試してたんですが、いつも悲しいことに「no date」。で、漫画系サイト更新時刻一覧を運営されてる細井さんに聞いたところ、SSIが動いてるからじゃないかということでここを教わり、さっそく対応策を実行してみました。そして更新してみたところ、「漫画系サイト更新時刻一覧」にも更新時刻がちゃんと表示され、WWWCでもチェック可能に。お試しください。
というわけで「OUTDEX」を更新し、別冊宝島「自殺したい人びと」と大江健三郎「宙返り」を「BOOK」に追加しました。
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8月
29日
(sun)
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池袋サンシャインでコミティア。いつもサンシャインで開催する時とは違う場所だというので会場を探したところ、地下1階通路の行き止まり近くに突如即売会的な空気の漂う一画が現れました。たしか昔はゲームセンターがあった場所じゃなかったかな…と入場してみると、これがまた穴蔵の中に押し込まれたような狭さで、しかも普段とあまり変わらないような客の数だったため、混んだ狭い通路をすり抜けるのにも一苦労。起きてから何も飲み食いせずに出かけたんで、なんかフラフラしてきました。いつも買ってるサークルや、コミティア内で評価の高いサークルとかを中心に購入、その場でビビッと来て新しいサークルを新規開拓するようなことはありませんでした。もう疲れちゃって。木附さん・志賀さん・檜木さん・茉莉花さん・南さん、本をありがとうございます。
一通り見てから河合さんと合流して、途中サクラ君を交えながら延々と夜まで話し続けました。サクラ君はコミティアの打ち上げに行くため途中で抜けたのですが、僕らが喫茶店を出る頃には方舟にでも乗った方が良さそうな豪雨。ビアガーデンで打ち上げていた人々が、屋上から同人誌ごと押し流されなかったことを祈るばかりです。かくいう僕らも、僕は山手線が止まって一苦労し、河合さんは新幹線が運転見合わせで危うく帰れないところだったのですが。あと、同人誌に雨は辛いですな。
夜はかちゃくちゃさんから電話。鶴見済の「完全自殺マニュアル」を太田出版が自主規制することにした問題をはじめとして、そっち方面のよもやま話でスパーク。
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8月
28日
(sat)
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三五さんから借りていた『よい子の歌謡曲』編集部編「よい子の歌謡曲」を通読。扱ってるのはもちろんアイドルですが、雑誌の方ではなく83年に冬樹社から出た単行本です。ある種の物語を音楽に求める行為には往々にして違和感を覚えるのですが、彼らの場合はそれが共同体幻想に向かうのではなく、個の内面に向かっているので僕にも興味深く読めました。アイドルと並べて筒美京平を取り上げてるのはさすがです。
「INTERNET MAGAZINE」10月号の、個人向け常時・高速接続特集は真剣に読んじまいました。すぐ始めるなら、うちの場合はケーブルテレビが一番現実的かなぁ。初期投費が4・5万かかるのが難点ですが、現状の費用と比較計算してみると損じゃないかもしれません。
明日サクラ君に返す約束なんで、去年「赤BUTA」に掲載された日本橋ヨヲコさんの「ストライクシンデレラアウト」の切り抜きを読み返しました。もう10回以上読んだんだけど、俺は本当にこの作品が好きなのだと再確認。啓蒙っぽくならずにメッセージを強く押し出して、しかも気恥ずかしさよりも熱さが先に胸に来るってのはすごいことなんだよ。
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8月
27日
(fri)
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佐野元春の新作「Stones and Eggs」は、デジタルソウルと表現したくなる「GO4」で幕開けです。ああ驚いた、前作とのギャップ大きすぎ。しかも、妙に音が古いというか安いと思ったら、プログラミングをはじめとしてほとんど一人で作ってます。他の曲も一人で制作している比率が高く、曲によってTHE HOBO KING BANDが参加するという形式。やはりバンドとやってる方がナチュラルな仕上がりですが、「驚くに値しない」は全部自分でやってるとは思えないほどバンドっぽいです。
この人はいつもそうなんだけど、より外の世界に目を向けて時代を意識した本作の感触には「VISITORS」を連想しました。「メッセージ」なんて曲もあるし。ただ、ビート詩人然としながら言葉の選択の幅がやや狭い気もします。ラストの「GO4 Impact」は、ドラゴン・アッシュの降谷建志とBOTSが「GO4」を再構築したトラックで、彼らとの相性は意外と良好。今では懐かしく感じるほどに、キュッキュとスクラッチが入ってます。ちょっと落ち着かないけど、俺はまだまだ枯れてないぞという佐野元春の自己主張と野心に満ちたアルバムでした。
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8月
26日
(thu)
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http://fly.to/outdexという短縮URLを無料で提供してくれてるV3が、新しいメールアドレスをくれてやる代わりに「(1) pop-up window (2) delay-page (3) frame」のどれかにしやがれというメールを送ってきました。今まではページにバナーを張ってればOKだったのですが、それを廃止してさらなる広告収入獲得を目指しているようです。向こうの時間で25日からシステムが変わって広告窓が出るようになったらしいので、久しぶりにJava ScriptをONにしてみたら、案の定飛び出してきやがりました。とりあえずこれで放っておくことにしますんで、「http://fly.to/outdex」でアクセスしてる人はJava Script切るか窓を閉じるかしてください。delay-pageは10秒もかかるし、フレームはXOOMみたいで邪魔だし、広告無しの有料サービスを申し込ませようとする手法は羊を追い込む牧童のようです。ネットビジネスの世界は厳しいですな。Easy.to/REMEMBER/やNetForwardはまだ何もしなくていいみたいなので、そっちの方がいいかも。普段はJava Scriptを切ってるんですが、ONにしてみるとTripodでもGeoCitiesでもVirtual Avenueでもピョンピョン窓が飛び出して、たまにやる分には愉快でした。
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うっかり書き忘れてましたが、OUTDEX更新してます。6月のCDレヴュー9枚分を追加したほか、NEWS!・ハピィライフ・日々是髑髏船・崩解遊戲を「Link 2」に加えました。
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8月
25日
(wed)
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「DOS/V magazine CUSTOM」の原稿校正のためにソフトバンクへ。校正自体はすぐに終わったので、さっそく打ち合わせと称する飲み会へと向かいます。編集さんも小説担当ライターさんもバリバリ私服でいいなぁ。途中ゲーム音楽担当ライターさんも合流で、スーツ組盛り返し。
お約束で僕は酔い潰れてしまい、ハッと目を覚ますとなぜか皆はモテ論争の真っ最中です。モテとは? モテるためのスキルとは? そんな熱い男の語らいをよそに、僕は激しいインターネット衝動に襲われました。時計を見ると午後11時過ぎ。なるほど僕の体内時計にはテレホが組み込まれているようです。「インターネットがしてえ、今すぐ、この場で! 誰か端末よこせ!」と僕が吠えていたら、「はいこれ」と円筒形の容器が。側面には「ソース」の文字。コロッケにかけてインターネットを満喫しました。
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8月
24日
(tue)
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大江健三郎の「宙返り」を読む際に僕が犯してしまった誤謬は、この作品が現実に対しての直接的な示唆を含んでいることを期待してしまったことです。オウムという言葉が幾度となく現れるために、ついついそうした期待を持ってしまったのですが。
教団を率いていた師匠(パトロン)と案内人(ガイド)は、過激化した信者の一斉蜂起を食い止めるために、全ての教義は冗談に過ぎなかったと「宙返り」し、教団を解散させます。それから10年の後に再び師匠と案内人は新たな教会を興そうとし、そこに宗教的な理由以外で彼らと接点を持った人々がその活動の中枢に関って行く物語です。
このように紹介すると面白そうに思えるかもしれませんが、上下巻合わせて1000ページ近い分量であり、さらに大きな事件で物語を誘導して行くというよりも、観念的な言葉が連ねられた対話がその大半を占めています。
教団内の派閥を描く部分にしても、冷めた目で見ればずいぶんとこじんまりした話に終始しているし、四国に移転する教団と地元住民との対立も、こんなにすんなり解決してしまうとは。そうなると、若者たちのセリフがえらく大時代的であることまで気になってきます。結局、この作品は魂の救済といった大きな問題に直面する覚悟を持って読むべきだったのでしょう。それこそ聖書を読むような気分でなくてはならず、僕はさながら現世利益を求める俗物になったかのような気分でした。
強い吸引力を感じさせるのは、残り100ページを切ってから。泥ついた欲望を露悪的なまでに描くセックス描写と、不穏な雰囲気を孕みつつ複雑な余韻を残すラストは好きです。
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8月
23日
(mon)
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テイ・トウワ「Last Century Modern」
あの髪型とメガネであることに迷いを見せないのはやはりすごいことだと、音を聴きながら考えさせられたのは決して脱線ではありません。UAやCHARAが歌おうが、不動の鄭東和的世界。ラウンジっぽくして適度にお洒落にすることも出来るだろうに、この音の芯が太さはなんですか。ドラムンベース以降のリズムではあるのだけれど、ドラムンベースそのものを使わないところもさすがのセンスです。マルチランゲージ音声合成システムなんてものまで使うフューチャー志向の先にあるものは、目と鼻の先にあるようでやはり架空の未来。たとえレトロな雰囲気を出す場合においても後向きではないのは、これまたすごいことです。
シャカゾンビ「JOURNEY OF FORESIGHT」
時に音の隙間がわざと大きめになるバックトラックに斬り込むラップは意外と少年っぽい声。ジャズネタやアブストラクトなサウンドのトラックが特に好きです。B-BOYがB-BOY然としてるのも予定調和だけど、逆にナイーヴに呟いてみせるのもまた予定調和なんじゃないかと感じている僕には、「Warm or Cold」みたいな曲よりも、勢いと批評性が同居している「白いヤミの中」の方が素直に聴けました。
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8月
22日
(sun)
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なにやらタイトルロゴの下に文字列がありますな? というわざとらしいボケをしたところで、DJイベントのお知らせです。ええ、僕は全く懲りてません。
その名は「東京紳士ジェントル5」。5人の野郎どもが、音楽ジャンルという概念も平日の仕事での苦労も忘却し、ネタが尽きるまで秘蔵の音盤を回し続けるというイベントです。他の4人のDJの皆さんは、どいつもこいつも手のつけられない音楽マニアばかりなので、マニアックな貴殿もきっと満足できる選曲のはずですよ。9月25日土曜日の午後4時スタート、場所は早稲田の「Jerry Jeff」というロック喫茶。明るいうちから始まって、夜の11時頃まで続く予定なので、都合のいい時間に気軽に遊びに来てくれると嬉しいです。詳しくはこちらの告知ページをどうぞ。
昼間にまったりやりたいと言い出したのは僕なんで、初志貫徹でまったりDJを目指します。踊るのがメインのイベントでもないんで、曲の繋ぎに神経を使うのなんてやめて、間が空いたらマイクに手をのばすぐらいの気分でやりますね。ぜひ来てください。
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8月
21日
(sat)
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ちょっと浜辺を歩こうと車を降りた僕たちは、空と海のあまりの夏っぷりについつい泳ぐ気になってしまい、水着と浮き輪をとりに車へ戻ったのです。荷物をロッカーに押し込んだのはいいけれど、あれれ、気がついたら僕はメガネを掛けたまま。でもまぁ、別に泳ぐわけじゃないからいいやと、日に焼けて赤くなったままの連れの背中を追いました。
そして帰ろうかという頃、高波。僕のメガネは、まるで贖罪を迫るかのように激しい勢いの波にさらわれ、黒潮に乗って太平洋の海原へと泳ぎだしました。
「もう5年も使って水焼けや傷も多かったしさ、いい機会だと思って買い直すよ。」
「そうやって自分を納得させようとしてるんだね。」
この鬼め。
メガネないと動くのが恐いなぁと思ったものの、行動にそれほど支障はなくて、普段の僕は視界の細かい情報なんて読み取らずに行動してるんじゃないかという気がしました。唯一困ったのは、夜の高速道路の光はどれも同じ大きさと形に見えて、しかもそれが細菌か微生物のような姿だったのでちょっと気持ち悪かったことなのです。
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8月
20日
(fri)
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このまま伝説として過去のものにするには惜しいのに、長らく廃盤の憂き目に遭っていたJAGATARAですが、9月22日に旧譜9枚が再発されるそうです。それを知ったのは、「Quick Japan」26号の裏表紙の広告。しかも記事の方にもOTOとEBBYのインタビューがあって驚かされました。バンドとしての音楽性よりも、江戸アケミという人間のドラマに焦点を絞ったインタビューにはやや違和感も受けましたが、新しいファンを開拓するきっかけになりそうで、少なからぬ興奮を覚えます。
ファンクやアフロといった黒人音楽を吸収し、猥雑でありながらも時に狂気の奥に清廉さも垣間見せたバンド。結局、彼らのようなバンドがその後現れることはありませんでした。これから聴こうとする人には、まずは混沌とした世界をそのまま収録したファースト「南蛮渡来」、そして「裸の王様」「それから」あたりをお勧めします。あとはインディーズ時代のレア音源を集めたアルバムさえ出てくれれば…。
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8月
19日
(thu)
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くらもちふさこの「天然コケッコー」11巻を本屋で見つけて大喜び、単行本はずいぶん久しぶりの気がします。
浮気疑惑ネタも一段落し、恋愛と田舎での生活の両方が鮮やかに描かれていて、しかも切なさ入り。同じようなコマを複数並べるなど、コマ割りの効果を知り尽くしたかのような手法も相変わらずです。scene.48と49の2話を使って、同じ日の出来事をそよと大沢のそれぞれの視点から描くなんてこともしています。
最初に何巻も一気読みした時に感じた、衝撃的ですらあった瑞々しさは薄れてきましたが、それは読み手である僕が慣れてきただけの問題でしょう。地域振興券の登場する話には、同時代を突っ切って行こうとするくらもち先生の心意気を感じました。
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8月
18日
(wed)
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結局「サイゾー」は毎号買ってます。9月号のJポップ特集でも一般大衆への悪意が漂っていて、全体を貫く皮肉っぽさは変わっていません。佐野元春と江口寿史の対談は、最初の方があんまり対談になっていないのでもっと読みたいところです。
宮台真司と宮崎哲弥の対談連載「M2」も今回はJポップ絡み。援助交際は自意識の問題が原因だとバレてからブームが去ったとし、自意識と結びつきすぎてきた日本のサブカルチャーでも音楽では脱自意識が進んでいると述べられています。音楽の面での脱自意識ってのはそう簡単には進まないのではないかと感じたのですが、それは僕がすでに時代に取り残されているためなのでしょうか。
半世紀前のフランスの歌手の写真かと間違えたのは、デミセミ クエーバーのエミ・エレオノーラのモノクロ写真。その美しさに素顔を見たくなりました。
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8月
17日
(tue)
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宇多田ヒカルって漢字変換がすごく面倒な名前だなーってのはさておき、彼女の日記「Message from Hikki」から顔文字だけを抜き出して収集し、顔文字表現を研究するホームページを作るというのはどうでしょう。「どうでしょう」という言い方なのは、つまり自分で作る気はないのですが。
彼女の使用する顔文字としては「(≧∇≦) ぶぁっはっはっ!!!」が有名ですが、8月8日に登場した「あいーんっ(_´Д`)」は衝撃的ですらありました。もうこうなると、顔文字という同じフォーマットであっても「(^^;」のような単純なものとは別次元のもののようです。宇多田日記以前に見た「ヽ( ´ー`)丿」と同様に構成する文字が複雑で、顔文字単独でも妙な味わいがある点が気になります。誰か時間軸に沿った顔文字の体系図を作ってくれないでしょうか。その方面に疎い、顔文字非使用者からのお願いです。
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8月
16日
(mon)
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「オザケン世界デビューへ」というわけで、小沢健二 VS 小山田圭吾の因縁の戦いはアメリカに舞台を移そうとしています。スケールがでかすぎて、なんか冗談みたいな展開です。オザケンのMOTOWNとコーネリアスのMatadorとではカラーが全然違うところに、2人が歩んだ道はすっかり離れていたのだなぁと実感。世界塔の崩壊からまだ10年足らずなんですけどね。今日で夏休みが終わりの僕には、「ドルフィン・ソング」が聞こえます。
佐野元春のニューシングル「だいじょうぶ、と彼女は言った」は、目新しいことなんか別に何もしてないのに驚くほど新鮮です。冒頭の歌い出しの部分だけで吸い込まれました。
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8月
15日
(sun)
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午前5時45分起床。我が家に駐留した地方部隊が、初コスプレの着替えをするためにサークル入場開始時間には行きたいと言うんで、こんな時間に起きるハメになっちゃいましたよ。ここのところ午前4時に寝て昼に起きる生活が続いていた僕が、午前1時過ぎに床についても眠れるはずはなく、結局2時間ぐらいしか眠れませんでした。サークル入場の朝はいつだって気違い沙汰です。
何か自分たちの意思とは違うものに誘導されるが如く向かった先は有明。入場後、地方部隊に衣装を貸してくれる方のスペースにお邪魔して、距離的な意味以外にも遠い世界のように感じられるコスプレ更衣室に旅立つ地方部隊を見送ってから、売り子をする「Print & Paper Fetish」へ行きました。しかしU-RO隊長も、こばこ隊員も一向に来る気配が無く、しかも8時25分の段階でU-RO隊長から「いま新橋、これからゆりかもめに乗車」との報が。サークル入場は9時までです。募る不安に耐え切れず思わす陣地の防衛を放棄、本当にメイドの格好で戻ってきやがった地方部隊を連れて挨拶回りに出かけました。
OGAIさんのサークルへ行ってみると、売り子をすると聞いていたトモミチさん・ユウタくん・タロウさんの他にも、スタヘさん・由一さん・シバタさんら、ネットモダチ大集合じゃないですか。一部は前夜にスタヘさんの家に泊まっていたとかで、すでに「出来あがっている」状態です。唯一落ち着いた雰囲気のなかつがわさんに僕がフロッピーをいただいてる間にも、連れのメイドは皆に視姦されていました。でもキャラ的に仕方ありませんね、メイドだから。
スタートがそんな感じだった今年の夏コミ、買ったのは7冊だけでした。エヴァ系は当然ながら縮小傾向ですし、アニパロを買おうにも最近はアニメ自体をあまり観ていないし、オリジナルはコミティアで買う予定だしで、購入対象自体があまりなかったんです。エヴァ本は「PEPPY ANGEL」「死神の盆踊り」「CATHARSIS」といういつも買うサークルのものを。それ以外では、「あわたけ」・三五千波さん・加野瀬さんの本、「樽の眞相」というラインナップでした。加野瀬さんのスペースには更科修一郎さんがいらして、ちょっとお話できました。
そして後は売り子タイム。遊びに来てくれたり通りかかったところを僕に捕捉されたりした、KF-2さん・志賀さん・沼田さん・ハルヲさん・hirafさん&くまさん・フクダさん、ありがとうございました。以前に何度もメールのやり取りをしていたKF-2さんとはやっと初対面できて嬉しかったです。
また、曙さん・犬上さん・OGAIさん・河合さん・TAGROさん・ふにさん・山名さんほか、本を下さった皆さんにも感謝。しっかり読ませていただきます。最近OUTDEXにリンクしてくださった改さんとも会えて、マンガ評論本をいただきました。あいるさん、また聖コス武勇伝を聞かせてくださいね。
終了後は、U-ROさん・こばこ嬢・元メイド・ハルヲさん・僕で打ち上げ。「ここで酒を飲んだら意識が途絶える」と酒を飲まなかった僕ですが、オレンジジュースでも意識が途絶えました。リンゴジュースを飲んだ帰りの電車でも気絶。
僕らにはフジロックがなくてもコミケがあります。皆さんお疲れさま、今年の夏コミは1日だけの参加でしたが、楽しすぎるほどでした。
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8月
14日
(sat)
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明日のコミケ出撃をひかえ、今夜の我が家は地方部隊を迎える前線基地となるため、ホコリまみれになって部屋の片付けです。でも、どうせ明日の夜には同人誌とかでゴッチャゴチャですよ。
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チャッピーのシングル「水中メガネ/七夕の夜、君に逢いたい」のうち、後者を歌ってるのは森高千里なんですね。しかもバックがティン・パン・アレー。スピッツの草野正宗が書いた「水中メガネ」の方がA面扱いですが、細野晴臣作曲・ティンパン編曲の「七夕の夜、君に逢いたい」の方が断然カッコいいです。鈴木茂のギターもうなってますな。
最近、いしだあゆみの「いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー」も聴いたんですが、こちらもタイトル通りティン・パン・アレーのバッキング。ただし77年の作品ですけどね。語りと歌による「私自身」にはゾクゾクしちゃいました。
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8月
13日
(fri)
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本格的にヒマです。ヒマ過ぎると本を読む気にもなれないので、ますますヒマに。
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データがハードディスクを侵食していく速さに恐れをなし、「Sandy Folder Size」というソフトを入れてみました。各フォルダのサイズと比率をグラフ表示してくれるもので、試してみるとチェックもあっという間です。ちなみに僕のハードディスクで一番容量を占めているのは「windows」フォルダで、その中で一番大きいのが「デスクトップ」。さらにそこで最大のデータ量を誇るのは…「mp3」。結局そのままにしておきました。
「RainbowTag」というソフトは、文字列に色のグラデーションを簡単に施せて楽しいです。チャットで使うと、会話に無意味な華やぎが。ただ、大量のfontタグを使うので、掲示板によっては文字制限ではねられることもあります。この日記では文字色をいじらない主義なんですが、ちょっとだけ。
fontタグを大量にブチ込むという点では、「IMG2HTML」の方が上です。画像を文字列に変換表示するソフトで、用途によってはかなり馬鹿馬鹿しい使い方が期待できます。しかし、うかつにカラーで作ったりするとすごいデータ量になるのでご注意を。
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8月
12日
(thu)
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コミケカタログを検討した結果、夏コミに行くのは15日だけにしました。さにさんの7月24日の日記の巡回先リストと、WestRiverさんのコミックマーケット情報!の参加作家一覧を参考にしつつチェックしたところ、行ってみたいサークルは40弱。僕にしては少なめです。そういえば今回は知り合いの参加がちょっと減った気もして、時の流れあるいは寄る年波を感じもしました。
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「東京行くから遊べやコラ」と言われ、りゃんさんに会ってきました。東京駅で待っていたのは、ロリ声の大阪人。ピングーが大好きな人と聞いていたのですが、ピングー柄の服とか着て来なかったので一安心です。話した言葉の語尾に顔文字が見えるような人でした。
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8月
11日
(wed)
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新宿でOGAIさん・トモミチさんとお茶してきました。2人ともアナログ盤を小脇に抱えていてお洒落。テーブルに水でお絵描きしたのも楽しかったです。もらい物ありがとうございました。
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その後、新宿書房というある方面に特化された書店へ連れていってもらい、桑島ユウキ「デビッターズ 返して☆勇者さま!」を購入。2人と別れてから行った「まんがの森」では、ティアズマガジンを買います。でもこれ、初売りはコミケじゃなかったですっけ?
レコード屋では、普段なら18日以降に出る「MUSIC MAGAZINE」の10月号がすでに店頭に。お盆ですな。ディスクユニオンで猛毒の「猛毒の国語・算数・理科・社会」を発見したものの、3800円もするので断念。あの店はこのCDの価値を知りすぎています。代わりにLOS LOBOSの「THIS TIME」をレジへ。
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8月
10日
(tue)
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伊豆旅行の全てを自己の作品とする伊豆アーティスト・有馬さん主催の伊豆旅行に行くはずでしたが、「DOS/V magazine CUSTOM」の原稿締切が今日だったり、お見舞い紀行予定があったりするので断念しました。そしてひとりで自分の部屋に。原稿を無事送信した頃にはもう夕方です。
夜、来月兎菊書房から出る「comic EDEN」というマンガ雑誌に書いた評論原稿の文字校正。編集さんに会って短時間で校正が済んだ後は、延々マンガ話をしてきたのでした。
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8月
9日
(mon)
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猛毒の音源を浴びるように聴いてみました。といっても21曲だけなんですが、それでも酸欠しそうな気分です。サンプリングのセンスとギターのリフ一発で、作曲能力の欠如を豪快に乗り越えてしまった曲の数々は、虚しさなぞ恐れずに有名人ネタを連発。ガッツ石松のオナニー発言に焦点をあてた「カンバック〜ガッツ石松・・・再び!!」、ひたすら郷ひろみのモノマネで押し通す「H・I・R・O・M・I(花とみつばち)」、畑中葉子の原曲を勝手にリミックスして混沌の底へ落としいれた「後ろから前から」などが鈍い光を発します。そして、呆れるほど豊富な音源からいかりや長介の悲哀を浮き彫りにしてしまった「サイバー長介」は、素晴らしいテクノ。著作権をはじめとする世間の権利関係をかたっぱしから侵害し、メディア上の人物の虚像を見破るかのように罵倒する猛毒の音楽には、単なる中傷寸前のスリルが勘弁してくれというほど詰めこまれていました。
ちなみにバンドはすでに解散しており、多くの作品が廃盤となった今では、ナンシー関がジャケットを描いた「湘南…おまえはどこのワカメじゃ」をなぜ買っておかなかったのかと悔やまれます。
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8月
8日
(sun)
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横浜の「港が見える丘公園」にあるイギリス館でSWAYのライヴ。お手伝いさせてもらうために早めに行って椅子とかを並べていると、開場時間を前にファンがどんどん集まってきます。そして入場。実のところ僕はSWAYのステージは初めてなので、なんか落ちつかない気分のまま開演を待っていました。
ステージは、まず客席全員にお茶とお菓子が配られてから。人数こそ60人限定でしたが古い洋館の冷房は効きが悪く、えらく暑いの中でのライヴでした。編成は、SWAYの2人に曲によってアコースティックギターとパーカッションが加わるというシンプルなもの。昔の楽曲はほとんど演奏しないで、その代わり最新作の曲と新曲を披露していく選曲は、SWAYが完全に現在進行形のグループになったことを知らせるのに充分でした。服部良一の名曲「蘇州夜曲」のカバーまで。「一緒に歳をとっていきましょう」という杉山加奈さんの素敵なMCが、これからの活動を期待させてくれて嬉しかったです。
会場入りから撤収まで4時間という慌しい状況でしたが、皆さんお疲れ様でした。
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8月
7日
(sat)
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茨城お見舞い紀行。
東京駅発の高速バスに揺られること1時間強、降り立ったバス停から見えるのは、用水路の向こうに広がる水田ばかり。そういえばここには冬しか来たことがなくて、夏に訪れたのは初めてなのだと気付いたのは、一瞬にして鼻腔を満たす草木の青い匂いのせいでした。
部屋には冷房の代わりに吹きぬける風。過労で体を壊した人は今夜電話をして会社を辞めるというので、僕がセリフを考えて復唱させます。購入後1年を経過したタブレットは、僕の手で初めて接続されました。毎食後に5種類の薬を飲んでる病人は、ウテナの「バーチャルスター発生学」をBGMにしてウテナ名場面集を実演し始めた僕を病人呼ばわり。反論できなかったのが悔しかったです。
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8月
6日
(fri)
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夏コミは、15日にU-ROさんのサークル「Print & Paper Fetish」で売り子をしますんで、酔狂な方は遊びに来てください。場所は東カ45a、97年7月のあの夏の日の暑さと熱さを忘れられぬ者たちが集うエヴァ地帯です。
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浅田彰+田中康夫「憂国呆談」、松尾スズキ「大人失格」、OKAMA「スクール」購入。
OKAMAの「スクール」は、男の子が転校先で次々と女の子とやっていくという、「めぐりくるはる」に収録された作品と比べると驚くほどエロマンガ的筋書きの物語です。でもOKAMAの作品世界の個性は相変わらず強くて、6話だけ突出して観念的だったりします。あと、絡んでるのは男女でも妙にショタっぽいような。
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8月
5日
(thu)
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カーネーションの直枝さんが、「政太郎」から本名の「政広」に改名するそうです。40歳になるのを機にしての決断だとか。この報告文がまたかっこいいですなぁ。
そういえば僕は、ネットでも物書き仕事でも本名で、他国の工作員とかもやってないんで当然実生活でも本名しか使ってません。親族以外で同じ名字の人にお目にかかったこともないし、せいぜいネットでは読み易くカタカナ表記にしてる程度で。会社員という立場上、物書き仕事では名前を変えた方がいい気もするんですけど、そもそも変名を使うという思考自体がなかったようです。その気になればもう一人の自分を作れる機会が2回はあったのに、もったいないことをしたかもしれません。でも僕の場合、ハンドルとかペンネームを考えるにしても妙な自意識が投影されて、奇をてらったり、後から取り消したくなるような引用とかしそうで恐いかも。ペンネームを考えるのに向かない性格ってのもきっとあると思います、僕みたいに。
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とり・みき先生から教えてもらったのですが、故星新一さんを偲ぶ「ホシヅルの日」というイベントがあるそうです。僕は星新一を中学時代に読んだ程度だし、しかもSFにも疎いので参加を見合わせたのですが、興味のある方はホームページの方へどうぞ。
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8月
4日
(wed)
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この人が歌うと、たとえそれが日常生活のほんの断片だったとしても、どうしてこんなに深みが生まれるんだろう? 矢野顕子の新作「GO GIRL」を聴きながら何度もそんなことを考えさせらたわけで、それは何度も感動したと言い換えることもできるのです。
録音・参加ミュージシャン・デザインなど制作面に占める米国率は非常に高いのですが、そこに「ホーホケキョ となりの山田くん」の主題歌「ひとりぼっちはやめた」が同居していても不自然さがないのは、彼女の懐の深さゆえでしょう。Jeff Bovaとの共同プロデュースで、前作「Oui Oui」同様にサウンドはふくらみと硬さが適度にブレンドされています。
タイトル曲の「GO GIRL」、そして「結婚も離婚も赤ん坊よりも/大切なことがある/今日を生きることだけは/だれにもゆずれない」と歌う「GIRLFRIENDS FOREVER」は、いろいろ乗り越えた人じゃなきゃ歌えないよなぁという感じの歌詞で、発しているエネルギーが特に強烈です。また、「ICE CREAM,ICE CREAM」とBill Frisell作曲の「永遠のともだち」における「悲しみ」という言葉の重さと、それを包み込む暖かさといったら…。
宗教くさいという声もありますが、やはり彼女の表現自体の純度の高さに僕は抗えないのです。
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8月
3日
(tue)
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僕は人から「たくさん買ってるねぇ」というような言葉を聞くことが多いんですが、自分では衝動買いをする方だとはあまり思ってなくて、いろいろ判断をしながらも物を買うという行為に対する躊躇が少ない方なんだろうと思ってました。でもこの間の買い物はちょっと勢いがついていたと認めるしかないですね。これなんですが。
http://www.outdex.net/
WORLDNIC-JPを軽い気持ちで見ていたら、独自ドメインってのはお手頃価格で手に入ることを知ったんですよ。しかも、「outdex.com」と「outdex.org」がどこぞの外国人にすでに取得されていると知ったら、急に焦りにも似た感覚に突き動かされ、セール会場に放り込まれた奥様のような気分に。そして申請。その際の「もう後には引けない」感は、なかなかに深い余韻を残してくれました。
この件をネット好きの人に話すと好意的な反応が返って来るのですが、問題はそうじゃない人達です。値段を言ったところ、「それ、私の1ヶ月分のバイト代なんですけど」と返された時には、自分が何かものすごく悪いことをしたような気にさせられました。そして一番の極めつけは、開口一番に「もったいない!」。さらに「で、独自ドメインって何? 何のメリットがあるの?」と続くのに至っては、洗脳解体屋による質問攻めのようでした。
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そんなわけでドメインを取得したのですが、当初の目的はOUTDEXのデザインを変えることで、それが煮詰まっているうちに勢いよく脱線してしまったんです。ドメイン取得と同時に我に返り、TOPページのデザインをやっと一新してみました。薬物はデザイン上なんとなく使っただけで、特に思い入れとかはないんですけどね。
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これを機に、ReadMe! JAPANでの「OUTDEX」と「小心者の杖日記」、日記猿人での「小心者の杖日記」の登録を消すことにしました。
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あと、うちへリンクを張ってくださってる方は、リンク先を変更なさらなくて結構です。というか、コンテンツ自体は相変わらずSo-netに置いてあって、「outdex.net」から転送表示されてるだけなんで。
ドタバタやってますが、これからもどうぞよろしく。
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8月
2日
(mon)
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最近はあまり読まなかった別冊宝島ですが、445号「自殺したい人びと」は久しぶりに手にとってみました。意外と近隣住民がさばけてる青木ヶ原樹海、今も活動する岡田有希子ファン、ドクター・キリコ事件など、不謹慎な表現ですが「キャッチー」な題材で始まり、後半では硬めの考察を織り混ぜていく編集は別冊宝島らしさを感じます。
呉智英・朝倉喬司・与那原恵・大月隆寛らが執筆している本書のトーンはわりと一貫していて、自意識の肥大化と自殺との関係に焦点を当てた文章が目立ちました。呉智英は「完全自殺マニュアル」について、日常がつまらないから自殺はポジティヴな行為だという鶴見済も、人生とは意味のある素晴らしいものだと主張する教育関係者たちも、ともに思い上がっていると威勢よく断言。朝倉喬司によるドキター・キリコ掲示板の分析は、河上イチローが「サイバースペースからの攻撃」で書いたものの詳細さには及ばず、結論が先にある印象を受けました。大月隆寛は、名指しせずに宮台真司の悪口。山形浩生によるだめ連批判は、年金などの社会的制度の維持を視野に入れている点が興味深いです。ネットでは知られた存在であるとげさんや故南条あやさんの文章もありますが、今となっては南条さんの文章は痛々しくて読むのに辛いものがありました。
鬱やアダルト・チルドレンであることを自分のアイデンティティーにしている人々に対して本書は批判的です。でも、この本の読者層の多くはまさにそうした人々なのではないでしょうか。そうした矛盾を抱えているからこその閉塞を感じ、また自殺という行為を突き放して分析する冷徹な文章を立て続けに読んだため、読了後にどっと疲れが押し寄せました。
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8月
1日
(sun)
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電話で起こされて無防備極まりない眠気に満ちた声で「今何時?」と問えば正午過ぎ。「これから髪切りに行くんで…」と相手の出鼻をくじき、やっと髪の暑苦しさから解放された午後3時前にこちらから電話すると、今度は向こうが「今から眠りたい」。待ち合わせは夕方にして、僕はひたすらにタグ打ち作業。ショックウェーブもスタイルシートもわからないので、どんどん原始的なタグが層を重ねていきます。そんな作業に自分でも呆れるほど夢中になって、あっという間に午後6時。バイトで疲れ気味の友人と仕事で夏バテ気味の僕がまったり話し始めたら、この土日唯一の予定らしい予定が始まるのでした。もう8月かぁ。
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o u t d e x更新、「買ってはいけない」と「J文学をより楽しむためのブックチャート BEST 200」を「BOOK」に追加しました。
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