since 14/DEC/96
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8月
31日
(fri)
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阿部和重「ニッポニアニッポン」購入。
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「月刊菊地成孔9月号」、ちょっと感動してしまいました。「人は隠蔽されて出会い、外部に露出して別れる」なんて書く覚悟は僕にはまだまだないし、一生持てないかもしれません。なまじ知り合いの二人の間の出来事だけに、微かな嫉妬さえ覚えてしまいそうなほどの密度の濃さです。
死ぬんじゃないかっていうぐらいに9月はライヴだらけの菊地成孔のスケジュールの把握には、ピクニック・カレンダーが便利ですよ。
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昨日かちゃくちゃくんに「全員中高生でブラスを吹いているアイドルグループがある」と聞いて耳を疑ったのですが…。実在しました、12hitoe。ホワイトベリーの吹奏楽部版か、はたまたスペクトラムの女子中高生版か。正確にはホーンセクションのほかにリズムセクションもいて、メンバーも交替しつつ演奏するので12人以上いるみたいです。
メンバーのうち、黒塗りの和田紗耶香ってキャラクターはどういう仕掛けを企んでるんでしょうか。こんなことをしていても、ソニーからのデビューを控えてるっていうのがまた驚きです。なんか本気で楽しみにしちゃってるんですけど。
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8月
30日
(thu)
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TINAMIXの企画で9月16日に開催される「網状言論F」について、編集部の佐藤くんとかちゃくちゃくんと食事をしつつ話してきました。「網状言論F」は東浩紀さんがホームページ上で展開していた網状書評のトークライブ版で、パネリストは東さんの他に伊藤剛・小谷真理・斎藤環・竹熊健太郎・永山薫の各氏。僕とかちゃくちゃくんはTINAMIXの編集部とはちょっと距離ができていたのですが、今回のイベントに際して声を掛けられて久しぶりに首を突っ込んでみた感じです。
話題はやがて「網状言論F」からTINAMIXの編集作業へ。どちらかというとライター寄りのポジションで活動してきた僕には、雑誌あるいはそれに類するメディアで編集作業をしている佐藤くんとかちゃくちゃくんの会話が面白かったです。昔は僕も一応編集者だったけど、作っていたのは雑誌どころかお堅くて無味乾燥なものばっかりだったからなぁ。
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8月
29日
(wed)
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ここのところ液晶が半分だけ黒くなったり何も表示されなかったり表示がずれていたりと愉快な状態だった携帯電話をドコモで交換してもらって、正常に会話やメール送受信ができるようになりました。買ってから1年足らずですでに同機種3台目。壊しすぎです。
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ゲームショップの中古100円CDのエサ箱を漁って小泉今日子「KOIZUMI IN THE HOUSE」を買いました。89年作だからさすがに音はちょい古いけど、ハウスサウンドと小泉今日子のボーカルの歌謡曲っぽい歌い回しのバランスが面白いです。近田春夫、いい仕事。
Ahh! Folly Jet「Abandoned Song From The Limbo」は、デートコースペンタゴンロイヤルガーデンのギタリスト・高井康生によるソロユニット。昨年出たこのアルバムをずっと探していたんですが、レーベルがHot-Chaだからインディーズだと思っていたら実はクラウンからメジャー流通している作品でした。A.S.D.時代が嘘のようにすごくソウルフルで、意外なほど歌もの。
さねよしいさ子「Gold」の発売元はミディクリエイティヴで、事実上インディーズだけに状況的にはちょいつらそうだなぁ。ともあれ、聴いていると気が触れそうなほど悲痛にして壮絶な名曲「Gloria」が、前作「スプーン」とは違ってよりライヴに近いアレンジで収録されていて嬉しいです。
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8月
28日
(tue)
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ポール・ウィリアムズ著、五十嵐正訳「ブライアン・ウィルソンそしてビーチ・ボーイズ」、大塚英志「戦後民主主義のリハビリテーション(論壇でぼくは何を語ったか)」、吉見俊哉「カルチュラル・スタディーズ」購入。本当は小説でも買おうと思ったんですが、読みたい本がなくて少し淋しい気分になりながらこのチョイス。
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Add Some Musicには、各メンバーのソロを含むTHE BEACH BOYSの歌詞が。BRIAN WILSONの未発売アルバム「Sweet Insanity」の歌詞まであります。今日は海賊盤で「Don't Let Her Know She's An Angel」を50回ぐらい聴きました。泣ける詞なんですよ、これが。
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8月
27日
(mon)
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昨日はカーネーションのライヴに行っていて、自分がモーニング娘。の新メンバー決定なんてすっかり忘れていたことに、「これではモーヲタになれない」と反省しきりです。反省しているのも問題あるけど。
なんかすっかりチャイドルグループみたいだなぁと思っていたら、会社の同僚が「ねずみっ子クラブみたいなもんだよね」。それだ!
個人的には、年下の加入で子供キャラが通用しなくなってしまう辻希美のアイデンティティーの崩壊が心配(=楽しみ)です。
有馬さんから教えてもらったんですが、新垣里沙に関してはさっそくこんな疑惑が浮上しているとか。これも罠みたいなものなのかな。
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露地温さんに教えてもらった「新世紀エヴァンゲリオン」第7巻 限定フィギアセットにも驚きましたが、これを予約するという女子が身近に現れたことにも驚きました。
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OUTDEX更新、「small circle of friends」にerection homo-erectus.・the p-.・ハトは寝るだけを追加しました。あとプロフィールをリニューアル。
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8月
26日
(sun)
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渋谷クアトロで「ムサシノコズミックバスキング Vol.7」。最初に登場したGOING UNDER GROUNDは、はじめこそロックバンド然としすぎていてあまり好みじゃないかも…と思いましたが、演奏もボーカルも巧く、特にメロディーの良さに惹かれました。あと、歌詞が適度に青臭いのが男心をつかみますな。
カーネーションは、冒頭の「ROCK CITY」から黒いフィーリングで貫禄を感じさせます。新曲は「LOW PRESSURE」「レインボウ」の2曲を披露。「ジェイソン」の間奏もエクスペリメンタルで面白かったです。夏の終わりに「THE END OF SUMMER」が聴けて満足。
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8月
25日
(sat)
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僕たちはインターネットに救われました。そんな人々が集まってのオフ会、メンツは向島くん・p-.さん・テルくん・ユウタくん、そして僕。ええ、テキスト系ですよ。
p-.さんには初対面だし、なにより向島くんとテルくんというクセモノが同じ場にいる時点で、「俺、面白いこと何も言えないよ?」と言ってしまうほどドキドキしていましたが、結局同じような業を背負ってネットで出会った者同士だけに居心地が良くなってしまいます。2年ぐらい前にはみんな頻繁にホームページを更新していたけれど、今では毎日更新なんてしている輩は僕ひとり。みんなインターネットについて語っていても、実はもう遠くから傍観しているようでもあります。ユウタくんいわく「僕らは自分について語り続けて、それすらも語り尽くしてしまった」。僕はどうなんだろう?
やや自嘲的なニュアンスも含んで使われる「オフ会」という概念も、そのうちオンライン/オフラインの境界が溶解していけば消滅してしまうことでしょう。それはもちろん、インターネット以前/以後という区分を持たない世代の増加に伴って。「だから結局これもまた平坦な時代の始まりで、つまりはスーパーフラットなんだよ」と帰りの電車で言っていたのはもちろん完全なデタラメなんですが。ただ、僕らは幸せなタイミングでインターネットに出会えたと思うのです。
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今回は初心にかえって参加者全員がオフ会日記を書きます。そのはずです。
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8月
24日
(fri)
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紅茶羊羹さんと初台The DOORSでの「hi-posi presents girls talk」へ。ハイポジ主催で、他の出演アーティストはつじあやの、猫沢エミ、ブラウニー。DJの音がでかすぎたのを除けば楽しいイベントでした。
ブラウニーは、ギター・フルート・テルミンというかなり特異な編成。リズムが太いながらも非常にクールで、耽美的なダブという印象も受けました。各メンバーの演奏やボーカルの技術的な巧さもそういう個性を支えていて、特にテルミンをしっかり演奏できる点には感嘆されられます。ライヴ終了後にアルバム「B FOR BROWNIE #1」を購入。その時にマーブルトロンの関口さんに声を掛けられて驚いたのですが、ブラウニーはマーブルトロン所属のアーティストなんですね。
猫沢エミは本当にその名前が当人を表現しているような感じで、ジャミロクワイみたいな大きな帽子をかぶってタンクトップでタンバリンを叩きながら歌う姿が可愛かったです。彼女はモーマスとMashcatというユニットを組んだそうで、その曲で猫沢なのに「ワンワンワン」と歌っていたのもクラクラさせられました。
トレードマークだったおさげ髪を切って登場したのがつじあやの。本当にボーカルの表現が卓越していて、歌とウクレレさえあればその場が満ちてしまうというのは、穏やかながらもかなり強烈な存在です。涙腺キラーチューン「君にありがとう」も聴けて満足。
そしてラストはハイポジ。岸野雄一の狂ったような歌とダンスや、猫沢エミとのデュエットなども織り交ぜてのステージでした。
終演後、紅茶さん・どいさん・まちださん・ハルヲさん・MASAさんと中華料理屋でガラの悪い飲み会。
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8月
23日
(thu)
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「Quick Japan」Vol.38では、僕はデートコースペンタゴンロイヤルガーデン特集のライヴリポートと、クイック・ジャーナルの加藤千恵記事を執筆しています。デトコペ特集では、ノウエさんと佐々木敦さんの対談も。フリッパーズ・ギター特集のディスクガイドを見たら、かつて自分がネオアコ少年になるべく聴き漁ったレコードが並んでいて懐かしいったらありゃしませんよ。マンガ読み向けには小田扉と沙村広明のインタビューも。
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渋谷青い部屋で、青梅街道派がVJを務めるイベント「LIVE BAR〜How About Lounge Style?」。僕が行った夜9時過ぎには、jellyfishのライヴが始まるところでした。jellyfishは、いろんな要素が微妙なバランスで成立していて、まるでプレアイドルのイベントを観ているような気恥ずかしさと愛おしさを感じさせるグループでした。
続くElektelは、テクノポップだけれど懐古的ではないサウンドが心地よかったです。けっこうラウンジ。ミニムーグ、テルミン、ノートパソコン2台などをステージに並べて、1曲目が「恋の電子ブロック」というのもたまりませんでした。あとMamikoさんがボーカルをとる曲がテクノポップ的な甘酢っぱさを激しく内包していて素晴らしかったです。
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8月
22日
(wed)
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加賀美ふみを「おんなのこ」、落合尚之「ダンデライオン」、こいずみまり「CUT X OUT」購入。加賀美ふみをの「おんなのこ」は、平和出版の単行本でこんなにほのぼのとした表紙っていうのがなかなかのカウンターパンチです。「ダンデライオン」は、人間そのものを洗脳していくコンピュータウイルスをめぐる作品で、知性的な題材と派手なアクション描写が同居する落合尚之の個性がよく表れています。「CUT X OUT」はこいずみまりの短編集で、各作品のページ数が少ないのを差し引いても食い足りない印象のものが多いです。もっとも、前半ではつれない男とのセックスを描いた作品群に食傷気味になってきますが、後半ではバリエーションが広がって同じような設定でも「Murder of love」のような技を感じさせる作品が出てきます。
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8月
21日
(tue)
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「アワーズライト」10月号の「BED ROOM DISC JOCKY」では、広末涼子「RH Remix」とya-to-i「The Essence of Pop-self 1996-2001」を紹介しています。
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ランキング大好き9月1日号増刊「Alice Doll」2001 Vol.1は、ゴシックロリータフッションの少女のスナップ集。1冊丸ごとゴスの写真が並んでいるとなかなか圧巻です。ゴシックロリータの定義については、ここやここの該当項目をご参照あれ。後者の「中世神秘怪奇趣味の『ゴシック』と可愛く幼い少女趣味の『ロリータ』が融合したファッション」という解説が端的にその性格を教えてくれます。
撮影地は、ゴスの聖地だという原宿。ゴス少女の名前は難解な漢字が使われていることが多くて、読み方が分からないのに加え、パソコンでの文字入力の限界にも挑戦するかのようです。そして「Alice Doll」では編集部側が独自の視点で写真をチョイスしているのですが、それは単純な可愛らしさとは別の次元での基準と思われ、門外漢には見抜き難いゴス独特の文脈が潜んでいるのを感じさせます。
基本を押さえるための「ゴスロリの心得」というコーナーもあって、音楽的歴史や、「三種の神器はヘッドドレス・バッグ・日傘」という解説、ブランド情報も。ゴスが広まったのはMALICE MIZERのManaの影響が大きいと聞いたのですが、その彼が主宰するMoi-meme-Moitieはどの商品もけっこうな値段です。やはり飛びこむには覚悟のいるであろうディープな世界だなぁ。
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8月
19日
(sun)
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8月
20日
(mon)
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夏休みの課題図書は、ブライアン・ウィルソン著・中山啓子訳「ブライアン・ウィルソン自叙伝」。というわけで冒頭30ページほどを読んで残り400ページが未読のままだったこの本を読み終えました。
この本のすごいところは、これだけ厚い本を読み終えたところで何ひとつすっきりした気がせず、ある種の後味の悪さを残すほどブライアンを巡る人間関係の泥沼が描かれている点です。癇癪持ちで横暴な父親と、その父親に抵抗しない母親。少年時代のブライアンが殴られ、父親の偽眼をみせつけられ、あげく両親の目の前で新聞紙の上に排便を強要されるエピソードなど、もはや初めの方のページをめくっている段階からして病んだ空気がこれでもかと流れ出してきます。
しかしブライアンは次第に音楽的な才能を開花させ、弟のデニスやカール、いとこのマイク・ラヴ、クラスメイトのアル・ジャーディンと結成したグループがペンデルトーンズ。しかしデビューすると勝手にビーチ・ボーイズに改称されていたのも、その後のグループの難儀な道筋を暗示しているかのようです。グループの人気の上昇と、それに伴って増大するマネージャーである父親やレコード会社からのプレッシャー。20歳代前半にしてそれらを抱え込んだブライアンは、音楽的なインスピレーションを高めるべくマリファナ・コカイン・ヘロイン・LSD・覚醒剤とあらゆるドラッグに手を出し、結果としてインスピレーションも得られないし日常生活も送れない、精神を害した廃人同然の存在に落ちていきます。この転落の勢いのすごさには、傑作「ペット・サウンズ」の制作秘話もかすんでしまうほどです。なにしろ本書の半分ぐらいで、ブライアンはストーンドした状態ですから。
後半では音楽的才能が後退したブライアンが、精神の不安定さのために常にあらゆる物事に脅え、やがてユージン・ランディにより厳しくも特異な治療を受けることになる過程が描かれます。結果としてブライアンは回復したものの、ランディが解雇されると元の状態に逆戻り。そしてランディの再登板となりますが、彼とビーチ・ボーイズ、ブライアンの家族との間に確執が生まれ、さらにレコード会社の思惑や、権利関係の法廷闘争までが加わります。とどめはデニスの水死。見事なほどの泥沼です。
ブライアンは終盤で、ランディとの友情を強く感じながら音楽への意欲を取り戻していきます。ラストは本書の中でももっとも希望に満ちた部分ですが、本書が刊行されてからの展開を見る限り、そうした内容がランディのマインドコントロールの結果である可能性もあり、ラストの明るさも複雑な後味を残すのでした。そして、この自叙伝の書き終えた後に、海賊盤で聴いても驚くほど素晴らしい内容のソロ・アルバム「スウィート・インサニティー」がお蔵入りになったのをはじめ、ブライアンがさまざま紆余曲折を歩んでいくことを考えると、いまだに終わらない彼の物語に気が遠くなっていくのです。9月の来日公演も、本書を読み終えた今ではいろんな意味で味わい深いものになりそうだなぁ。
この自叙伝を貫いているのは、親子関係がもたらす深いトラウマと、それによる複雑な愛憎。そして精神的に未熟な人間がさらに他人を傷つけていく悪循環です。結果としてビーチ・ボーイズに関わる者は程度の差こそあれ、猜疑心と嫉妬と功名心と金銭欲によって身動きが取れない状態に陥っていきます。特に、若くして結婚したブライアンとマリリンについての記述は、マリリンの献身的な優しさもブライアンの自我の崩壊を止めることはできず、ふたりの娘をも巻き込みながら人生に消えない傷を増やしていく様子が痛々しく、本書でもっとも悲惨な部分でした。
「ブライアン・ウィルソン自叙伝」は天才音楽家の自叙伝とあると同時に、異常な親子関係が原因となり傷を背負った個人がやがて自他のエゴの底無し沼に囚われていく過程を描いた記録でもあるのです。
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8月
18日
(sat)
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大泉学園のin Fで菊地成孔・南博のライヴ。池袋からさらに電車に揺られて初めて訪れたin Fは、入ってみると一瞬戸惑うぐらいの小さなスペースで、20人ぐらいのお客さんで席はすでに埋まっていました。
今日のライヴを機に菊地成孔はジャズの現場からしばらく離れると聞いたので行ったのですが、考えてみるとこういうジャズを生でじっくり聴くのなんて初めてかも。金色の管楽器からああいうしなやかな音色が生まれるのを椅子の軋む音やサックスのキーを押さえる時のノイズ混じりに聴いたり、ピアノを弾く指先と手の甲の筋肉の動きなどに目を奪われたりしていると、「やべー、この歳になってこれがジャズの原体験になっちゃうかも」と思ったのですが、そうなっても構わないぐらいに充実した演奏を聴けました。もっとも、僕はモダンジャズの名盤とされるもの一通りと、90年代以降に話題になった新作を少々、そして多少のフリージャズを聴いただけの人間なのでジャズの演奏の良し悪しなんて判断できないんですが、あの小さな会場ですぐ間近で生音を聴けるというのはなかなか贅沢な時間に思えたのです。
今日は、SPANK HAPPYの「麻酔」でコード進行を引用されたコール・ポーターの曲も聴けて良かったな。そして菊地成孔のウイットとデタラメ混じりのMCもね。
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8月
17日
(fri)
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SPOOKY RUBEN「BRUNCH」は、ひねくれブリティッシュポップの精神を受け継ぐカナダ人の新作。TORTOISEのJOHN McENTIREが1曲でプロデュースを担当しています。以前までの宅録的な方法論は影を潜めて一気にバンドっぽいサウンドになっていますが、メロディーが冴え渡っていて相変わらず魅力的です。
今頃になってCHARA「LEMON CANDY」も購入、なんか耳から離れないので。作曲は岡村靖幸。
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8月
16日
(thu)
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クレイジーケンバンド「青山246深夜族の夜」は、昨年末に発売されたライヴ盤。SPANK HAPPYライヴでの「瞳ちゃん、CDでも聞く?」タイムで流されていた「セプテンバー」が聴きたくて購入しました。ゲストの野坂昭如が「マリリン・モンロー・ノー・リターン」で登場する時の客のむやみな盛り上がりがすごいです。クレイジーケンバンドの演奏も、前作「ショック療法」よりライヴの方が活きが良くて楽しめます。
なかなか現物にお目にかかれなかった栗コーダーカルテット「鉄道ワルツ」もやっと買えました。以前一度ライヴで聴いただけでメロディーを覚えてしまったほど気に入った「うれしい知らせ」が収録されていて、うれしい。
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8月
15日
(wed)
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加藤千恵を囲んでイワキリさん・梅本さん・渋谷さんたちと食事。歌人の天野慶さんとも初めてお会いしました。僕は短歌の世界のことを知らないためにたくさん失礼なことを質問をしてしまった気がして恐縮です。そして天野さんが帰っていった後にひとり残された彼女のお友達のRAIさん(元ヒッピーで詩人)には、「打ち解けようぜ!」とか言いながら同じテーブルの僕と千恵でもっと失礼なことを言い続けてしまいました。許されることがあるなら、いつかまたモンゴルで。
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8月
14日
(tue)
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Cornelius「Point Of View Point」は9月5日発売の1曲入りシングル。アコースティックギターがリズムを刻み続けるんだけどテクノみたいな、かなり不思議な感触の曲です。そしてシングルとは思えぬつかみどころのなさ。公式ページではビデオクリップをフルで観ることができます。
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8月
13日
(mon)
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朝の駅への道も電車の中もどうも空いていると思ったら、お盆なんですな。自分が働き続けているので忘れてました。そんなわけで夜の新宿も人が少なめで、ロフトプラスワンでの枡野浩一・加藤千恵「ハッピー5☆7☆5☆7☆7」の客の入りはどうなのかと思っていたのですが、かなりの盛況でした。というか驚くほどでしたよ。
枡野浩一さんのよどみないトークはさすが場数を踏んでいるだけのことはあるとして、ロフト初出演のはずの加藤千恵のあの堂々としてあがっている空気の微塵もない話っぷりはなんだったんでしょうか。僕なんて途中で紹介されてマイクを渡されただけで、緊張の反動で笑っちゃっていたのに。イワキリさんが壇上横でカレーを食べながらビデオを操作しているし、最初の方はイワキリ邸での飲み会がロフトで開催されているようで可笑しかったのでした。
それにしても加藤千恵が周囲から背負っている期待は、「17歳の少女」への誤解と思われるものも含めてすごいなぁと実感。そして千恵がそれをわりと余裕で受けとめていくだろうことも予想されたのでした。
今日は歌人がたくさん集まっていたようで、終了後の会場は大規模なオフ会のようでした。会場に町田ひらくや松尾スズキが来ていたのは意外だったなぁ。吉村智樹さんや玲はる名さんにも初対面、吉村さんが僕の名前を知っていてくれたのにはちょっと感激。
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広末、「よさこい」にプッツン参加。しばらく何をしても「プッツン」呼ばわりされ続ける模様です。いや、本当にそうなのかもしれないけれど。
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8月
12日
(sun)
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今日が夏コミ最終日だというのに、今回のコミケについては結局カタログも買わないほど冷めたままでした。95年以来欠かさず夏冬と足を運んできたのが嘘のようで、自分でも驚くほどです。
横浜寿町フリーコンサートかFUTURETRON SAMPLER NIGHT
のどちらかには行きたいと考えていたけれど、どうにも気分が晴れず身体も動きませんでした。心身ともに限界なのかなぁ。
そんなわけで、友人が教えてくれた誰にも公開しないつもりで書いた日記ページ156日分と、別の友人が読ませてくれた初めて書いた小説163KBを心穏やかに読んで過ごしました。
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8月
11日
(sat)
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恵比寿ガーデンシネマでスティーヴン・M・マーティン監督「テルミン」。世界初にして不思議な電子楽器テルミンを通して、冷戦下のソ連に翻弄される科学者レオン・テルミンの運命と、神技のようにテルミンを演奏するクララ・ロックモアと彼の恋を描いた素敵なドキュメンタリーでした。
関係者の証言と古いフィルムや写真、新聞記事で映画は構成されていき、ロバート・モーグ、ブライアン・ウィルソン(テンションが高すぎて危険)、トッド・ラングレン、リディア・カヴィナなど、その筋には豪華なメンツが登場します。特に、クララの誕生日に近づくと回転するケーキをテルミン博士がプレゼントするモノクロの映像がロマンチックです。
そしてこの映画の空気が突然締まり始めるのが、ニューヨークからソ連に誘拐されて以降、生死もわからなかったテルミン博士が老いた姿で登場する場面から。すでに90歳を越えた彼は、科学者を求めていたソ連によって連れ戻され、軍事や諜報活動のために働かされてきたことを淡々と語ります。
彼は誘拐されて以来約半世紀ぶりにニューヨークを再訪するのですが、泣けるのはこの部分の心憎い編集です。大学での受賞、旧友たちとの再会、演奏の実演、人々からのスタンディングオペレーション。その映像と交互に挿入されるのは、ニューヨークを走る車の中で白い光を浴びているテルミン博士の姿。そしていつの間にか彼はカメラの前で眠り始めます。バックに流れるのはクララが演奏するテルミンの音色。ええ、まずここで泣きそうです。
クライマックスはテルミン博士とクララの再会。何十年ぶりかに再会し、お互いにすっかり老人となった2人はこんな会話をします。
「私が誰だかわかる? 髪型を変えたのよ。」
「背が伸びたね。」
「そうよ成長したのよ。」
そういう問題じゃないだろと突っ込みを入れたくなる会話ですが、そんな的外れな会話に、気が遠くなるような取り戻し難い時間を感じてまた泣けてきたのでした。
テルミン博士はクララと恋に落ちていたのになぜ他の女と結婚したのか、そしてクララはどう思いながら他の男と結婚したのかなど、描かれ足りない部分があったのも確かです。あと、ふたりの国籍の部分とかやや説明不足。でも、国家や時代のために数奇な人生を送った人間を描き、複雑な余韻を残しながらも、少しだけ暖かな気持ちを残してくれる作品でした。
あとプログラムもよく出来ていて、小冊子2冊と配電図ポスターのセットという形態。冊子のひとつは映画解説、もうひとつは竹内正実監修によるテルミン解説でした。
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帰りがけに石橋楽器で、石橋楽器モデルのテルミンをいじらせてもらいました。面白いなぁ。ただこの14800円の機種だとちゃんと楽曲の演奏まで可能なのか店員に聞いてもはっきりしないので、購入は見送り。
ちなみに竹内正実は石橋楽器製のテルミンを明かに認めてなくて、「イーサーウェイブテルミン以下はもうない」と語っています。モリダイラ楽器が扱うこのテルミン、9万円です。うーん、テルミンは安く買いたいけど、買うならちゃんと演奏も出来るほうがいいしなぁ。でもこれ、フレットも鍵盤もないんだから絶対音感がないと習得は難しそうですねぇ。
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「テルミン」を観てから、ノウエさんが参加している渋谷アップリンクファクトリーでのフリーマーケットへ。ビル5階の部屋でフリマ。僕はプレゼント用に矢野顕子「Super Folk Song」と玉置浩二「JUNK LAND」を、自分用にMAUREEN TUCKER「LIFE IN EXILE AFTER ABDICATION」を買ったのだけれど、食事の時に確認したらMAUREEN TUCKERにはなんと中身が入ってなくて(これはノウエさんは無関係)殺意すら湧きました。アップリンクファクトリーに電話したら返金するといってたけど、聴くのが楽しみだっただけに映画とは別の意味で泣けてきました。
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8月
10日
(fri)
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「レコード・コレクターズ」9月号はGEORGE MARTIN特集。頭脳警察の特集記事もアルバム・ガイドが便利です。それにしても広告の榊原郁恵ボックスセット「郁恵自身」が気になるなぁ、これがコロムビアからの発売で商売として成立するところとか。
僕はTHE BEATNIKS「M.R.I. Musical Resonance Imaging」のアルバム評を書いています。
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8月
9日
(thu)
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南Q太「夢の温度 [はる]」は、事実上の「夢の温度」第3巻。主人公のはるの周囲の人間関係をさりげなく、でも過不足なく描く第1話を読むと、いまさらながら巧い人だなと思います。惣冶と付き合いながらも実の兄を好きなはると、彼女の気持ちを知っている惣冶との距離は縮まったり離れたりで切なく、特に惣冶がはるに抱っこさせてくれと頼んだり、すねて無口になったりする描写が秀逸です。他のキャラを話の中心に置かずに、もうちょいはると惣冶の関係に絞っても良いのではないかと思いますが、物語はしっかり進んでいます。高根と坂田もいいキャラ。
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8月
8日
(wed)
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広末涼子「RH Remix」は8月29日発売。見本盤が届くのが遅いと思っていたら、前情報で伝えられていたナンバーガールは参加していませんでした。でもSTEREOLABが参加しているので度肝を抜かれましたよ、どういう展開なんだ。広末涼子の歌う岡本真夜の曲「明日へ」をSTEREOLABがリミックスするなんて、21世紀っていろいろ起きるものですねぇ。他のリミキサーでは、會田茂一・くるりの岸田繁・SPANOVAあたりが面白いです。
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8月
7日
(tue)
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楽しい科学6日分で紹介されているモーニング娘の写真集「ハミルトン・アイランド」のCM動画、いい色合いだなぁ。あと、有馬さんのところに置かれている「ザ☆ピ〜ス」でのビデオも、モンティ・パイソンのフィルムと曲があんまり合っているので、最初に見た時は撮り下ろされたのかと思いました。
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ほぼ日刊イトイ新聞の「るみこですわ。」、13ヶ月ぶりの更新。
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「アワーズガール」No.04購入。小石川ふに作品が2本同時に掲載されています。藤原薫は相変わらず不穏にして痛々しいファンタジー。
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8月
6日
(mon)
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坂本美雨によるムーンライダーズのカバー「黒いシェパード」を聴いたところ、クラシックの人がポップスを歌ったみたいに朗々と歌っているのでわりと面食らいました。アレンジが岡田徹で原曲に近いからなおさら。あと遅い話題だけど、彼女の「ひとつだけ」では矢野顕子がコーラス、坂本龍一がアレンジという形で親子共演をしているのですね。大昔、テレビで坂本龍一が子供のうち兄には音楽的才能があるが妹の方にはないと発言していたなぁ、と不意に思い出しました。
大木彩乃「夢をみるヒト」は8月22日発売。強烈な個性があるわけじゃないけれど、抗い難いスタンダードな魅力を持ったソングライターにして歌手だと改めて感じます。
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8月
5日
(sun)
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ディズニーランドのある舞浜って浦安市だったのか、と知ったのは浦安駅で迎えの車を待っている時になって。会社のみんなで遊びに行った同僚の家は、マンションが立ち並ぶいかにもニュータウンっぽい街にありました。ベランダから海が見えれば、僕は持参したウクレレの練習を頼まれてもないのに始めます。しっかし同い年の人がこうやって家庭を持ってあと2ヶ月もすれば父親になる現実を目の当たりにするといろいろ考えちゃいますね。明日には忘れるんだけど。
間接照明、コーヒーメイカー、手作りの夕食、居間のコンポから流れるクラシック。家庭とは幸福とは美味しいカレーとは。と、考えていたのはやはり独身で同い年の女の子も同じだったみたい。
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8月
4日
(sat)
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雁須磨子「ピクニック」購入。「春なのに」「あこぎなたましい」の微妙な「あの時しておけば…」感がせつないやね。
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ya-to-i「The Essence of Pop-self 1996-2001」は8月22日発売、山本精一・岡田徹・伊藤俊治によるユニットのやっと出たデビュー作。酸いも甘いも知った上で、それでもロマンティシズムが過剰に溢れるテクノポップでした。
あと昨日ライヴ会場で買ったデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンの「REPORT FROM IRON MOUNTAIN」はライヴの直後に聴くと物足りなかったけれど、一夜明けて聴いたらすごく良かったです。グルーヴと緻密な構築感がともにあって。物足りなさを感じたのは、単に最近のライヴがそれ以上に良すぎるからでしょう。
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8月
3日
(fri)
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渋谷クアトロで「FREAK FROM FREAKOUT」。出演はUNIVERSAL ERRORS、デートコースペンタゴンロイヤルガーデン、ASA-CHANG&巡礼、BUFFALO DAUGHTER。UNIVERSAL ERRORSはCDで聴くよりずっと良かったです。デトコペはたった40分の中によくあれだけ実験性とフロア志向をともに提示できるものだと関心。ASA-CHANG&巡礼はテープ使いすぎであんまりライヴって感じじゃありませんでした。ハバナエキゾチカ時代から聴いていたわりには初めてライヴを体験したBUFFALO DAUGHTERは、最初はあまりに音が荒いのでこんなに危なっかしいバンドだったのかと驚きましたが、終盤は深い深いサイケの森の中へ誘い込むような展開に。
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8月
1日
(wed)
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今日マーブルブックスから発売された「加藤千恵処女短歌集 ハッピーアイスクリーム」が送られてきました。ノートを模した装丁、でも基本色はピンク。タイトルの「処女」の部分がピンクで強調されているのには、ある種の露悪を感じて笑いました。
中身もノートの罫線が引いてあって、ときどき本物のノートのコピーやら写真やらが挿入されています。ひとつの短歌の中でフォントサイズを変化させているのは過剰演出気味で僕の好みではないなぁ。でも、紙面での短歌の配置の工夫とかは彼女が主宰する短歌ミニコミ「ハッピーマウンテン」のノリに近くて、この本に掲載される短歌のリストを先に見せてもらった時とはまた違った印象を受けたのでした。
この短歌たちが届くべき人々の元へ届きますように。初単行本おめでとう、千恵。
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