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小心者の杖日記@o u t d e x

ピクニック・カレンダー

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629日 (thu)

 ともさかりえの「少女ロボット」は、彼女とシーナ・リンゴこと椎名林檎との驚くほど密なコラボレーションの成果ですな。同じコンビによる昨年のシングル「カプチーノ」がまだアイドル・ポップスの範疇にあったのに対して、今度はすでに椎名林檎の持つ情念がともさかりえを侵食してきた印象で、もはや歌詞にもサウンドにも手加減がありません。言葉の言い回しや漢字の使い方、アートワークも含め、一歩間違うと椎名林檎作品のボーカルをともさかりえに替えただけのように見えかねませんが、椎名林檎ほどの存在感はなくても歌唱力でともさかりえは対抗。収録された3曲とも椎名林檎が編曲まで手掛けていて、彼女ひとりで作るとこういう厚みはないけれど各楽器の音が異様に際立って情感を煽るサウンドになるのだということも分かりました。それにしてもすごいな、「日本に生まれて」というタイトルは。「いけない子」の「同じ間違いで また失うのか・・・もう厭だ・・・」という詞に、僕はまた椎名林檎に自分の感傷をグイとつかまれて見せられたかのように感じました。


 
628日 (wed)

 枡野浩一さんの新刊「漫画嫌い」は、一昨年から今年にかけて朝日新聞に連載されたマンガ評を集めたもの。八二一さんが写真とともに担当した装丁は、カバーと帯が重なって初めて意味を成す遊び心があるもので、カバーを外すとそこにもまた仕掛けがあってニヤリとさせられました。5月に枡野さんにこのデザイン案を見せてもらった時には、出版社がこのデザインになかなか理解を示さないという話を聞いたのですが、当初のアイデア通り発売されてなによりです。そして本文を読もうと表紙をめくると、いきなりテルヤスさんの文章があって驚いたのでした。本の感想はまた読後に。


 
627日 (tue)

 タワレコ渋谷店、改装のために休みかよ! lion KING用に欲しいCDがあったものの他の店にはなく、仕事も忙しくてCDを探している時間もないからもう時間切れだと諦めました。でもDJの前に慌てて買うCDって、結局イベント後には聴き返さないことが多いからこれでいいのかも。

 ちなみにlion KINGで僕が回す時間は、23:00-23:30と02:10-03:00の予定です。

 ヤン富田の「素晴らしい偶然を求めて」は、非売品だった93年のライヴ盤「HOW TIME PASSES」と、限定無料配布された「HEART BEAT」のカップリング。当時僕もレコード屋でもらった「HEART BEAT」は、LPでもCDでもテープでもなく単なるブックレットで、そこには聴診器を自分の胸にあててそれを音楽として聴けとの指示がありました。そしてそれが彼の「セカンド・アルバム」であるわけです。

 サード・アルバムにあたる「HEART BEAT」を聴いてまず感じたのは、意外に音楽的だということ。近年の彼の作品では、エクスペリメンタルなトラックとポップなトラックに二極分化している印象がありましたが、このライヴ音源ではそれぞれが絶妙なバランスでブレンドされています。電子楽器・発振器・ラジオ・テープレコーダーなどが用いられ、ヴァイオリン演奏者の予想を裏切るようにしながら指示を出して演奏させたり、何が流れてくるかわからないラジオに合わせて即興で演奏したりしているトラックも。ショートバージョンながら「4'33"」も演奏されていました。けれど理屈が前面に出ることはなく、音響的な要素の複合的な組み合わせによる快楽を味わうことができます。音が生まれる現場での人為的な操作と偶然性によるスリルに満ちた「音楽」は、時としてなぜか感動までもたらすのです。

 
626日 (mon)

 今は亡き横浜WOMADで2度観て以来になるYOUSSOU N'DOURのライヴを赤坂ブリッツで。ちょっと複雑な感想を抱いたこのライヴについては、「MUSIC MAGAZINE」8月号でレヴューする予定です。

 OUTDEX更新。かわかみじゅんこの「ネオンテトラ」と犬上すくねの「未来の恋人たち」を「COMIC」に追加しました。

 
625日 (sun)

 僕らの世代の恥です。就職難が加速度的に悪化していったあの時代に就職活動を経験した人なら、親のコネでTBSに就職した彼女がどれほどタチが悪いか分かるはず。

 選挙投票の帰りに、天竺浪人の「CROSS」を購入。こりゃまた尻好きなエロですな。

 lion KINGの選曲は、主催者のユウタくんに音響方面で行くと宣言していたはずなのにどんどん脱線していて、楽しみのような不安のような気分のまま、開催まで平日しかない状況へ突入です。

 
624日 (sat)

 吉祥寺スター・パインズ・カフェでデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンのライヴ。菊地成孔率いる、栗原正己や大友良英を擁する総勢11人のバンドです。

 一言でいえば、もう最高。どんな音楽を演奏するのか聴くまで想像がつかなかったのですが、1曲目からいきなり主軸がどこにあるのかわからないような渦を巻くリズムが繰りだされ、もう笑ってしまうほどの衝撃度でした。なによりすごいのは、アヴァンギャルドのためのアヴァンギャルドのような自家中毒に陥ることなく、絶えることなくスリルが持続してしまう点です。言葉にすると簡単ですが、20分もあるような楽曲を短いものに感じさせてしまうような力量は並のものではありません。自分たちの音圧に押し潰されることのない、圧倒的な技術と構築とテンションによるジャズ。そもそもどうやって作曲されてるんでしょう。個々のプレイヤーの自己主張がありありと感じられるものの、同時にバンドの重層的なサウンドの要素として有機的に鳴り蠢き、それを操るバンマス・菊地成孔のいかれた才能に驚嘆せずにはいられませんでした。そう、彼はステージ向かって右側前でメンバーに演奏する順番や次の展開に入るタイミングを指示し、戦争に関する音楽を演奏するというデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンのまさに軍曹のようだったのです。そして生み出されるサウンドは、たとえロックやソウル〜ファンクのテイストがあっても、その単一的なサウンドにとどまらない恐ろしいほどの猥雑さがあり、拡散と結集がリアルタイムで繰り広げられる点にこそデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンのスリルは存在しました。楽曲ごとの混沌度には差があり、それは同時にスリルの差をも招いていましたが、それでも他のアーティストには出せない音がそこにあったのは間違えようのない事実です。

 ライヴでは普段なら録音なんて考えない僕が、録音する術を持たなかったことをひどく悔やむサウンドで、もう音源のリリースを熱望する次第ですよ。

 
623日 (fri)

 1コマ目では普通だった少女・葉菜の顔が、2コマ目では無数の平面となって分裂し、3コマ目ではそれが全身に及んでいる様子が描写される。そんな富沢ひとしの「ミルククローゼット」第1話の1ページ目を読んだ時のインパクトは強烈なものがありました。身体が細かい平面になって消えてしまう「リーズル症候群」によって異世界へ飛ばされてしまう子供たちが急増し、そしてそこから帰還した葉菜は望んでもいないのに子どもたちを救出する「ミルク隊」のメンバーにされてしまう、というのが第1巻のあらすじ。可愛らしさ・残酷さ・グロテスクさを代わる代わる繰り出して、先の展開を予想させる隙もなく読者を飲み込む手腕は相当なもので、ちょっと考えるとわからない点だらけですがそれも伏線を予感させます。「エイリアン9」同様子供たちはドリルをはじめとして変形して戦い、異世界の生物と共生もするので、そうした描写の裏にペドっぽさを感じる僕は相変わらず生理的に受けつけない面もあるのですが。各話の冒頭の見開きで、異世界に立つ子供に童謡のような歌詞が添えられているのも、無垢とグロテスクさは背中合わせだと、強い確信とともに作者が物語っているかのようです。

 それにしてもこのカバー。無機質な記号の羅列と、あざといのか天然なのか判断のつかないクレヨン画と歌の歌詞、省略形の単語を多用した英語のメッセージという並びは、もうかっこいいとか悪いとかいう判断すら不能です。好き嫌いは別として、富沢ひとしの作る世界観の完成度は認めないわけにはいけません。

 
622日 (thu)

 ユウタくん主催のDJイベントlion KINGSは、もう来週の金曜ですよ! 宣伝しながら僕も本気で焦っています。

 なんだかんだ言っても「Quick Japan」って雑誌としてよく出来てるよ…というのは、以前かちゃくちゃくんと一致した感想。Vol.31では、篠原章による「日本ロック雑誌クロニクル」における、渋谷陽一の「ニューミュージックマガジン」に対するスタンスについての分析が非常に読ませます。グラフィティによる一般市民の迷惑なぞ一顧だにしないまま、グラフィティライターが迷惑をこうむっていると井上三太を批判する西田光男の文章はネタでしょうかね。ゴキブリコンビナートの記事では、友達がコメントしていてちょっとびっくり。

 
621日 (wed)

 一度「ハニワ」に改名しながらいつの間にか元の名前に戻っていたプリンスのような人・ニワさんが上京してきたので、フジタさん(この人は『0C7』という名前から改名)と僕というメガネボーイズで接待です。ニワさんは、松尾スズキ作演出・奥菜恵主演のミュージカル「キレイ」を観た後で、舞台では奥菜の生着替えがあったなんて話すもんだから、行けなかった僕は悔し泣きでした。逆柱いみりが美術を担当しているとは知ってましたが、伊藤ヨタロウが音楽を担当してるんですか。

 それはともかく、以前は酒豪っぷりを見せつけたニワさんが今日はアルコールを摂取していなかったのでちょい不思議でした。いや、実はちょっと飲んでてあの平静さだったんでしょうか?

 「HEP」というフリー配布の雑誌で、書評のようなものを書かせてもらっています。書評というか、松村昭宏写真集「The Cosplayer」・米原康正編「OUT OF PHOTOGRAPHERS」・村上隆編「SUPER FLAT」ビジュアルブックという3冊をネタにしての三題噺エッセイみたいな原稿です。ホームページで紹介されているのは6月号ですが、僕が書いているのはそろそろ出る7月号。配布店リストはこちらをどうぞ。

 
620日 (tue)

 思いのほか反響があったので、軍艦島リンク集を。Y'sさんには、大波戸ターミナルにあった軍艦島沖遊覧船の案内の写真を送っていただきました。これこれ。周囲から見るだけなら3000円弱とは安いなぁ。でもそこまで近づくなら上陸したいところですけどね。

 
619日 (mon)

 「MUSIC MAGAZINE」7月号では、BECKの来日公演のライヴ・レヴューと、XTC & ネヴィル・ファーマー著「XTCソング・ストーリーズ」の書評を担当しています。「ヨーロッパの野蛮」のようなワールド・ミュージック系の特集記事があると、ついワクワクしてしまう人種です。

 OUTDEX更新、RETSELを「small circle of friends」に加えました。

 
618日 (sun)

 プレゼント用に買おうと思っていたラムチョップの本+CD-ROM「We Love LAMB CHOP &friends」を発見。かつてはあまり可愛くなかったラムチョップが、時代の経過とともにまったり度を高めて魅力を増していくのが良く分かる資料でもありました。

 「レコードコレクターズ」7月号のソフト・ロック特集を読んで、SAGITTARIUSの「PRESENT TENSE」を購入。ほかにもTHE MILLENNIUMの「BEGIN」やTHE BEACH BOYSの「PET SOUNDS」、HARPERS BIZARREの「ANYTHING GOES」を久しぶりに引っ張り出してみました。CURT BOETTCHERよ永遠なれ。

 
617日 (sat)

 そのターミナル駅の前には弾き語りをする若者たちが20人近く群れていて、僕は土曜の夜なのだと教えられた気がしました。人を改札口まで見送った僕は、女の子二人組が直球で恋する気持ちを歌うのを聴こうとしたのですが、1分ともたずその場を去ることに。だって、弾いている方も聴いている方もストリートシンガーの仲間内で、通りがかって聴こうとする僕の方がストレンジャーだったんですから。野外で見知らぬ人に歌っているようでいて、そこには閉ざされた確固たるコミュニティーが存在しているのを感じて逃げ出したのでした。

 おとなしく帰って、その土地のテレビを見ます。NHKでは高木ブーとその娘を追ったドキュメンタリーを放送していて、5年前に亡くなった奥さんとの約束を果たすために、残された二人が山寺へと向かうという内容でした。険しい山道や急な石段を登る度に「もう情けなくなってきちゃった、全部」と愚痴る父・ブーを、勝気そうで弁の立つ娘さんがまくしたてます。それぞれに仕事をしながらも連絡を取り合ってできる限り一緒に食事をし、けれど年齢が上がるにつれ自分の幸せを考え始める娘と、娘を縛ってきたことを気にする父。特にベタな演出もお涙頂戴もないのですが、山寺参拝のために苦行のような状態に置かれた父と娘との距離を淡々と記録することによって、親子や幸福や死について考えさせる番組でした。

 
616日 (fri)

 「週刊金曜日」って、号数表示と実際の発売日が同じ雑誌なんですね。便利だ。そこでの中川敬の連載は、今回は関西弁のタメ口で辛淑玉の「在日コリアンの胸のうち」を勧めるというもの。「金曜日」という固いメディアの中で、ちょっと照れながら試行錯誤してる感じでした。

 総選挙記事で石川好が紹介している「政治家評定会議」のページはここ。「読者会から」のコーナーには、先日宮台真司鶴見済などを呼んでいた「週刊金曜日」宮台真司読者会のイベント報告もあって、次のテーマのひとつは「広末涼子とはなんだったのか」だそうです。これはゲストなしだと思いますが。

 
615日 (thu)

 行ってみたいなぁ、軍艦島

 長崎県の沖合に浮かんだ長さが500メートルもない島で、かつてはその炭坑で多くの人々が働き、彼らのために高層住宅が並んだ島の外観は軍艦のように見えたといいます。しかし採掘停止となった74年に住民が全員が去り、現在では廃墟のようになっているとか。人々が暮らしていた当時の写真は、日本というよりも産業革命時代のヨーロッパのどこかのような活気があるのですが、現在の写真には過去とあまりに対照的な崩落した建築物群が写るばかりです。けれど狭い島内に密集する建築物が朽ち果てたその姿は強い磁場を発しているかのようで、ネットの軍艦島関連サイトに力が入っているページが多いのも、そんな島の放つ魅力のせいかもしれません。こことかね。最近の写真の多くは夏に撮られたようで、廃墟と青空のコントラストがまた強烈なのです。行きてー。そして廃墟の前でダラダラと汗を流すんだ。

 でも近年は軍艦島に上陸して落書きをしたり火事を起こしたりする輩もいて、立ち入り禁止になったという話も。残念な気持ちがあるものの、誰も上陸できず見守る人もないまま崩れていく島にはある種のロマンを感じてしまいますな。この幼稚園の壁に書かれていた文章なんてゾクゾクする名文じゃないですか。

 実は船が出ていると知った時には複雑な気分のまま萎えましたけどね。

 
614日 (wed)

 ソウルフラワーユニオンのオフィシャルウェブページに、中川敬が「週刊金曜日」で全8回の連載記事を担当しているとのアナウンスが。6月9日号からだそうですから、もう始まってるんですね。これまでの中川敬は、立ち位置は近くても左派勢力とは微妙に距離を置いてきた印象があったのですが、これでいきなり本丸突入という感じです。以前「金曜日」で誰かが執筆していたジェンダー的視点からの歌謡曲分析では、その啓蒙色の強さに大衆との溝を感じもしましたが、大衆との連帯を重視する中川敬はどんな文章を読ませてくれるんでしょう。「本のひろば」というコーナーだそうですから、本がらみ?


 
613日 (tue)

 本当に青林堂は青林工藝舎を訴えたんですかね、「噂の真相」7月号にもありましたが。その青林堂が発行する「ガロ」7月号には、駕籠真太郎が「下町の太陽、アイコ十六才」で初登場。下町なんぞ全く出てこない代わりに奇形児工場のシーンがあるという、駕籠真太郎らしい世界です。ブルーカラー・奇形児・汚染魚・東海村など、登場する要素がどれもこれも危険なので調子に乗りすぎなんじゃないかと心配になりますが、調子に乗ってるだけに面白いんだから困ります。三本美治の「テロル」シリーズは絵の荒さに気を取られがちだけど、設定が毎回のように変わっても実はストーリーの彫りこみはかなり深くて、過激派を描いた今回もとても魅力的。逆柱いみりの「恐怖博士の花嫁」では、カッパ女工というキャラがヒットです。

 そして津野裕子の「身を横たえて」は、少ないページ数の中でストーリーを早いスピードで展開させていく手腕が見事。ニンフォマニアの女と思考障害の男、さらに家族から相手にされなかった男の姉が登場し、過去の回想を通して女がニンフォマニアになったきっかけまで一気にさかのぼっていく構成は、精緻な工芸品を見ているかのようでした。もはや性を隠喩で包み隠さなくなった津野裕子の作品は、しかし上品で美しく、それゆえに不可思議な余韻も深いものになるのです。

 
612日 (mon)

 「デザインプレックス」の別冊のようなものらしい「デザインフレックス」に、鈴木志保の新作が掲載されているとの情報をザ・掲示板で得て購入。「ぶ〜け」から「CUTiE COMiC」、そしてアーバナート展大賞を経てデザイン誌へという彼女の活動の場の変遷について思いをはせずにはいられません。

 その「たんぽぽ1−2−3」は、白と黒の強烈なコントラスト、大胆な余白の使用、アジテーションのようなモノローグの挿入、必ずしも近接しないコマ同士の複雑な配置、見開きを1ページのように見なして2ページにわたるコマを置く手法など、相変わらず彼女らしい画面構成がされています。さらに、文字列の上あるいは下の半分ぐらいを消してしまう処理のほか、コマの枠線とフキダシの線を重ねたり、文章の中に文字の代わりにコマを置いて読ませようとしたりと、実験の度合が進んでいました。そして物語は、謎の小動物「ノラちゃん」を通してひとつの存在が抱える強さと弱さを描き、日常の中で静かに続く闘いを浮き上がらせてみるというもので、そこには繊細さと勇ましさが同居しています。たしかにこれは、98年に「CUTiE COMiC」に掲載された傑作「ロータス1、2、3」の続編です。

 「デザインフレックス」の特集記事は、デザイナー・広告デザイン・VJ・ガンダムの4本立て。自前で可能な映像作品の作り方や、10万円で3DCG対応パソコンを自作する記事などもあって、クリエイター入門実践編みたいな内容の雑誌で面白かったです。

 ハイポジが所属するCommune Ltd.,の記事もあるんですが、近藤研二さん脱退した現在、ハイポジはもりばやしみほさんと愛犬のミゼットのユニットになっているそうです…。

 
611日 (sun)

 「UNGA!」用にカジヒデキの「IVY IVORY IVY」と嶺川貴子の「Maxi On」を聴いていました。両方ともトラットリアからの発売で、前者がMENU.205、後者がMENU.214です。同じ7月12日に出るのに、なんで番号が9も離れてるんでしょう。

 それにしても嶺川貴子の前作「fun 9」は、3月頃にCMJのチャートで3位まで登ってたんですね。いつの間にそんな大変なことに。

 OUTDEX更新、「EVENT」に「SUPER FLAT展」、「OTHER」に「ピンチランナー」を追加しました。「small circle of friends」に新たに加わったのは、カナモケンY's main.htmlです。

 
610日 (sat)

 次の東京紳士ジェントル5について話し合おうということで、ハルヲさんまちださんオザワさんMASAさんと昼の新宿に集まったものの、どうにも単なる食事会に。とりあえず出た企画は、各自3000円以内でレコード屋のエサ箱を漁ってワンセット分のアナログを調達しDJをするというもので、こんな無茶な話が実現しないことを祈るばかりです。

 クレイジーケンバンドのトークイベントに小西康陽が出るとハルヲさんに聞いてタワレコへ。全然知らないバンドでしたが、小西康陽が新たに作ったインディーズ・レーベル524 recordsが送り出すファンク歌謡バンドのようです。ボーカルの横山剣はオートバイ屋の主人みたいな人でした。

 夜、恵さんが上京してくるというので、彼女とテルくんと食事。オフ会じゃないやい。恵さんは、テレホの時間帯以外にもちょこちょこICQに姿を現しているようにはとても見えない快活な人でした。「悩む人ってなんでかわからない」とか言うので、僕はドギマギしっぱなしでしたよ。テルくんと恵さんの会話は、頭の回転の早い人同士の微妙にねじれた掛け合いという感じで面白かったです。

 
69日 (fri)

 久々に「ダ・ヴィンチ」購入。この7月号では、古屋兎丸からの直々の指名によってしばたさんがインタビューを担当しています。この原稿、一読して気合いが入っているのが分かりましたよ。同じマンガのコーナーでは、「ジャンル分け不能!? 新世代インパクトCOMICS!!」と題して河井克夫・水野純子・逆柱いみり、そしてなんと西岡兄妹の記事が顔写真入りで掲載されています。西岡兄妹って「モーニング」の出身だったのか。

 ネット恋愛のコーナーでは顔こそ隠しているもののなんばさんが! お幸せそうでなによりです。「誰でも簡単にスターになれます」という嫌なタイトルの記事は実はポエトリー・リーディングの話題が中心で、さいとういんこさんも登場。「MUSIC MAGAZINE」5月号の記事といい、最近ポエトリー・リーディングが注目されていますね。同じ記事でコメントを寄せている佐野元春は、ポエトリー・リーディングのカセット・ブック「エレクトリック・ガーデン」を再発しないのかなぁ。難解だという笙野頼子の新刊「てんたまおや知らズどっぺるげんげる」も買ったままだから読まないと。豊田道倫と松田マヨ記事もあって、書評を期待すると薄い印象を受ける雑誌ではあるものの、久しぶりに読んだら「ダ・ヴィンチ」はけっこう面白かったのでした。

 
68日 (thu)

 PetSounds.comがいつのまにかBrian Wilson.comとして生まれ変わっていて、今度はしっかりオフィシャルとして銘打たれています。しかもトップを見てビックリしたのは、ジャケット写真入りでライヴアルバムの告知があるじゃないですか。「live at the roxy theatre」と題されたこのアルバムは、新曲2曲を収録した2枚組。去年の来日公演には感動したけれど音だけ聴いたらどうなのかな〜という不安混じりではあるものの、今年4月に収録されたものだからある程度こなれていることを期待しておきます。発売されたら迷う余地なく買いますし。でもこのアルバムの発売元であるBriMel Recordsは初めて聞くレーベルなので、メジャーとの関係を含めたBRIAN WILSONの契約面が微妙に不安です。


 
67日 (wed)

 そういえばこんな話でした、松本次郎の「ウエンディ」は。「モーニング」で連載されていたのはもう4年前、そして今になって太田出版から彼の初単行本として発売です。

 母親と不仲で自暴気味の女子高生・愛美を迎えに来たのは無邪気で乱暴なピーターパン、そして連れて行かれた先は破壊と殺戮が日常茶飯事のネバーランド。一度はそこから逃げたものの、自分を唯一理解してくれるピーターパンと再びネバーランドに戻った愛美は、人は誰かとお互いを必要とし合うこと、世界には快楽と苦痛が同時に存在していることを知って、ネバーランドの崩壊とともにピーターパンと元の世界へ戻っていくという青春物語です。そして生々しくて迫力もある描線と構図やコマの並べ方の巧さは、戦闘シーンや世界がブッ壊れていくシーンをえらくテンションの高いものにしていて、見事にエンターテインメントとしても成立しています。単行本でまとめて読んだら、とてもよくまとまっている話だと気付かされましたよ。

 
66日 (tue)

 「YUNGKING OURs」の福原さんと食事。7月21日の「OURs LITE」創刊、楽しみにしています。

 タワーレコードで「bounce」をもらってきたらそこにも中原昌也。今度はECDと対談していました。

 
65日 (mon)

 普通の雑誌ならロング・インタビューと題しているであろう長さの記事がデフォルトで並んでいるために、編集側のことが心配になってくる「cookie scene」はvol.13もやはり文字が細かく、級数の限界に挑戦しているかのような誌面です。そこら中で話題になっているBelle & Sebastianがここでも評判なので、つい彼らの新作「fold your hands child, you walk like a peasant」も買ってしまいました。かと思うと「中原昌也 meets 野坂昭如」なんていう危険物同士の混ぜ合わせ記事があって、緊張のせいか非常に礼儀正しくインタビューをする中原昌也と、いくら褒められても冷めたことばかり言う野坂昭如という非常に珍しい構図を見ることができます。


 
64日 (sun)

 これまで意識的に避けていた部分もあった高橋しんですが、「最終兵器彼女」第1巻をまとめて読んだらまんまとやられてしまいました。連載開始時にまとめて掲載され、派手なつかみを見せた冒頭2話をはじめ、かなり描き足されています。

 不器用ではあるものの普通の恋人同士だったちせとシュウを襲ったのは、彼らが住む街への謎の空襲と、ちせが親にも内緒で最終兵器に改造されてしまうという不条理な現実でした。そして最初こそちせが悩んでいるのか分からないほど穏やかな日常が描かれますが、それも後の凄惨な展開への伏線です。第三章「最後の日々(5)」で、追っ手を爆殺するなど思考自体が兵器化していくちせとそれに動揺するシュウを描き、続く「最後の日々(6)」ではちせの胸の手術痕を見せて、たたみかけるように登場人物と読者を追い込んでいきます。そして同じ「最後の日々(6)」で幸せな将来を夢見て語るシュウに不覚にも心揺れていたら、「最後の日々(7)」で突然ちせが普通の体に戻れないと語り出す展開が待っていて、あれもまた罠だったのかと気付かされている始末です。そこかしこで「あの時気付いていれば」と後悔するようなモノローグが挿入されるのも勘弁して欲しいぐらいですが、どう考えてもしばらくはこのままアンハッピーに進行する物語の吸引力はかなりのもの。高橋しんの可愛らしい絵柄や物語のクサさはこれまで鼻についたのですが、こういうムチャクチャなハッタリが効いた設定だと一気に残酷な味わいを深める効果をもって物語を締め上げています。

 あとがきに「Mental materials」として挙げられたマンガは意外に僕と趣味が近くて驚かされました。

 ちなみに、昨日紹介した有川祐の「彼女とデート」も「最終兵器彼女」も、偶然に装丁は関善之+星野ゆきお。

 
63日 (sat)

 有川祐の「彼女とデート」は、高校生の男女4人をめぐる恋の話…というにはどんどんディープに展開していく物語です。律には「おにいちゃん」と呼ぶ恋人がいて結婚する約束もしているのに、一方では摂津と肉体関係もあるという状態。そして律と恋人の過去が明らかにされていくにつれ、それぞれの内面も描き出されていきます。この作品を貫いているのは有川祐の持ち味である淡々とした描写で、特にこの作品ではそれが緊張感へと変換され、緊迫したラストを導いていました。コマ割りを含めた絵の面には改善の余地もあるし、苦悩や迷いの描写にはベタな表現が見受けられるのは気になりますが、それでも感情表現を必要最小限に抑えたストイックな演出は個人的に好みです。


 
62日 (fri)

 XTC & ネヴィル・ファーマーによるぶ厚い本「XTC:ソング・ストーリーズ」を読みながらずっと彼らのアルバムを聴き返しています。この本はメンバーがファーストから現在までのアルバムの収録曲について語っているので、それに合わせて1曲ずつ聴いているのですが、やはり最初に出会った「ORANGES & LEMONS」が今でも一番好きですね。むやみにテンションの高い始まり方がいいなぁ。それに続くのは「SKYLARKING」「ENGLISH SETTLEMENT」「APPLE VENUS VOLUME 1」という順番ですが、ただしあくまで今日現在。「APPLE VENUS VOLUME 1」のあまり聴いていなかったデモ音源集「HOMESPUN」を流しながら、XTCを特集した「レコード・コレクターズ」99年5月号も引っ張り出してみたら、入手できる音源はとりあえず全部買った方がいのではと物欲が頭をもたげてきて危険な状態になってきました。


 
61日 (thu)

 今日から新生活です。

 宮村優子は5月31日でビクターとの契約を解消したそうで、もうすぐビクター内の公式ホームページも消滅してファンクラブも解散するというのですから、彼女も今日から新生活の始まりですね。と、シサマさんから教えてもらったみやむー情報なぞ書いてる程度には僕も元気です。

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