since 14/DEC/96

 
小心者の杖日記@o u t d e x
  テキスト BY ムネカタ
ロゴ&ページデザイン BY ゴー
 
1031日 (sun)

 NHK教育で再放送された「課外授業−ようこそ先輩」の庵野秀明編を見ました。「出会いをアニメで記録・庵野秀明」と題して赴いたのは故郷宇部の小学校。その6年2組で2日間授業をしたわけですが、これがけっこうハードなんです。宿題として庵野秀明を想像して絵と文で表現→庵野とQ&A・質問者も庵野もカメラに向かって→紙アニメ制作→12歳の庵野くんをイメージするために学校外で取材→12歳の庵野くんをテーマに紙アニメ制作→そのアニメにアフレコ、という具合。庵野よりも生徒が大変そうでした。自分が小学生の時にこんな授業されたら周囲の目を気にして途方に暮れちゃうよなぁと思ったのですが、意外にも小学生たちは楽しそうに課題をこなしていきます。子供たちの想像/創造力に期待したという庵野も、子供たちに囲まれていい人そうでした。給食のおかずは食べていませんでしたが。

 その他にも電車の中で虚ろに立ったり、すべり台の上で変身ポーズを決めたり、子供たちに課題をやらせておいて自分は撮影機材で遊んだりと、庵野ファンには見逃がせないシーンだらけ。いつの間にか首にタオルがかけてあったのも、さすがのマジックです。

 また、取材対象として実家の両親も登場しました。カレカノのビデオやLDのパッケージに庵野秀明が登場していることからしても、彼は自身の存在がひとつの大ネタになりうることに自覚的なのだろうと思ってはいましたが、自分の過去やプライベートもさらけだせるほど割り切っているのかと感心しました。しかしその一方で庵野はナイーヴな発言もするわけで、表現と自我の微妙なバランスが垣間見える番組でした。

 
1030日 (sat)

 2年ほど前に「黒い羊は迷わない」という僕にとってかけがいのない作品を描いた落合尚之が「ヤングサンデー」に再登場。前後編での読切「岩壁王」は、実在の登山家を描いた作品です。僕は落合尚之が「黒い羊は迷わない」を書き終えた後何をしていたのか全く知らないので、期待と不安を交錯させながら読んだのですが、人物の顔の斜線など彼独特の絵柄を見たら妙に安心しました。嵐の中崖を登る描写も非常に迫力があるのですが、ファンの身勝手と知りつつも、ちょっと企画物の淋しさを感じてしまいます。ともかく続きは来週。ページの柱に「黒い羊は迷わない」全2巻の広告が出てて、絶版になってないと分かったのが嬉しかったです。持ってない人は今のうちにどうぞ。

 最近はアニメを見てないのに買った「アニメ批評」#002ですが、アニメを通してオタクの消費行動を分析する特集だったので楽しめました。今観たいのは大地丙太郎が監督してる「今、そこにいる僕」という作品なんですが、WOWOWなんですよね。「となりの山田くん」の興行成績は制作費の半分以下ですか、ジブリ作品なのに僕も観てないんだけど。

 GAINAXの新作は、鶴巻和哉が監督する「フリクリ」だそうです。OVAで、第1巻が出るのは来年3月だとか。なんかこう「普通にいいアニメ」を僕は期待したいです。

 
1029日 (fri)

 提灯・のれん・食品サンプル・ショーケース・看板などなど、合羽橋道具街には飲食店用の各種器具の専門店が並んでいて、こんな商店街が浅草の近くにあるとは驚きました。それを裏返して考えてみると、神保町の書店街も見る人によっては異様な光景に映るってことなんでしょうね。一般家庭の台所では見ないような調理器具を僕も持たされることになりました。

 浅草の仲見世には修学旅行生が一杯。

 夜は新宿のロフトプラスワン枡野浩一さんのイベント。エッセイ集「君の鳥は歌を歌える」と、12月に出る枡野浩一全曲作詞アルバム「君の鳥は歌を歌える」の発売記念イベントで、遅刻して入場した時には、制作関係者を交えてアルバムについて話しているところでした。有馬さんを見つけて座敷に陣取り、そのうち渋谷さんと梅本さんも合流。まだアルバムが出ていない段階だったので、残念ながらアルバム関係の話にはいまひとつ興味を持てませんでした。その代わり面白かったのが、室井佑月と高橋源一郎を迎えての文芸よろず話。高橋源一郎、なんと茶髪でしたよ。

 終電間際に会場を後にしたのですが、その際に枡野さんが我々をお客さんに紹介してくれたのは照れました。

 
1028日 (thu)

 渋谷タワーレコードでこだま和文のミニライヴ。本来の開始時刻が入場時刻となるほど遅れ、やっと会場に入るとDJがプレイ中です。前座がいるとは豪勢だねと思いながら聴いていたら、「もうすぐ始めますので…」とかMCが。DJやってるのはこだま和文本人でした。ダブのレコードが流れ終わった後流れたのは、ヨーロッパ方面とおぼしきポリフォニー。そしてトランペットを持ってこだま和文が再登場すると、バックトラックが心臓に悪影響を及ぼしそうな低音で響き出しました。アルバム「Requiem DUB」は沈鬱なイメージばかりがありましたが、こうして生で、しかも大音響で聴くとけっこうハードです。ジャストのリズムから微妙にずらしながら鳴らされるトランペットは、まさに歌っていました。


 
1027日 (wed)

 枡野浩一という人は純粋に「言葉の人」です。以前、原稿の「てにをは」を含む一字一句を電車の中で考えながら来たと彼が話すのを聞いて驚いたのも、そうした言語表現に対する徹底したこだわりを感じさせられたからでした。「君の鳥は歌を歌える」は、そんな彼の言葉に対するセンスを見せつけられる本です。

 映画・小説・マンガ・音楽・演劇・詩・ホームページなど、語られる対象は広範囲。同時にそれぞれの作品に対して短歌化の試みも行なわれ、そこには文字数が同じ短歌や、それより少ない川柳まで含まれています。そして、「君の鳥は歌を歌える」の帯には「レビュー&エッセイ」とありますが、僕は批評集として強いインパクトを受けました。おそらく彼にしてみれば理論的な構造分析などはたやすいでしょうがそれに終始せず、普通ならば流してしまいそうな文章やセリフのほんの一節に注目し、作品の世界を解きほぐす作業が展開されます。

 そして短歌化。対象のどこに焦点を当てるか、どう語るかの選択を求められる批評もまた表現の一種であると言えますが、枡野浩一はさらにその先へ進み、自分に響いて来た部分を対象から抽出して31文字に圧縮します。自信家であるかのような発言を繰り返す彼にしては珍しく、元の作品を短歌化で越えることは難しいと認めているものの、枡野流に変換されて生まれた短歌に魅力を感じるのは、僕が彼の短歌のファンであるためだけではないでしょう。それは、批評しかできない人間には歯軋りをしたくなるほどだと告白せねばなりません。

 枡野浩一本人も語っていますが、彼は自分が本当に好きなのでしょう。しかしその彼が好きな物について語ろうとする時、単純な自己愛の投影に陥ることなく、自意識を際どい水準で見せながらも、強い集中力をもって作品と対峙している。その点がこの「君の鳥は歌を歌える」を特異な批評集にしていると思うのです。

 
1026日 (tue)

 騒々しいだけのロックが自己吐露的な歌詞を叫べば「オルタナティヴ」と呼ばれていた時代があって、僕がそういう風潮にうんざりしてたのは遠い昔のことではありません。MUSIC MAGAZINE増刊「インドア・ポップ・サイクル」は、そうしたマッチョ的なロック観とは対照的に、ライヴでの再現性よりもスタジオでの作業を重視したロックやポップスに焦点を当てたガイドブックです。こう表現するとかつて岩本晃一郎が編集していた「ポップインズ」みたいなもののようですが、ビートルズ直系はバッサリ切り捨てられていて、基点となるのはTHE BEACH BOYSの「PET SOUNDS」やVAN DYKE PARKSの「SONG CYCLE」。サウンド面の実験性を重視した内容です。かつてのバーバンク・サウンドから、シカゴやアセンズ界隈での現在の動きもフォロー。宮子和眞のセレクションによる「CD BEST 100」は、100枚中40枚近くを僕も聴いていて、かなり趣味が合うので参考になりました。ガイドブックの役割は、読者にとって未知のアーティストを紹介したり、既知ではあるものの聴く決め手がないアーティストへ背中を押したりすることだと思うのですが、主観性と客観性のバランスが取れたレヴューが多くいのでそうした役割は果たせていると思います。僕はこの本で知ったERIC MATTHEWSを探す予定。ただ、MUSIC MAGAZINE増刊はどれも安っぽい表紙デザインに難点がありますね。


 
1025日 (mon)

 OUTDEX更新。「EVENT」のコーナーを丸1年も放置していたのですが、「OUTDEX」史上最長の文章を書き下ろしてみました。「LINK 2」には、AtaraxiaOutsider's ResidenceR 20test.zinNON NON WORLD_neutralGrayHal-wophonic Park PornostarMilky nightの9サイトを一気に追加です。

 神保町へ買い出し。待望の再版である林静一「ph 4.5 グッピーは死なない」、魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」、駕籠真太郎「喜劇 駅前虐殺」を高岡書店で購入。でも書泉の方が、本にビニールがかかってて良かったかもしれません。レンタル店舗が移転したジャニスでは、BUFFALO SPRINGFIELD「AGAIN」が1050円でお買い得でした。

 
1024日 (sun)

 桑島ユウキの「デビッターズ 返して☆勇者さま!」読了。この手のファンタジー系の小説は全く読んだことがないのですが、この小説ときたら、ファンタジーという構造を逆手にとってギャグにするメタ小説でした。つまりは物語の設定とか構造とかファンタジー小説一般に対する批評性が明確に出ているわけで、しかも本編やあとがきだけではなく、宣伝文句まで「こいつ、どっかのヒロイックファンタジーでも読み過ぎたか?」という具合で徹底されています。物語に浸ってると突然我に返されてしまうような仕掛けがあって、ファンタジー本来の性質と根本的に矛盾することすら恐れていません。キャラの間の抜けた味わいが作者の個性。バラエティーに富んで「さあ使え」と言わんばかりの性描写の中でも、メイドプレイにおけるハードな描写に、メイドにかける作者の心意気を感じました。


 
1023日 (sat)

 STEREOLABの「cobra phases group play voltage in the milky night」は、1曲目からブカブカドタドタ鳴ってて躍動的。躍動的なエレクトロというと矛盾してるようですが、ここに存在するのはそういうサウンドです。長ったらしいタイトルもこの音なら許す。

 STEREOLABと人脈が重なっているTHE HIGH LLAMASの「SNOWBUG」は、前作よりもポップスとしての輪郭がはっきりしていました。

 フランスのレーベルから発売されたのは、ホッピー神山の「JUICE AND TREMOLO」。CM用に作曲された楽曲を収めたものらしく、前衛的な弦楽曲やOPTICAL-8による真性オルタナティヴな曲が混在しています。弦楽曲にしても、演奏の途中でゲラゲラ笑ったり、大声で叫び出したり。

 「ハリーとマック」こと細野晴臣と久保田麻琴による「Road to Louisiana」は、期待に違わぬ渋さと濃さ。最高に気持ちいいです。僕はこの系統の音楽に疎いんですが、この方面のお勧めのレコードをご存知の方は是非教えてください。

 ELVIS COSTELLOとBURT BACHARACHの共作盤「PAINTED FROM MEMORY」を、BILL FRISELLがアレンジして再演したのが「THE SWEETEST PUNCH」。BILL FRISELLに興味があったので、いいタイミングでした。単純に言ってしまえばジャズになってるんですが、自由な空気と音の膨らみのある演奏は、下手をするとオリジナルよりも気に入ってしまいそうです。

 ARTO LINDSAYが英語とポルトガル語で歌う「PRIZE」は、ブラジル音楽と前衛性が混在する世界。人工的なんだけどしなやかさも持ち合わせていて、ほどよく冷えた感じが心地いいです。そして痺れるほどかっこいい瞬間が幾度も襲ってきました。

 
1022日 (fri)

 最近はあまり読書の時間をとってなくて、読んでも雑誌という場合が多かったです。ある程度勢いがつかないと一冊の本にずっと向き合うのは辛いし、読書はテンションをはかるひとつの基準ですかね。

 なんとか手持ちの本を消化しつつあるので、安心してまた補給。これだからいけません。購入したのは、枡野浩一さん「君の鳥は歌を歌える」、柳美里「女学生の友」、黒沼克史「少年にわが子を殺された親たち」、文藝別冊「Jコミック作家ファイル・BEST 145」。最後の本では、黒田硫黄が短編「海に行く」を描き下ろしているほか、テルヤスさんが岡崎京子と冬野さほの評論を担当しています。

 
1021日 (thu)

 一ヶ月ぐらいかけてダラダラ読んだので、宮台真司の「野獣系でいこう!!」の感想はすぐに出てこないんです。副題に「非論壇的情報戦」とあるこの本は、一般誌・論壇誌・エロ雑誌などがそれぞれの共同体に閉じこもってしまった「島宇宙化」状態に対抗するために、これまでのインタビューや対談を、雑誌の種類や商業誌かミニコミ誌かを問わずに収録したもの。「島宇宙化」ってのも、彼が言うところの「まったり生きる」ための重要な要素じゃないかと思うのですが、発言者としての彼自身はそういう状態を拒絶しているわけですね。

 宮台真司という人は、情況に応じて挑発的な言説を繰り出せる戦略家だと思うのですが、95年以降の様々な時期に収録されたインタビューや対談は、99年も終わりに近づいた現時点で読むと退屈さを感じる部分があります。その中で興味を引くのは、ミニコミ誌の取材に自分の実存を語った2本のインタビュー。個人的な経歴を話すことによって読者が癒されることを意識しているという彼が語る自分史は、小学校時代は幾度となく転校したことや、テレクラに走ったのも自傷性行為だということ、実は情動的な人間であることなどを話していて、宮台真司の言説にうなずきながらも、彼と自分とのあまりの違いに悩んでいる人々を確かにある程度は癒しそうです。でもさぁ、東大入学後は映画サークルでモテまくって「昼夜を問わずセックスにハマ」り、学生企業設立なんてこともしてるんだから、それを聞いても僕は別に癒されんなぁ。

 ともあれ、内容はもちろんのこと、姉ちゃんがケツ向けてるホンマタカシの写真を表紙に使ったり、質の悪い紙で本を厚くしてみたりと、一冊まるごとが「新保守」の神経を逆撫でする装置として成立しているのは見事です。

 
1020日 (wed)

 「Quick Japan」Vol.27、「MUSIC MAGAZINE」11月号、「サイゾー」11月号を買い込んでもなかなか読むのが進まないのは、寒さに指先がかじかむから。というほど寒くはないけど、秋物の服を押し入れから出すのに一苦労する程度には寒い日でした。

 その「サイゾー」には野坂昭如の記事がありましたが、野坂の楽曲を多く手掛けていた桜井順のファンサイト・マイスターの時間があることをいおりん情報で知りました。彼のCM音楽を聴けるほか、昨年末の野坂昭如コンサートの音源まで聴けますよ。

 周囲で同時多発的に川島和津美ブームが発生。ブームといっても僕以外に3人(男2人+女1人)なのですが、商業性を無視して趣味の細分化が極端に進んだ知人たちの中でこの人数というのは見逃せません。嘘、別に見逃してもいいです。

 
1019日 (tue)

 ずっと聴いていながらライヴは観たことがないアーティストが僕にはけっこういて、「カフェ・ボヘミア」以来13年アルバムを買いつづけてきた佐野元春もそのひとりでした。去年「カントリーロックの逆襲'98」で数曲歌ったのには立ち会っていましたが、初めて観る単独公演は「STONES and EGGS TOUR '99」のファイナルである今日の神奈川県民ホールで。

 一言で表現するなら「ロック・ショウ」。大規模なホール・クラスのライヴって僕はあまり観たことがないので、歌も演奏もPAも舞台装置も照明も高い水準で安定したライヴにちょっと衝撃すら受けたほどです。でもその分スリルがないなぁ…とスタートして間もなく考えましたが、「99 BLUES」を本当にブルーズにアレンジした演奏に吹き飛ばされました。バックを固める小田原豊・井上富雄・佐橋佳幸・KYONは、アコースティック編成での演奏時にも綻びを見せないさすがのプレイ。

 そして主役たる佐野元春がまたすごい。「コンプリケイション・シェイクダウン」でラップする姿は、アルバムにも参加したドラゴン・アッシュの影響を受けてしまっているのではないかと懸念するのに充分でした。「GO 4」では「マイク・チェック!」と繰り返してましたし。また、「悲しきRadio」の途中で静かになる部分の語りとアクションは、ロケンロールに身を捧げた人間ならではの確信に満ちていたのですよ。たとえそれが冷静に見ると滑稽であったとしても、ああいう場では逆に絶大な威力を発するわけです。

 「約束の橋」「SOMEDAY」などの代表曲を初期から現在まで網羅し、出し惜しみ無しのステージ。完成されてました。あの場で提供されたのは音楽と興奮と一体感で、どうも場の雰囲気が後の2つに偏ってる気がして2度目のアンコールはやや冷めましたが。また、30歳以上の会社員風が多い客層が、あれだけロックのビートを欲しているのにも驚きました。そうした光景が、ある種の安定を前提としたロックへの違和感を僕にもたらしたのも事実です。けれどそんな青臭い靄が僕の中に生まれてしまったのも、ライヴの圧倒的な完成度ゆえでしょう。

 終演後、同行した平澤さんが待ち合わせしていたパラダイスガラージの豊田さんと談笑。それにしても帰路が寒かったです。

 
1018日 (mon)

 OUTDEX更新。最近あまり気合を入れてないのが見抜かれているせいか、この日記に比べアクセス数が1日あたり100ぐらい少なくて淋しい思いをしています。本体なのに。そんなわけで、今回は「COMIC」のコーナーに追加した3本のうち2本は日記に書いた文章の使い回しではなく、「OUTDEX」用に書いたものです。取り上げたのは、高野文子・下村富美・TAGRO。気合入れてますんで是非。

 その「COMIC」のコーナー、突然ですがサーバーを移転しました。しばたさんが運営をスタートさせたpicnic.toにアカウントをいただいたんです。題してアウトデックスへピクニック。マンガ関係のサーバーになるようなので、僕も「COMIC」のデータを置かせてもらったわけです。俺とアウトデックスと合わせると、この間までSo-netの容量不足に悩んでいたのが嘘のような状況になってきました。有り難いことです。

 ちなみに「OUTDEX」、先週書き忘れましたがユリカゴカラハカバマデが「LINK 2」に加わってます。あと、いまさら大きな声じゃ言えないけれどマニアの受難もどこか更新したらしいですよ。思わず他人事のような言い方になっちゃいますが。

 
1017日 (sun)

 最初は端で眺めるつもりだったレインボーパレードでしたが、代々木公園に着いてパレードの列に並んでいる人の中から「あっ、ムネカタさん!」と呼びとめられた瞬間に、「俺も参加したい、どうすりゃいいの!?」と聞いて本部へ走ってしまいました。そして臨機応変な対応をしてくれたお姉さんに500円払って無事「PSYCHEDELIC TRANCE CAR」の列に仲間入り。トモコさんユウタくん由一さんとそのお友達・シモゾノさんフクダさんがいて、DATゾイドが音流してる車があるらしいという話なんかを聞きながら、出発まで結構な時間待ってました。

 出発は2時半ぐらいで、テクノをでかい音で流しながら先導するトラックの後に人々が踊りながら続きます。当然歩道や車中の人が目を向けてくるわけですが、そのうち気にならなくなるのは踊って酸素が足らなくなってきたせいかもしれません。代々木公園を出たパレードは、渋谷・原宿界隈を1時間かけて進んで再び代々木公園へ。わりと皆行儀よく踊るもんだなぁと妙に感心していたのですが、表参道に入った辺りから盛り上がって嬌声上げ出し、身の危険を感じる一瞬もありましたよ。でも、路上駐車の車の上に乗って踊る奴もいたとう去年に較べたらまだおとなしかったんでしょう。いつの間にか代々木公園に戻り、パレードカーに手を振って、踊りって身体を火照らせた皆と「楽しかった〜」と言い合ったのでした。

 で、楽しかったと言っておいて手のひら返すのもなんですが、レインボーパレードに胡散臭さを感じたのも事実なんです。後援・協賛・協力団体や賛同NGOの呉越同舟ぶりは、「共生」や「寛容」などと肯定的に表現できないものを感じるし、プラカード片手の市民運動家・新興宗教団体・ヒッピー崩れ・ガーディアンエンジェルスが混在しているパレードの光景もかなり異様。そういうことを薄々感じつつも、ダンスはあらゆる政治的メッセージを無化させるのだと踊ってる最中はあまり気にしなかったのですが、でもやはり僕らが金銭的に関与したり、参加者にカウントされてイベントとしての実績が残ったりすることで、それが何らかの政治的意図に利用される可能性があることについては自戒しなくてはならない点が残りました。無自覚なまま政治性に吸収されるのだけは避けなければいけません。あと、基本的な問題としてあの大音響の是非もね。

 パレード終了後、皆で中央広場でのカルメン祭りへ。遠目にも異彩を放つ一団がいるのが分かります。パレードで疲れたと話したら、新聞紙を敷いた席を譲ってくれたカルメンさんはいい人だ。知ってる人も知らない人もたくさんいる中、まったり話してチルアウト。

 カルメン祭り終了後、参加者のうち渋谷に向かった人々で飲み。nonさんしんやさんは初対面でどうもでした。ここでは2000円行かなかったし、ずいぶんと低予算で収まった楽しい1日だったのです。

 
1016日 (sat)

 ハルヲさんMASAさんオザワさん東京紳士ジェントル5の反省会。まちださんは仕事で欠席です。オザワさんのリクエストで、飲んだのは新宿西口の思い出横丁の焼き鳥屋。そこは仕事も恋も失い、人生に負けて地方から流れ着いた中年男が涙混じりの酒を飲む場所かと思っていましたが、普通の飲み屋街でした。適度に小汚い店構えと流れる演歌、客引きの威勢の良さが、ここもアジアだと歩く者に教えます。

 反省としては、約束の時間に45分遅れて開場の15分前まで来なかった店のママが反省すべきだということで一致。あれは辛かったです。あとは延々鬼のようなマニア談義で、喫茶店に場所を変えても固有名詞の連発は続き、終電の時間も危うく忘れるところでした。

 
1015日 (fri)

 IAEAの専門家チームが東海村を視察。調査結果も気になりますが、なぜ日本政府が当初は視察を拒んでいたのかも引っ掛かる問題です。

 いつまで経ってもホームページが完成しない「MANGA EROTICS」はもうVol.3。有名どころが減っても読み応えさえあれば充分なんですが、どうもピンとこない作品が多かったです。中でも気に入ったのは、大切なものを捨て去る快楽を描いたあめかすりの「ゴミの日」。死体に蟻が群がるアイデアは、雁須磨子の「蟻」と共通してますね。こちらも可愛い絵ながら残酷な物語でいいです。でもインパクトで言えば、達者な絵とお馬鹿な勢いでハッピー・エンドへ突き進んむ、久我山リカコの「愛の新世界」でしょうか。それにしても、なんで僕はこんなに町田ひらくを受けつけないんだろ。

 
1014日 (thu)

 渋谷タワーレコード前に、巨大なゆずに座って無料で写真撮影をしてもらえる「ゆず NEW ALBUM『ゆずえん』記念撮影コーナー」が。くっだらねぇ! もちろん撮影してもらいました。

 渋谷駅から道玄坂を登るのにも疲れた頃に見える雑居ビルの一室。それがコスプレ衣装専門店「COSPA」渋谷店でした。合成皮革や合成繊維からできた石油万歳なコスプレ衣装のほか、手錠・バストパッド・唐傘などなどの小物もしっかり揃っています。アニメに疎くなったし、ゲームに至っては無知と言ってもいい僕には、コスプレ対象となるキャラクターについての知識が無く、何の衣装か分からないものがほとんど。「CCさくら」の等身大バスタオルを淋しく見つめるばかりでした。

 せっかく来たのだから試着してみたいと連れが言い出し、試着室の順番を待つことに。ところが試着室を使用中の男女連れは、やけに多くの衣装を持ち込んでいる上に、御法度のはずの写真撮影もパシャパシャやっています。そういえば女性はやけにケバく、男性は彼女と歳が離れていて人生を悟ったように無表情。我々の脳裏に「イメクラ」という単語が浮かんだのは言うまでもありません。

 店内には、その男女連れと僕ら、そして店員の5人のみ。コスプレに風俗が混ざった空気の中、時間だけが淡々と流れて悪い冗談のようです。コスプレオーダー用テーブルのイスに座り込んだ僕の中には疲労が溜まっていくのでした…。

 東京駅の地下道を歩いていたら、村上綾歌が登場するパナソニックの広告がズラーッ。コスプレ好きでアンナミラーズ店員という、どう考えてもオタクに愛される少女です。僕らの今日の昼食もアンミラでした。

 夜はしばたさんサイトウさんLZDさんとタイ鍋。話題は定番のモテのほか、ネットアイドルについても盛り上がりました。というか後者については僕がヒート・アップ。

 
1013日 (wed)

 かちゃくちゃさんが「観に行きましょうよ〜」と電話口で泣いてせがむのに負けて、「秘密」という映画を観るハメになりました。世間では、広末涼子が下着姿になる場面がどうのと騒いでいるようですが、僕は何も感じませんでした。と言える人間なら良かったのに。他にはブランコやヨットに乗る場面もポイントだった気がしますが、そんな主観はどうでもいいのです。

 映画自体は、演出にも展開にも過剰さを感じる部分が多くてちょっとキツめでした。大杉漣や岸本加代子は北野武作品にも出てるけど、作品が違うとこんな芝居になっちゃうんだなぁ、と。特に幼少時代の回想で、自転車の練習をする場面をモノクロにして「わーい、乗れたぁ!」とやられては、逃げ場の無い映画館の中では困惑を深めるばかりです。途中、小林薫が男の嫉妬を噴出させてストーカまがいの行為に走る展開だけは面白かったのですが、さすがにそのまま最後まで突っ走ってはくれません。最後のオチの「そりゃないだろ」的な残酷さに、感動とは別の意味で泣きそうでした。

 夜は渋谷クアトロでムーンライダーズのライヴ。僕とかちゃくちゃさんの本来のメインはこっちなのでした。

 
1012日 (tue)

 「創」11月号の巻頭記事は、「『完全自殺マニュアル』のどこが『有害』なのか」と題した鶴見済インタビュー。9月21日の日記でも紹介した、東京都の不健康図書指定問題と、それを発端とする太田出版とのトラブルについて語ってます。帯とピニールパックで自主規制されたのは太田出版と連絡がつかない間のことで、また太田出版は東京都と交渉したらしいと鶴見は語っていて、「今度会ったら、殴ります」とまで。他の関係者の発言を読むと、警視庁・東京都青少年健全育成審議会・太田出版・そして鶴見済という四者のそれぞれの思惑や意思が複雑に絡まって現在のような事態に発展したのだと分かりました。東京都青少年健全育成審議会の清水秀夫のインタビューを読むと、委員なりの信念も持っているのだと分かって少し安心しましたが、それでもこの問題が穏便に解決されるような展開は想像しにくいです。


 
1011日 (mon)

 1曲も聴いたことがないのにバクチ気分で買った、野坂昭如の「絶唱!野坂昭如」を聴いてました。70年代のシングルやアルバムの編集盤です。

 イントロが尺八の「マリリン・モンロー・ノー・リターン」には一瞬嫌な予感がよぎったものの、コーラスがやけに本格的なファンキーな楽曲でした。もうちょっとリズムを強調してくれれば言うことないのに。他の曲は、演歌というよりは歌謡曲のダーク面を濃縮したようなものが多いです。「黒の舟唄」や「ヴァージン・ブルース」といった有名曲もそんな感じ。「野坂昭如新古今集」からの4曲は演歌っぽいですが、それもサウンドが定型化する以前の演歌といった雰囲気でそれほど抵抗を感じません。一方でシャンソンのような洒落た曲もあり、なかでも終戦当時を歌った「チュウインガム・ブルース」は気に入りました。

 作詞が本人じゃないと知って残念だったけど、それでも厭世的な歌詞を微妙な下手さ加減で歌う野坂昭如という歌手は代替がきかなそうです。個性的なのは文章だけじゃありませんでした。

 
1010日 (sun)

 柊ほゆるちゃんから、OUTDEX100000HIT記念CGを頂きました! 上手いとかいうより美しいなぁ。嬉しさのあまり顔文字を使ってしまいそうですよ。忙しいのにこんな力の入ったCGをくれて大感謝です。

 そういえば、「OUTDEX」は今日で2周年。丸2年もやってると、自分の内側でも外側でもいろんな変化が起きるもんだと痛感しますが、感傷に浸るには早すぎます。これからもよろしく。

 沖縄民謡の嘉手苅林昌が9日に亡くなったそうです。96年に出た普久原恒勇との共演盤「The LAST SESSION」を買った時には気が早いタイトルだと思いましたが、本当に最後になってしまいました。今日はそのアルバムを聴いてチルアウト。「海ぬチンボーラ」のような有名曲ひとつとっても、渋く枯れた味わいが他のアーティストとは全然違う世界を作ってます。

 
109日 (sat)

 憂鬱な気分が吹き飛んでいきましたよ。高円寺CLUB DOLPHINでの「ハンサム白書」は第2回目。前回は行けなかったんだけど、ロックやソウル〜ファンク系の音楽で踊るイベントはやっぱり楽しかったです。DJの選曲も、僕にはかなりツボ。ノンスモーカーの僕は充満する煙に目を潤ませながらも、友達と話したりしながらずっと愉快な気分でした。こういう単純な幸せは、すごく大きな幸せでもあるんです。あと今日の発見は、「噂の真相」片手に行ったら、大音響の中で拡声器代わりになって話すのに便利だったことでした。

 午前4時半に終わって、初秋の朝の肌寒さの中、皆でラーメン屋へ。食べ終わってから帰ろうとしたら中央線が朝っぱらから不通で、難民のように道にたむろったりマクドナルドに入ったりと、思わぬ2次会まで天にプレゼントされてしまいました。でもsinnさんとも友達になれたし、それもまた楽しかったのです。

 先週に続いて就寝は午前9時。

 
108日 (fri)

 渋谷クアトロでハイポジのライヴ。7月25日渋谷タワーレコードでのミニライヴもすごい勢いでしたが、ツアーファイナルの東京公演ではさらに加速してました。ミュージシャンが全6人というのはここ数年の単独ライヴの中では少ない方ですが、サウンドの混沌や深みよりもスピード感重視という姿勢が明確に出てましたね。そして最近はおなじみのビデオ映像に加え、女性ダンサーが2人登場。ずいぶんとショウ・アップされてるなぁと思ったら、もりばやしみほがユーミンのライヴを見て影響を受けたとのMCが。バグルスの「ラジオスターの悲劇」やジューシーフルーツの「ジェニーはご機嫌ななめ」なんてテクノ・ポップのカバーを披露し、初期ハイポジの「Pool's Paradise」もテクノにアレンジされて演奏されました。80年代的テクノと現在のテクノのブレンド具合がハイポジらしさでしょうか。もう10年近く彼らのライヴを見てるんですが、まだ新機軸を打ち出す姿勢は敬服ものですよ。ええ、これからもついていきますとも。

 終演後、BODY meets SINGのオフ会。ペラペラとインチキ臭い言葉ばかり連射してすいませんでした。初めてお会いする方も来てくれて楽しかったです。

 そうそう、「彼氏彼女の事情」アニメ版のビデオ最終巻をU-ROさんが見せてくれたんですが、思わずライヴ会場の入り口で「かっこいー!」と大声あげてしまいました。ジャケットが庵野秀明なんですよ。しかもビデオのみならずLDも、写真違いではあるものの庵野写真。アニメの絵は無し。このメタ手法はいまさらって気もするけど、この期に及んでまだ自虐的なほどの反則をしようというのなら、カレカノ最終話のダメっぷりも少しは許せてきます。庵野秀明の現在の代表作は庵野秀明でしょう。

 
107日 (thu)

 茨城へ行ってきました。雨も浴びました。例の事故現場から60キロ離れた鹿島港は、それよりも建ち並ぶコンビナートや工場からの煤煙が鼻にきつかったです。港公園には人が極端に少なくて、退避命令でも発令されてるのかと思うほどでした。

 臨界事故レベル5に格上げへグリーンピースは独自調査によって350メートル避難では不十分と結論づけたようです。原子力資料情報室は、国や県が公表したデータを使うしかないみたいですね。

 一部で内部資料と称するものが公開されてましたが、原水禁でも事故資料がアップされてます。この辺になると文系の僕には何が何やら。

 最近は毎回のようにOUTDEX更新のお知らせを書き忘れてしまいます。2冊を「BOOK」に追加し、「LINK 2」にWetBlanketLoud Minorityが加わりました。

 
106日 (wed)

 臨界事故の現場から5キロほどの職場に勤めていた知り合いとやっと連絡が取れました。彼はこの9月一杯でその仕事を辞めていたそうで、引っ越したのはなんと事故の前日だったそうです。すごい。強運の持ち主っているものですね。

 望月峯太郎の「ドラゴンヘッド」9巻購入。主人公が東京に到着して、いよいよクライマックスに向かってます。これまで張られていた伏線が次第に一本に結ばれる気配はあるものの、まだまだ謎は明かされません。暗闇で繰り返される絶望と恐怖。次巻で終劇だそうですが、どんな落とし前をつける気なんでしょうか、というか早く!

 
105日 (tue)

 ブラジルの女性シンガー・MARISA MONTEのビデオ「BARULHINHO BOM」を見ました。ライヴ映像や、ツアーの移動場面、そしてツアー・メンバーとの演奏などを収録し、編集も工夫されていて飽きません。演奏にはCARLINHOS BROWNも参加。ライヴの様子もいいけれど、他のメンバーと歩きながらギターの伴奏で歌ったり、CARLINHOSのパーカッションだけで歌ったりする時の方が歌の巧さがよく分かります。特に中年女性3人とアカペラで歌うシーンが良くて、伝承歌らしきその歌の最後では中年女性の目に涙が。そして伝統と繋がっていながら洒落てもいるMARISAの強さを見せつけられます。全編ポルトガル語で理解不能だという歯痒さを越えて楽しめました。


 
104日 (mon)

 臨界事故による現地の汚染状況ついての具体的なデータってのは政府もJCOもほとんど公表してなくて、原子力資料情報室にしても調査能力はないみたいだなぁ…と落胆していたら、グリーンピースの調査チームが放射能レベルの測定を始めたようです。やっぱ政府見解と異なる結果が出てますね。

 遠い国の戦争の話では、原子力と軍事の関係についての解説がスタートしてます。僕はテルヤスさんに質問攻めして勉強させてもらってます、感謝。

 原発事故災害サバイバルハンドブックでは、肝心の「原発から30km以内にいる」のページが「404 File Not Found」。なぜ?

 サニーデイ・サービスの新作「MUGEN」のサンプルが届きました。次の「DOS/V magazine CUSTOM」ではこれについて書く予定です。

 
103日 (sun)

 午前9時に寝て午後2時起床。目を覚ましてから数時間で日が暮れ始めるのは淋しいものです。

 時間感覚が狂ったままのそんな夜は、フィッシュマンズの「98.12.28 男達の別れ」を聴いて過ごしました。最後のライヴを収録した2枚組アルバムで、どうしても佐藤伸治の死と絡めて語られてしまう運命にあるのですが、そうした情報や知識がなかったとしても楽しめる完成度です。ライヴ音源をスタジオで処理した「8月の現状」とは違い、ライヴそのままのミックス。メンバーの名前を連呼して音楽にしてしまうオープニングからして独特です。佐藤伸治の高い声と歌い回しの印象が強いけれど、バックのサウンドの縁取りが非常にはっきりしていることにも気付きました。特に「LONG SEASON」では、静かながら激しく歌とサウンドが拮抗しています。しかしそれは同時に不思議な揺らぎをも生み出し、こまかな音響処理が音の隙間を快感に変換していくのです。

 それにしても、飾ることを知らないのかと思うぐらいピュアな音楽です。日常から零れ落ちるものに気がついてしまうからこそ外界との葛藤を多く抱え込みそうな世界。音楽を聴くのに感傷は不要とは思いつつも、今後のことについて語っているMCはやはり切ないです。しかも、「MELODY」には「すぐに終わる幸せさ すぐに終わる喜びさ なんでこんなに悲しいんだろう」なんて歌詞まであるのですから。

 
102日 (sat)

 TAGROさんの単行本が今月2冊出るお祝いということで、飲みとカラオケによる12時間耐久レースに参加してきました。最初渋谷で飲んでる段階ではまだ穏やかでしたが、アニメとか特撮関係の曲がやたらに揃ってる新宿のカラオケ店「PASELA」に移動した頃から次第にテンションは上昇。部屋に入るとすぐTAGROさんが機械をいじり出したので不思議に思っていると、なんと自分で打ち込んだカラオケを入れたMDを接続していたのでした。カラオケでグランドファーザーズ、感涙ものです。

 そして途中で去ったJIMMYさん&久美子ちゃん以外の7人は、そのまま朝日を浴びるまで。もう逃げ場はありません。ちなみにその店は、他の客はコミケで見かけるような人たちばかりだし、トイレ帰りに覗いた隣の部屋では全員総立ちでアニソンを歌ってるしで、カルチャーショックまで味わうことができました。ichiさんは歌いながら冴えた小技を交え、更科さんは若いのに渋い日本のロックで攻めます。U-ROさんは片手に貞本義行画集(税抜13000円)。憂過子ちゃんはソファーを占拠して爆睡、その分マオがアニソン要員として活躍してました。

 朦朧としてきた意識の中で午前7時半閉店。楽し過ぎて濃密過ぎて、もはや細部を思い出せません。

 あ、5日にコアマガジンから出るTAGROさんの「MAXI」には、同人誌「PARKING!5」に掲載されて絶賛を浴びた「LIVEWELL」が収録されてます。これだけのために買っても損はないです、絶対に。

 
101日 (fri)

 今日兎菊書房から出た「comic EDEN」Vol.1で、新人作家の漫画評論を書かせてもらってます。「異色作家初単行本評」ってコーナーで、他の執筆陣もの方々。雑誌自体は復刊ガロの流れを汲んでいて、津野裕子や松本充代の作品と同じ本に載ることができるなんて僕にとっては無上の喜びですよ。若手作家中心の編集で、あびゅうきょ・山口綾子・山本ルンルン・大橋ツヨシ・新谷明弘・有川祐・福満しげゆきなどなど、約250ページの厚さです。永野のりこ×唐沢なをき×あさりよしとおの対談もあって、文字原稿では唐沢俊一永山薫なども。表紙イラストは鶴田謙二、デザインは羽良多平吉です。一冊通して読むと、創刊号にして早くも淡くてシュールな雰囲気が出来あがっていました。


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