since 14/DEC/96
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10月
31日
(tue)
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Tin Panの11月22日発売のアルバム「Tin Pan」は、細野晴臣のルーツ回帰路線が生んだ作品だと感じました。僕の中では、昨年発売された細野晴臣&久保田麻琴の「Road to Louisiana」と同一線上に並んでいます。演奏のフィーリング重視の渋いサウンドに、ゲストを呼んで色付けする手法も適材適所で成功していて、さすが50歳前後の人たちが作っていると思わせる堂々とした音楽。詳しくはまた別の機会に。
知人のおかげで、彼らのライヴのチケットもなんとか入手しました。忌野清志郎・大貫妙子・吉田美奈子らを迎えてどんなライヴになるのか楽しみなのは、そりゃあ6800円というチケット代のせいもあるのですよ。
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10月
30日
(mon)
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「アワーズガール」創刊号は、ぬるすぎず熱すぎず、ちょうどいい湯加減。巻頭カラーがおがきちかだと思うと、伊藤潤二が容赦なく誌面に苦痛と腐臭を加え、その次にはぬくぬくとした小石川ふにのマンガが載っているというバラエティーの極端な豊かさが愉快です。逆柱いみりは、「ガロ」よりも読みやすいけど世界観は完全に一緒。さすがです。酒をかっくらう女子高生を描いても、黒田硫黄は味のある会話で読ませます。川原由美子の中国旅行マンガは、ベテランらしいテンポの良さときれいなまとめ方。犬上すくねは時々現れる邪悪さと冷めた感じがいいスパイスになっていて、「サイボーグ009」なんてネタがキーになっている芳崎せいむの恋物語も青春してやがります。次号には藤原薫が登場するというから楽しみですな。
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10月
29日
(sun)
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渋谷クアトロで、ダリエのライヴ「シャモそば麦トロの宵 Vol.9」。ミニアルバム「光冠(コロナ)」の発売記念ライヴだけあって、まずはそのアルバムに収められた楽曲でライヴは始まります。「光冠」収録曲がCDと同じバックトラックを流して演奏されたのは、「光冠」がほとんどダリエひとりによって制作された打ち込み主体のアルバムだったためでしょう。しかし、やはりライヴでは西村哲也・大田譲・夏秋文尚・武川雅寛といった猛者たちと組み合って演奏された楽曲が光っていて、彼らが鳴らす音圧の強いサウンドに負けることなく拮抗するダリエのボーカルに痺れました。その一方で、武川雅寛とふたりだけで歌う際の甘くしなやかな表現力もたまらないわけで、これは何度書いても書き足りない彼女の魅力です。そして終盤の「灰にもなれず 塵にもなれず」や「抱いて抱いて抱いて」での強烈なエネルギーを浴びたら、僕はまた再び彼女のライヴに足を運ばずにいらません。ライヴ音源のベストテイク集を切望してしまいます。
この日のゲストは、矢口博康率いるバリトンサックス6人組(本当はもっといるらしい)・東京中低域。僕が90年代の前半に「ナイチンゲール」などのアルバムを愛聴していた水谷紹がメンバーだったので驚きました。青年然としていた記憶のある彼も歳を食っていましたが、相変わらず性別とか年代とかを飛び越えたかのような歌を聴いて、アルバム「PARADISE:POST」を帰り際に購入。
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10月
28日
(sat)
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松本大洋「GOGOモンスター」、原作GAINAX/漫画ウエダハジメ「フリクリ」第1巻、祭丘ヒデユキ「レ研」 購入。「GOGOモンスター」は書下ろしで紙ケース入り2500円。「レ研」は先週の飲み会でウガニクくんが見せてくれた本で、多くは語りませんがとにかくイカレた作品です。
作・一色伸幸/絵・おかざき真里の「彼女が死んじゃった。」第1巻もまだ未読。第2・3巻しか見つからなくて、第1巻を一時はネット通販でも探したけど結局まんだらけで入手した藤原薫の「おまえが世界をこわしたいなら」も同様です。積まれたままの活字の本も6冊あるんで、本を読むのが遅い僕にはちょっと辛い状態に。
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10月
27日
(fri)
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やまだないとの「ビューティフル・ワールド」の主人公・アレックスは、汚れを吸い込んでもなお天使のような人物でしたが、彼女の新刊「コーデュロイ」の主人公・リュウセイはもう少し内面に抱えた悲しみを感じさせるキャラクターです。「コーデュロイ」は、見知らぬ人に誘われてなんとなくフランスに渡り、パリを放浪しながら現地のフランス人や日本人と交流するリュウセイを描く物語。各話が独立した短編のようにも読めるのは、誰との間にも距離を置くリュウセイが主人公だからこそで、彼が接する人々の愛憎や生死が濃く淡く描かれます。そして誰に束縛されることなく行動し、その自由さゆえの他人への冷たさも感じさせるリュウセイの悲しみは、「ここにいていいって言われると/ここがどこなのか…わからなくなる」という言葉に端的に表現されているのです。ハッピーエンドになれる場所を見つけられないまま、いつまでも続いていく物語。
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10月
26日
(thu)
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GAINAX ONLINE SHOPで購入した「新世紀エヴァンゲリオンDVD 全巻セット」が到着。GAINAXから直接買うと、送料など全部入れても定価で買うより2000円ちょっと安かったのですが、それと入手までの待ち時間とのバランスとなると微妙です。そして、10日以上の間あれほど待ち焦がれていたものの、実際にブツが届いてみるとさっぱり見る気が湧かないのは忙しさのせいでしょうか。それでももったいないからと、「この頃はロボットアニメだなぁ」と第壱話だけ観ました。数年前にさんざん繰り返し観ただけに、むしろ今の僕にとっては持っていること自体に意味があるようです。マニアの受難なんて、制作したのはもう3年半近く前だもんなぁ。
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10月
25日
(wed)
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渋谷でBUMBLEBEE RECORDSの平澤さんに、11月15日に発売される直枝政広の初ソロ作「HOPKINS CREEK」のサンプル盤をいただきました。早速聴いたのですが…これは素晴らしい。カーネーションという枠を外してひとりになった時の彼の世界の広さが、これほどのものだったとは。詳しくは次号「アワーズライト」の「BED ROOM DISC JOCKY」をお待ちください。
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DVD通販っていうのは10〜15%の割引が効く点は得なんだけど、送料や届くまでの時間、さらに商品が到着しない場合の確認の手間とかを考えると、よほど安くなければ意外にメリットは少ないのかもしれないという気が。そんなわけで渋谷のTSUTAYAで、原将人監督「20世紀ノスタルジア」とジュゼッペ・トルナトーレ監督「ニュー・シネマ・パラダイス(完全オリジナル版)」購入。やはりカードを使う通販じゃなく直接金を払う痛みがあった方が、無駄な買い物をせずに済みそうです。つまりDVDの出費って、冷静に考えると恐いよなぁってことなんですけど。
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10月
24日
(tue)
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16日の日記でフルアルバムを聴きたいと書いたTHE FOXですが、土佐有明さんにUMMO Recordsからすでに発売されていると教えてもらい、さっそく9曲入りアルバム「NU-BATIK」を購入しました。最初聴いた時には非エレクトロなステレオラブ…なんて連想もしましたが、もうちょい大阪のアングラ臭いクセがあって、それがまた魅力。そんな個性は、キュルキュルなるヴァイオリンと投げやりなボーカル、そして意味があるんだかないんだか分からない歌詞の「FOX SONG」に端的に表れています。しかも96年から活動しているだけあってうわべだけの刺激にとどまらない基礎体力を感じさせ、「KAMPOU」などにはイギリス辺りのバンドにも通じる洒落たセンスが漂っているのです。淡々としながら同時に過剰な際立ち方もした歌と演奏は、とてもチャーミング。また、フワンフワンとスキャット(?)が入るインストの「FUJI-RARA」をはじめ、どの曲もキャッチーです。そうかと思うと終盤では、中華風なんだかわからない混沌としすぎて変な凄味のある「KOWLOON」のような曲が鳴り出すので油断は禁物。サンバを独自解釈してしまったような最後の「MEARY」まで、刺激と心地よさは途切れることがありません。すごく良いもんだから、18日に行なわれた東京でのライヴを見逃したのが残念だったらありゃしませんよ。
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書き忘れていましたがOUTDEXを更新しました。「MUSIC」「EVENT」にテキストを追加したほか、「small circle of friends」にNOWが加わりました。
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10月
23日
(mon)
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ソロ名義では2年ぶりのリリースとなるダリエのミニアルバム「光冠(コロナ)」は、一聴するとわらべうたのようなタイトル曲に込められた、優しさとしなやかさと強さにまず圧倒されてしまいました。裏切りも悲しみも絶望も経験しても、なお「何度でもはじめからやり直し」と歌える、このたくましさ。歌詞に「愛と勇気」という言葉がある通り、何の衒いもなく「愛と勇気」の音楽と呼べてしまうアルバムです。
「うごく」で、突然ボーカルが深く感情をえぐりだすかのように生々しくなる瞬間もたまりません。日本とインドの風味が混ざった「天まで飛ばそ」も、エスニックな要素の取り入れ方が彼女らしいサウンド。歌詞らしい歌詞がない「あやめDANCE」やインストの「月の丘」でも、表現されるものが減ってなどいないところが、音楽家としてのダリエのすごいところです。特に「月の丘」は、不意に厚いコーラスが飛び出す展開がプログレッシヴなほど。「テツボー」のハープの音色はゆっくりと聴き手を外の世界へと送り出すようで、聴き終わってから軽い放心状態すら味わったのでした。
吸い込んだ息を身体の奥から深く深く吐き出すような、そんな音楽。
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10月
22日
(sun)
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プロックスサーバサービスが25日の14時から17時まで一時停止するため、OUTDEXが間借りをしている俺とサーバとピクニック・サーバも揃って利用できなくなります。OUTDEXで見られなくなるのは、俺とサーバにある「MUSIC」とピクニック・サーバにある「COMIC」です。
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クラス担任に恋をしてしまった女子中学生。そんな少女マンガの王道を行くような設定ながら望月花梨の「スイッチ」がゆるさを感じさせないのは、主人公の名倉と担任の広田や親友の梢との距離をシビアなぐらいキッチリと描いているからでしょう。さすがに広田はカッコ良すぎるけどね。最初は苦手だった教師に心惹かれ、やがて生徒と教師という関係に戸惑うことになる名倉。そんな流れの中で、87ページの見開きによってバーンと切なさを全開にさせられてしまうんだからたまりません。しかも終盤では、名倉と広田の距離が突然縮まることになり、しかもどうなったのか読者にはよく分からないという見せ場まで用意されてます。心憎いったらありゃしません。そして望月花梨の描く影のある表情はとても素晴らしい。トラウマや突然の交通事故といった大ネタに頼らずとも物語を展開できるようになった彼女の安定した実力を確認できる作品です。もうちょっと続くという「スイッチ」、どこへ向かうんでしょう。
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10月
21日
(sat)
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「アワーズライト」12月号の「BED ROOM DISC JOCKY」では、クラムボンの「まちわび まちさび」とキリンジの「エイリアンズ」「3」について書いています。30日には、「BED ROOM DISC JOCKY」のイラストとデザインを担当してくれている小石川ふにさんも執筆する「アワーズガール」が創刊されますよ。
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ウガニクくん・シバタくん・タロウくん・テルくん・ノボルさん・ユウタくん・ユキさんと新宿で飲み。ここまで書いた時点ですでにリンクを張るのに疲れてしまうんだから、普通の飲み会とオフ会の境界線が見えない関係って困りますね。みんな落ち着くべきところに落ちついたような気も、まだまだ油断は許さないような気もしますが、ともかく元気そうでなによりです。カルアミルク1杯で酔い潰れた僕を除いて。毎日更新しているのが僕だけという状況は寂しいので、みんなも更新しようよと呼びかけずにはいられませんでした。せっかくみんな業が深いんだから。
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突然ですがブックレビューのコーナーです。
「雑学不満足 こんな定説ウソホント?」:ウガニク著(マイクロデザイン出版局)
なぜか避妊具と生理用品とコカコーラを中心とした雑学書。身体を張った各実験は、字数を埋めるためならライターは自己のあらゆる尊厳を捨てねばならぬと物語っています。そんな状況でこそ、ウガニク節が高いテンションで発揮されているのも因果な話。そして検証対象がどれも幼い頃に自分も疑問を持った事柄であるかのように感じられ、ノスタルジアをかきたてられるのは、汚れ役・ウガニクくんの意外にピュアな面があらわれているからかもしれません。というのは綺麗にまとめすぎな気が自分でもします。
「カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜」:ヤマグチノボル著(角川スニーカー文庫)
エロゲー「カナリア」のノベライズ版。しかしこの小説版はさすがにエロ描写無しで、真夏の四国を舞台に、歳上の従姉妹との再会・部活でのバンド活動・その夏合宿などを通した恋の物語が描かれます。うおーっ。読んでいてそう叫びたくなるほど、夏の木々が放つ濃密な匂いが鼻先に感じられるような恋愛ストーリー。そう、ピュ、ピュアなんですよ。ノボルさんの持ち味を出し切るには、スニーカー文庫という枠は窮屈そうに感じられもしましたが、その心理描写はまさに彼らしいのです。あとがきも含めてね。
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飲み会の途中で金魚さんを呼んだら、彼女にとっては初対面のこのメンツにいきなりセクハラまがいのトーク砲撃を受けることに。お疲れさまでした。
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10月
20日
(fri)
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MTCIの崩壊にともなってラトルコープもT.M.Rとなって天に召されたのかと思いきや、ただの移転告知でした。そんなマツノさんが最高。
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ムック「マンガ夜話」にも執筆されていて現在はフランスに滞在中の鵜野孝紀さんから、パリで開催された「BD EXPO/COMICKET」についてメールをいただきました。「BD EXPO/COMICKET」は毎年10月にパリで開催されているコミック・コンベンションだそうで、コミックの新刊・古本の販売、同人誌即売、コスプレ・コンテストなどが行なわれたとか。メールに添付された画像を見ると、これがまたみんなコスプレに気合いが入ってるんですよ。日本からはアニメ監督の森本晃司がゲストとして招かれ、彼のページのチャンポン新聞ではイベントの様子が紹介されています。
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宮谷一彦のページを運営されている片見さんからもメールが。宮谷一彦本人から電話があり、片見さんのページの半公認化のほか、自らサイトを立ち上げる計画もあるそうで、こりゃ期待せずにはいられません。この動きが具体化したら、勢いに乗って「COM」時代の作品集が再刊されてほしいところです。
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10月
19日
(thu)
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佐野元春が86年に発売したカセットブック「エレクトリック・ガーデン」はこれまでCD化されてなくて、この先もなかったことにされてしまうのかと思っていたのですが、あと二ヶ月あまりの期間限定サイト・eTHIS 佐野元春 20thアニバーサリーサイトでCDブック「Spoken Words」として発売されると告知が出ていました。「エレクトリック・ガーデン#2」や他のポエトリー・リーディング作品も収録されているのはいいのですが、3780円は高いなぁ…。受注期間は今月20日から11月22日なのでもうちょい迷ってみます。
すでに申し込みは終了していますが、同じようにこれまでCD化されてなかった12インチ群の音源を収録したアナログ2枚組も同じサイトで販売されていて、これまでならファンクラブの通販で売られていたような音源が現在はネットで販売されるようになったみたいです。もちろんどれも限定生産。11月に出るライヴ映像集「佐野元春ライブ・アンソロジー 1980 - 2000」とベスト盤「GRASS」は店頭販売のみだそうで、売り方もコアなファン向けと一般向けにうまく使い分けていますね。
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10月
18日
(wed)
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「MUSIC MAGAZINE」11月号では、キリンジのインタビューを担当しています。ファン冥利に尽きる仕事でした。
東浩紀「不過視なものの世界」、小野島大「音楽ライター養成講座」、「Quick Japan」Vol.33購入。すでに音楽ライターとして活動しているんだからいまさら「音楽ライター養成講座」なんて買わなくてもいいじゃないかと言われそうですが、こういう本を先輩ライターが出すと気になるのですよ。「Quick Japan」に松本亀吉によるSPANK HAPPYのインタビューが載るのは知っていましたが、まさか表紙をボーカルの岩澤瞳が飾るとは! しかも素晴らしく可愛い…。「電気グルーヴのオールナイトニッポン」について渡辺兵馬さんが執筆しているのとあわせて、今号はもうこれだけで満足です。
そうそう、ノウエさんたちが主催する11月5日のHOME ROOM vol.0にはSPANK HAPPYも出演。岩澤瞳の追っかけを目指す僕も当然行きます。
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10月
17日
(tue)
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くるり「ワンダーフォーゲル」、大貫妙子・奥田民生・鈴木慶一・宮沢和史・矢野顕子のライヴ盤「LIVE Beautiful Songs」購入。
「ワンダーフォーゲル」は前評判ほど刺激的なサウンドではないですが、またしても新機軸を打ち出すデジロック・ナンバーです。デジロックと表現するとダサいですが、ともかくリミックスの「箱根ワンダー」も含めてテクノ志向。カップリングの「サマースナイパー」のやさぐれた哀愁もいいですな。
「LIVE Beautiful Songs」では、「横顔」「突然の贈りもの」など大貫妙子の曲がしみてたまりません。ジャムセッションのように各ミュージシャンの個性がぶつかり合うのではなく、それぞれの楽曲を歌いあうなど和やかなムード。その代わり、キャラクターという点では一番距離のありそうな奥田民生と大貫妙子がデュエットする意外な曲もあって、全体を通してもこの二人の存在が大きい気がしました。大貫妙子の「ピーターラビットとわたし」を全員で歌ったり、奥田民生が矢野顕子の「ラーメンたべたい」を歌えば矢野顕子は彼の「すばらしい日々」を歌ったり、各自の歌の世界が交錯していく面白さがあります。
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10月
15日
(sun)
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1時間に4つほどしか言葉を発しない「彼」の長い長い沈黙は、彼にとっては僕らの関係性が暗い渦の中にあるままだという事実を露わにしていきました。けれど、そんな沈黙に気圧されることもなく僕が胸から喉元へと歌うように言葉を押し出し続けることができたのは、彼への勝手な憐れみと優越感のなせる技であったとしたら、それもまた…。被害者意識とそれゆえの相手への残酷さとは背中合わせなのです。僕も彼も。そういえばひとつ言い忘れたよ、37歳の誕生日おめでとう。今となっては懐かしい、大切な友達へ。
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日曜の夜の中央林間は人気も少なくて、いかにも郊外の街という雰囲気。そこで犬上すくねさん・茉莉花さんと飲み会でした。犬上さんは時に辛辣なくらいにシャープな分析をしてくれるんで、「恋愛ディストーション」といわず、思わずこっちが表情をディストートしちまいそうです。そんな風にテンションを上げたり下げたりして語り続けていた我々ですが、隣のテーブルで延々と盛り上がっていたオバさん集団の一人がゲロを大噴出したことで恐怖のどん底に。
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10月
14日
(sat)
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買っちゃいましたよ、DVDプレイヤー。「モーニング娘。ライヴ 初の武道館」を入手してから48時間も経過しないうちにこの状態ですから、これは何かの病気だと我ながら思います。前の晩にメーカーのページを見て回って各機種を見比べたのですが、結局DVDさえ見られる最低限の機能があればCD-RやRWは読み込めなくてもいいという結論になり、近所のディスカウント店で東芝SD-1200に決定。なにしろ2万数千円で買えてしまうんですから安いもんです。家のテレビにS端子があったので簡単かつ無事に接続できて、安いプレイヤーでも充分なほどクリアな映像と音が楽しめましたよ。ここまで画質がいいと、撮影機材や編集機材の質も重要になっちゃいますね。
そんなわけで、これからしばらくDVDを買い漁ることになりそうです。すでにGAINAX ONLINE SHOPで「新世紀エヴァンゲリオンDVD 全巻セット」を買ってしまいました。次はウテナかな、もう止まりません。「これ買っとけば、もうそれ以上、画質のいいのは出んじゃろうという感覚が物欲を刺激してる」というしばたさんの指摘はたしかにその通りで、中途半端に高くて安い値段設定にも金銭感覚が狂いそうです。そもそもDVDソフトって基本的に定価販売なのかもよくわからないのですが、とりあえず10%割引のComodoやDVD BANKをチェックしてます。
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10月
13日
(fri)
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J-PHONEの携帯電話をいじる機会があったので、加入台数が70万台を突破したというJ-SKYに対応したページの作り方を勉強。基本的にはi-mode同様にHTMLでいいのですが、利用される画像形式はi-modeがGIFなのに対してJ-SKYはPNGという違いがあります。また、タグでアクセスキーを指定すると、番号を記述しなくてもその番号が表示されたり、「mailto:@docomo.ne.jp?subject=***&body;=***」のようなメール送信記述が使用できなかったりも。だからi-OUTDEXをJ-PHONEで見るとかなりかっこわるい状態になっています。
そんなわけで、J-スカイページはどう作ればいいの?やJ-Sky対応ホームページ作成ガイドを見ながら、またしても安易なネーミングのJ-OUTDEXを試験的に作ってみました。リンク集はそのうちページを増やします。i-mode版は1日40アクセスぐらいで安定しているのですが、J-SKY版はどのくらい需要があるんでしょうねぇ。
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10月
12日
(thu)
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モーニング娘。のDVD「モーニング娘。ライヴ 初の武道館」をゲット! …でも肝心のDVDプレイヤーがありません。新メンバー4人の歌もマルチアングルで収録された「LOVEマシーン」がやっと見られると思ったのにこのざまです。血迷って、110分の収録内容を110分かけて鮮明に想像しようかと思いました。山本麻里安特集の「DVDボイスアニメージュ」Vol.1も、もらったまま封も切っていない状態です。
DVD WAVEを見ながら、こうなったらパソコンにDVD-ROMドライブとソフトDVDプレイヤーをセットしようかとも考えましたが、ビデオグラフィックアダプタボードやらサウンドボードやらの問題になってくるとハードに疎い僕は怖気づいてしまいます。こうなったら40000円弱を出してプレステ2でも買おうかとも検討しましたが、よく見たら普通のDVDプレイヤーはもう20000円強で買えてしまうじゃないですか。気が抜けました。これにしまーす。
そういえば、「新世紀エヴァンゲリオン SECOND IMPACT BOX」なんてのも11月15日から順次発売されるそうです。21500円の3巻セットだから、トータルで64500円。「DEATH & REBIRTH」「THE END OF EVANGELION」に加えて「鋼鉄のガールフレンド」も収録されていて、ビデオで発売された際に大幅な追加がされた第弐拾壱話〜弐拾四話がテレビ版のまま収録されているのも売りのようです。このセットも悪くないけど、個人的には第弐拾壱話〜弐拾四話は修正版の方が好きなのですよ。そうなると通常版DVDのvol.6とVol.7を買い足せば問題ないわけですが、それだったら最初から各6600円の通常版DVD全7巻を買った方が46200円で済むじゃないですか。劇場版3作品を収録した8800円の2枚組DVDを加えても55000円。危ない、ついボックスセットの魔力にとりこまれるところでした。
というわけで、DVDプレイヤー購入に関しての大義名分が自分の中で揃ってしまうことに。モーニング娘。、山本麻里安、エヴァ。これでいいのかはあまり深く考えないことにします。
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10月
11日
(wed)
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キリンジの「エイリアンズ」とノーナ・リーヴスの「DESTINY」を買って帰宅したら、ノーナ・リーヴスはサンプル盤が家に届いていたので口から泡。いや、CD-R焼きの盤だったからどっちみち買っていていたと思うんですが。
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津野裕子特集の「ガロ」11月号では、「津野裕子さんへの30の質問」を担当しています。僕の質問の文章の長いことといったら。
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10月
10日
(tue)
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気がつけばOUTDEXは3周年。それを記念してリニューアル…どころか更新すらままならないのが現状です。ホームページの寿命ってどのくらいなんでしょうね。
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HIRTH MARTINEZ「HIRTH FROM EARTH」、Sabah Habas Mustapha& the Jugala All Stars「So La Li」、オムニバス盤「ソー・ファー・ソングス」購入。HIRTH MARTINEZは以前まちださんの家で聴かされた男泣き盤。「一人でも充実した人生が送れるさ」なんて「ALTOGETHR ALONE」で歌われちゃねぇ。元3 Mustaphas 3のメンバーにして、すっかりインドネシア音楽に傾倒したSabah Habas Mustaphaは、今回もスンダで録音。もちろんジャイポンガンなどの要素もあるものの、1曲目はいきなりナイジェリアの音楽・ジュジュ風のアレンジで、相変わらず音楽をミクスチャーするアイデアは枯れていないようです。「ソー・ファー・ソングス」はOZ DISC
から発売されたサンプラーで、税抜き1500円。渚にて・フリーボ・山本精一 with RASHINBANなど「うたもの」が収録されています。
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10月
9日
(mon)
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横濱JAZZプロムナード2000のファイナルコンサートに渋さ知らズが出演するというので行ってきました、パシフィコ横浜。会場ではハルヲさん・MASAさん・りこさんと合流です。
渋さ知らズが登場していよいよ演奏かと思ったらサウンド・チェックで、ちょっと演奏しては中断すること数回。そして一度引っ込んだ渋さ知らズの面々に代わって登場したのは、武士のような格好をした男たちで、場を湧かせてから渋さ知らズが演奏をはじめるという趣向でした。しかも、きらびやかなダンサーだけではなくアングラ劇団の団員のような連中も出てきて客席で踊りだすんだから、下世話なんだか芸術的なんだかもう分かりません。渋さ知らズ初体験の身としてはこの辺でもうやられましたよ。なにより渋さ知らズの演奏は、アルバム「渋瀧」から想像していた以上に踊れます。MCやコントを挟みながら下世話かつワイルドに突っ走り、本当に会場を走りながら演奏したりもしていました。しかも会場を走っているメンバーに、ステージ上のメンバーが手を振ったりしてるんだから馬鹿馬鹿しくて大笑いです。会場には、芋虫のような形の10メートル以上もある風船2種も泳いでいました。
渋さ知らズのライヴは音楽と演劇とパフォーミング・アートが闇鍋のごとく融合していますが、ただひとつフリー・ジャズのグルーヴに貫かれています。そう、渋さ知らズは高尚で洒落たジャズ村からはみだしてしまった野武士のようなジャズ・ミュージシャンの集団で、むやみなほどエネルギーに溢れた彼らのライヴは、目的なき村一揆のようでした。1時間半はあっという間で、アンコール無しになってしまった時間制限さえなかったら、横浜市のイベントだということ自体も忘れていたかもしれません。
終演後、今年発売されたライヴ盤「ケイハクウタガッセン」を購入。3枚組で3800円なんですから心意気すら感じます。会場を出てファミレスに入った後に僕のテンションが不自然に高かったのも、そんな渋さ知らズの熱にやられてしまったからなのでした。ということにしてください、4時間延々話せて楽しかったです。
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10月
8日
(sun)
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新宿で秋物の洋服を買ってから、渋谷ROCK WESTでワンダー3。音ゲー系クラブイベントの主催者が3人集まって開いたイベントで、会場にはしっかりファミコンも用意されていました。LZDさんは吉幾三リミックスを飛び道具として利用しつつ、相変わらずモテ狙い。憎たらしいね! ここうさんは、VJ用スクリーンに映写された音ゲー画面に合わせてマラカスを振りまくってからDJに突入するという、体を張ったつかみを見せました。ラんちゃんや多忙な若社長のサイトウさんも踊りまくっていたのに、僕はへばり気味で情けない限り。
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10月
7日
(sat)
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10月21日発売の大木彩乃のセカンドアルバム「屋上遊園地」は、とてもスタンダードなポップスで普遍性へと真っ直ぐに向かっているような作品。「白昼夢」のように孤独を明るく歌われると切なさは増すものです。クラムボン「まちわび まちさび」は10月25日発売、「君は僕のもの」や「シカゴ」での原田郁子の歌の集中力が強烈。弱点が見えてもなお愛しい音楽。11月8日発売のキリンジ「3」は、より広く深く自由な作品世界。本当に「千年紀末に降る雪は」は素晴らしい楽曲。発売日が同じ広末涼子「果実」は、CHiBUNこと鈴木智文プロデュース。愛想のあまりないロック色の強さが、彼女のボーカルの成長ぶりを浮き彫りにします。
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10月
6日
(fri)
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今夜2年ぶりぐらいに会って飲んだのは、大学時代に片想いしていたものの結局は実らなかった相手。昔はあんなに苦しませて苦しめられた相手と、驚くほどの深さで現在のお互いについて話せたのが楽しかったです。それにしても、恋に宗教と政治(宗教『的』とか政治『的』とかじゃなくて本当にそれそのもの)が絡むのって大変ですね。いろんな意味で変わった彼女と話ながら、現実はつくづく残酷で滑稽なものだと痛感しましたよ。いつだって幸福は他人の犠牲の上にあって、感傷なんて他人を傷つけたことを忘れることで成立しているだけのもの。僕もあなたもどこかの誰かも。早くそれすら愛すべきものだと受け入れられる日が来ますように、などと考えてしまうのはまだ酔いが残っているからか、いやこれからもずっとラリったまま? 帰宅すると別の友人から悲しくて美しい手紙が届いていて、なおさらそう思ったのです。さよなら、またね。
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この人もそんなことを考える夜があるのでしょうか。庵野秀明公式webサイト。
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10月
5日
(thu)
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新井英樹「The World Is Mine」第12巻、津田雅美「彼氏彼女の事情」第10巻購入。
「The World Is Mine」では薬師寺にマリアと重要なキャラが次々と死んで、12巻目でも全くだれていないのが凄すぎ。細かい描写の良さを書いたらきりがないけれど、やはり塩見率いる山狩り部隊と丸腰のトシモンとの対決シーンでの緊迫しまくった心理描写が最高です。物語は終わりに近づいている感があるけど、まだまだテンションが上がりそうな予感がします。
いままで読むたびに良くも悪くも気恥ずかしかった「彼氏彼女の事情」ですが、この巻は自然に楽しめました。変に深刻な心理描写に流れないほうが、ギャグも含めて作者の持ち味が自然に出ている気がします。修学旅行編のテンポの良さはいままでで一番かも。
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10月
4日
(wed)
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「ガロ」の編集部にお邪魔してきました。暗い雰囲気どころか割とこぎれいに片付いているので、失礼ながらビックリ。蟹江編集長と初対面して津野裕子さんの作品の素晴らしさについて盛り上がり、編集長が電話をしたついでに津野さんと話せたのは予期せぬ幸運でした。そして津野さんと、神保町の材木屋の2階にあった時代の青林堂について話したのです。そう、あそこに僕が行ったのは大学生の頃、津野さんの「デリシャス」を買うためだったのでした。
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10月
3日
(tue)
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この日記のロゴの下に「リンク蔵」という文字列が増えていますが、これはライコスで始まったBlink.comという無料サービスを利用しています。ネット上に自分のブックマークを置けるというアイデア自体は目新しくないのですが、僕が思わずこのサービスに申し込んでしまったのは、HTML文章から全てのリンク先を抽出してブックマークできるという機能のためでした。ええ、この日記のリンク先を月毎にまとめてみるというアイデアを思いついたためなのですよ。
そんなわけで、とりあえず2000年1月から9月分までのブックマークを作成しました。これを見ると僕の趣味や交遊関係がまるわかりです。
あと、ブラウザのブックマークを自動的に読み込んでいくという気持ち悪くて面白い機能や、同じページを登録した他のブリンクとのヒット総数を合計して表示する機能など、むやみな便利さが光っています。でもリンク先抽出機能は、リンク集のパクリとかを容易にしそうでちょい恐いですね。あと、基本的にJava Scriptを使うのが自宅では設定OFF派の僕には不便です。
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10月
2日
(mon)
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新人大特集号の「マンガF」では、伊藤チカの「靴ずれ」の妄想力とそれを支える画力に惹かれました。湿度の高さがいいです。松本次郎と駕籠真太郎が好調なのはいつものこととして、山口綾子が深さを失わないまま読みやすくなっているのは見逃せません。表紙を入れてもたった5ページなんですね、これ。砂の新連載「ポストイディプス」は、異様にして哲学的な砂テイストをぶちかましながら、何かが始まる予感に満ちています。
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その砂と古屋兎丸の対談が、10月1日号のTINAMIXに掲載されています。新刊「プラスチックガール」では、再び古屋兎丸の少女性へのこだわりに驚かれました。
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OUTDEX更新、「small circle of friends」にモシュモシュとzero cultureが加わりました。
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10月
1日
(sun)
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シドニーオリンピックの閉会式は、音楽イベントとして面白かったです。中盤までは出てくるミュージシャンが誰なのかよく分かりませんでしたが、97年にボーカルのMichael Hutchenceが自殺したのに活動を続けていたINXS、むちゃくちゃ政治的なバンドなのでよほどの意図がないとあんな舞台に現れなそうもないMidnight Oil、そしてオーストラリア先住民族のアボリジニによるYothu Yindiが次々と登場した時にはちょっと感激しましたよ。なにせ、まさか出てこないだろうと思った連中が出てきましたから。思わずYothu Yindiの92年作「Tribal Voice」を引っ張り出してきてしまいました。個人的な趣味でオーストラリアのバンドといえばCrowded Houseを思い出しますがもう解散しているし、Neil Finnもそういうキャラじゃないですね。
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