since 14/DEC/96
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9月
30日
(sun)
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シネスイッチ銀座で、ホセ・ルイス・クエルダ監督「蝶の舌」。主人公の少年が敬愛していた老教師が、スペイン内戦の勃発とともに共産主義者として右派に連行されるまでを描いた映画です。最後の少年のセリフに様々なニュアンスを込めるラストはやや唐突であっけない感じもするし、あれだからこそいいような気もします。森の中の映像がとにかく美しい作品でした。
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清野栄一「デッドエンド・スカイ」、藤野千夜「夏の約束」、石川純一「宗教世界地図」購入。CDは金延幸子「み空」を。
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買ったままずっと読んでなかった魚喃キリコ「blue」をいまごろ読み終えました。本を閉じてから、いやページをめくっている最中にも、あまりにヘヴィな思いが巡って何も言えなくなっている自分に気付いて「やべぇ」と苦笑。
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9月
29日
(sat)
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気がつけば10月7日のTGV vol.8 "conspirators of music"まで10日を切っています。会場は早稲田のJerry Jeff、16:00から22:00まででチャージはワンドリンク付きで1000円。ロック喫茶のゆったりとした雰囲気の中で、僕も最近のお気に入りの曲ばかりを流す予定です。飛び入りDJも募集していますので、CDやレコードを持って気軽に遊びに来てください。いつのまにやらTGVは2周年を迎えます。
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今日も秋晴れ。明日は雨らしいので、こんな9月の空も見収めのようです。クレイジーケンバンドのマキシシングル「せぷてんばぁ」は、ライヴ盤「青山246深夜族の夜」にも収録されていた「センプテンバー」のスタジオ録音版。今週号の「週刊文春」の「考えるヒット」では、近田春男がインディーズ流通のこのCDをメインで取り上げて絶賛しています。横須賀線や鎌倉の海をキーワードにしつつ、抑えきれない愛情とかすかな恨みを歌い上げ、失恋という設定のベタさも忘れさせて切なさだけを残す名曲。9月は胸に来ますね。
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9月
28日
(fri)
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金木犀の匂いってどこからするんだろう、なんて考えたこともなかったので不意にそう聞かれてもわかりませんでした。そもそもどんな花だっけ? 少し湿気の減った冷たい風が心地よく、子供が生まれた同僚へのプレゼントを買いにオモチャ屋に向かう僕らは陽気で、それは買い物を終えてタイ料理屋で食事をしている時にも続きました。開け放たれた窓のそばのテーブルで昼の光を浴びながらデジカメで写真を撮り合って、笑いながら「さわやかじゃん!」。
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夜、ラフォーレ原宿でTokyoLomoHeads主催の「Camera Vale Tudo 2001」。取り壊されるホテルのすべての階の壁という壁を写真で埋め尽くした昨年のイベントとは一転して、今回はホールの中央に組まれた櫓に何台ものプロジェクターを乗せて周囲360度のスクリーンにVJの映像や写真を映し、さらにDJが音楽を流すという試みのイベントでした。DJは今夜からなんとU.F.O.のメンバーが出演していて、今夜は矢部直。選曲もつなぎもさすがでした。
ただ、VJでテロ事件のニュース映像が何度も流れていたのには違和感が。日常を切り取るセンスとそれを圧倒的な量で見せていく手腕と勢い、つまり何の変哲もない風景をカメラのフレームで切り出すことによって何かを生み出すエネルギーにこそ僕はTokyoLomoHeadsの魅力を感じているので、テロ映像のような過剰なほど意味を持つ素材が混入してしまうと、VJのセンスの安直さに苛立ちすら感じてしまうのです。しょうがないので、他のスクリーンに映写される女の子のヌード中心のVJを見ていましたよ。
その他にも写メールで撮影された写真のコラージュが何台ものiMacにゆっくりと変化しながら表示されたり、会場のスキャナーで身体などをスキャンするとそれがVJなどに反映されたりする趣向も。すでにロモというカメラの枠を飛び出したイベントになっていました。
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9月
27日
(thu)
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ERNEST RANGLIN「MODERN ANSWERS TO OLD PROBLEMS」、ANI DIFRANCO「REVELLING/RECKONING」購入。ジャマイカのギタリストであるERNEST RANGLINは意外にもレゲエっぽさはあまりなくて、TONY ALLENやCOURTNEY PINEが参加したサウンドはアフロやジャズの要素が強いです。ANI DIFRANCOはフォーキーにして予想以上にファンキー。凝ったブックレットといい、2枚組29曲収録というボリュームといい、しばらく楽しめそうです。
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9月
26日
(wed)
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まだTシャツで過ごせる秋晴れの空の下、ダイビング雑誌を片手に同僚たちとカフェロドニーへランチに向かいます。店内はキャラクターに埋め尽くされていてファンシー極まりなく、流れているのはROUND TABLE。あざといぐらいにピッタリな選曲だなぁ。そんな場所でダイビング雑誌をめくっていると自分が洒落た人間のような気がしてきたのですが、それを口に出したらその場にいた全員に即座に否定されました。ああ、僕がダイビング雑誌を持っていたのはモーニング娘。がグラビアに載っていたからだったっけ。
帰り道は鉄柵で車が通れない狭い裏路地を抜けて、雑草の生い茂る古い公団住宅の脇を通り、神社の境内へと出ます。そしてまた秋空。あの映画監督の名前、誰だっけ…と思い出せない女の子は結局そのままオフィスに戻ることになりました。だからティム・バートンだってば。
今朝は近所の育児所から聞こえてくるオルガンの音色と子供たちの歌声で目を覚ましました。世界は美しいと思いました、両目が向いていたのは天井だったけれど。
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ロドニーのデザイナーであるロドニ−・グリーンブラットはニューヨーク在住で、テロ当日の模様もメッセージで紹介されています。そして彼によるチャリティーTシャツも販売されていて、今日のランチのメンツがこれを買おうと盛り上がっていたのですが、こういう場合には単純にデザインが気に入らないので欲しくないとは言い出しづらい何かの力が働きます。それと拮抗するのは、こういうTシャツを買う行為に満足して自分を「免罪」したくないというごく個人的な自戒でもあるのですが。
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毎日新聞の記事、アフガンの女性人権団体から日本の支援者に。アフガン女性と子どもを支援する会のページのRAWAが語る北部同盟とタリバンを読むと、たとえ外国の支援で北部連合が優勢になったところで素直には喜べない現実に気付きます。RAWA(アフガニスタン女性革命協会)のページは、画像だけでもどうぞ。
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去年の今頃は何してたっけ。ああ、そういえば。
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9月
25日
(tue)
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みなみらんぼうのポスターがなぜか店中に貼られた渋谷の飲み屋で、山下スキルさんとフミエとで飲んできました。僕と山下さんは初対面で、しかもこの日記をスタートの頃から読んでいたと言われたのでドギマギしちゃいましたよ。
今日は山下さんと、BRIAN WILSONなどについてインドアポップス派トークに花を咲かせる予定だったのですが、フミエの酔っ払いトークに場を豪快に持っていかれました。「なんで日本ではTHE BEACH BOYSのファンって男ばかりなの? なんで煙草を吸う男の子でも彼女には煙草を吸わせたがらないの?」。…うん、きっとそれは日本の男が一人の例外もなくマザコンだからなんだよ。そんな彼女に僕は突っ込み続けていたので山下さんの目には悪人に映ったかもしれませんが、そんなことはない、はずです。
会計の時、レジで店のあんちゃんが「この店にはよく芸能人も来るんですよ、あれ、誰だったかな、富澤一誠とか」。世間的には彼が芸能人かどうかは厳しいところだと思いますが、僕と山下さんにはウケました。
あと店内でキリンジの「Drifter」が流れてきて、家に買ってまた聴き返したらこれがしみるしみる。「みんな愛の歌に背つかれて/与えるより多く奪ってしまうのだ」とは、たまらんよまったく。キリンジの堀込泰行は72年生まれで、今日集まった3人も72年生まれなのでした。またあの店、行きましょう。
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9月
24日
(mon)
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RACHID TAHA「MADE IN MEDINA」、juana molina「SEGUNDO」、オムニバス盤「チェコ ポップ・ミュージックへの誘い」購入。RACHID TAHAはアルジェリア出身でフランスで活動するシンガー、90年の「Barbes」以来10年ぶりに聴きました。90年前後は一番ワールドミュージックが商業的に盛り上がっていた時代だと思いますが、もう10年も昔なのかぁ。juana molinaはアルゼンチンのポストロック? ほぼジャケ買いですが、こんなアーティストがアルゼンチンにいたのかと驚きました。スリーヴに書かれている2種類のURLは、どっちもコンテンツがまだ無いという謎のアーティスト。「チェコ ポップ・ミュージックへの誘い」は北中正和選曲によるチェコ音楽の編集盤です。
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9月
23日
(sun)
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連続で襲ってきていた原稿の締切をやっとくぐりぬけたので、よく眠れるようになったし苦笑いも復活。MICHEL LEGRAND「Les Demoiselles de Rochefort」、Ahh! Folly Jet「Abandoned Songs From The Limbo」、Flipper's guitar「Colour Me Pop」をそれぞれの17歳に。
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9月
22日
(sat)
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渋谷クアトロでデートコースペンタゴンロイヤルガーデンのアルバム発売記念パーティー「アイアンマウンテン報告ライブ」。
エレベーターで栗原正己さんに会ってから入場すると、BOATが演奏中。非常に骨格がはっきりしていて、リズムの処理が面白く、適度に叙情的なポップさがあり、そしてとにかくエネルギッシュで音がでかい。基本的にビートに重心が置かれた音楽で、今日の出演者の中では一番普通のロックっぽくて損をしちゃった面もあったかもしれません。最後にギターを壊していたのには笑いました。ワンマンライヴで壊せよ、もったいないから。
PANIC SMILEは、80年代のポプコン出身バンドみたいな名前で損をしていると思いまが、軽いポップスでもやりそうなバンド名とは裏腹に、変拍子とよじれた演奏が絡み合う奇妙なサウンドでした。時にリズムはミニマルっぽく、かと思うとギターがハードロックみたいになったり、大変なことになっているバンドです。
デトコペが出てくるまでのDJはCaptain Funk。曲同士のどこがどうつながっているのか判然としないさすがのプレイでした。
今日のデトコペはひとり欠席でパーカッションに三沢いずみが参加。「ステインアライブ」という曲を演奏しているのを初めて聴きましたが、ビージーズの同名曲かどうかはちょっとわかりません。菊地成孔のキーボードがよく鳴っていて、演奏が盛り上がっている場面で笑いながら鍵盤を弾く姿が狂人っぽかったです。あと、客の盛り上がり方がそこらのロックバンドよりもすごくて、雄叫びがそこら中から上がっていました。何かやってるだろってぐらいに。
アンコールは「ひどいことになってるね。安っぽくて泣きたくなる話だ。踊ろう」というような菊地成孔のMCに導かれて「ミラーボールズ」。この曲の旧名はもちろん「安っぽくて泣きたくなる話」で、僕も自分の抱える「安っぽくて泣きたくなる話」を思い出すことになりましたとさ。
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正直なところ、菊地成孔さんがこの世界情勢に対して言う「闘うな、でも逃げるな、踊れ」ってのはよく意味が分からないんですよ。月曜日に会った時もそれを言おうとしてうまく言えなくて、「テロどうよ?」なんて大雑把な質問しちゃったんだけど。ライヴの間も踊りながら考えごとばかりしていました。
ただまぁ、なんとなくHARD CORE PEACEな気分でいたいやね。せめてこの日常生活では。ねぇ?
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あと、本日の特記事項としては会場にSPANK HAPPYの岩澤瞳ちゃんが来ていたことが挙げられます。そして彼女について書かれたぶーさんのエッセイ「バナナの皮の優雅な使用法」。
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9月
21日
(fri)
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やまだないと「Yの思い出」、遠藤浩輝「EDEN」第6巻購入。
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よしきさんから教えてもらった、テロ発生時にニューヨークにいたMOMUSのエッセイ。Talking Headsの「Life During Wartime」がこういうニュアンスで引用される日が来るとはなぁ。
MOMUSは「Life During Wartime」のライヴ映像を「Stop Making Sense」のDVDで見たようで、考えてみたら僕もこのDVDを買ったまま通しては観ていませんでした。「Life During Wartime」でのDAVID BYRNEのクネクネした踊りはやろうと思ってすぐにできる部類のものではなく、これは振付や練習をした末のものなのかと目を奪われます。
ニューヨークを活動の拠点にしてきたDAVID BYRNEは今回の事件になんてコメントをしているのかと思いましたが、公式ページには特に何もありません。でも、ライヴが中止になるといった影響は受けているようです。
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ノウエさんの掲示板で知った、テロに関してのシュトックハウゼンの失言騒動。よくわからないんだけど、本当はどういう文脈で発言したのかなぁ。
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9月
20日
(thu)
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「アワーズライト」11月号の「BED ROOM DISC JOCKY」では、小島麻由美「My name is blue」とCocco「ベスト+裏ベスト+未発表曲集」を紹介しています。
「こもりうたのおわりに」という読み切りを描いている中前英彦って、あめかすりだよなぁ。とてもとてもナーイヴな物語と、暖かくもさっぱりとした絵柄、そしてちょっとアヴァンギャルドなコマ割り。あめかすり名義の旧作を読み返してみようと思いました。
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9月
19日
(wed)
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次のTGVは10月7日。飛び入りDJの「共犯者」を募集中です。
それとはまったく無関係に何度見ても味のある画像。
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「MUSIC MAGAZINE」10月号では、小林健樹のアルバム評と「フリー・フォーム・フリークアウト」のライヴ評を執筆しています。
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東浩紀がテロ事件をめぐる情況に関して近況で言及。日本のサブカルチャーの変化はアメリカニズム=動物化によるものだという構図を提示しています。
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9月
18日
(tue)
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夜、トモミチくんと密会。「とっておきのプレゼント持ってきたんですよ」と、板坂剛の本「[X-JAPAN] YOSHIKIとその時代」と、DA PUMPの「DA BUZZ DA SOUND」と書かれた青いミニバッグをくれました。いろんな意味で泣けたよ、ありがとう。
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氣志團のライヴ動画。評判通りのいかれたステージですが、思ったより芸人臭いですね。
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佐野元春が、テロ事件に向けた新曲「光」の無料公開を開始。たぶんこれは売名とか自己演出とかいう批判も受けるでしょう。歌詞も決して具体的に何かを主張するというより願いを淡々と表現するもので、「憎しみの鎖断ち切るまで」という歌詞に共感しつつもそれは単なる理想論ではないのか、そこに現実に対峙するだけの力があるのかというもどかしさが残ります。ただ、彼がそんなことを百も承知の上で、それでも音楽という表現に絶望せずあえて祈りを歌っているのなら、僕はそれ相応の敬意を払いたいです。彼は彼として必死に彼の「イマジン」を歌っているのですから。
…と書いてから追加。Beltorchiccaで知ったんだけど、「イマジン」がアメリカのラジオで放送自粛!? ちょっと待ておい!
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そうね、僕はせめて日常生活ではピースに振る舞いますよ。この世界情勢に比べたら、たいした戦場じゃない。Love and Mercy。
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9月
17日
(mon)
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BRIAN WILSON、心配されていた通り来日公演延期だそうです。キョードー東京から電話が掛かってきちゃいましたよ。
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青山CAYでプロデューサーユニオンという会社のパーティーがあって、そこにSPANK HAPPYが20分ほど出演するというので行ってきました。なんかその名の通り音楽業界のプロデューサーをはじめとする業界人が集まっていたようで、スーツ率も意外な高さ。
司会らしき桜井鉄太郎とサエキけんぞうに紹介されて登場したSPANK HAPPYは、去年の登場当初と同じように二人ともヘッドフォンをして間にCDJなどの機材を置く原点回帰スタイルでした。1曲目は新曲で、サックスがブイブイ鳴りまりとてもディスコっぽいキャッチーな曲。続くMCでは「プロデューサーユニオンの皆さんこんばんは、皆さんの力でIT革命を成功させてください」みたいな菊地成孔の文章を岩澤瞳が読み上げたのですが、会場からの反応はほとんどありません。そう、あの場ではSPANK HAPPYのライヴにつきものの苦笑すらなかったのです。なにしろ、前の方の客は「ふんふん」という感じでじっと曲を聴き、大部分を占める後の方の客は飲食と名刺交換に夢中で、音楽なんて聴いちゃいなかったんですから。
2曲目はデビューシングルに決定した「インターナショナル・クライン・ブルー」。歌い終わるとマドンナとマイケル・ジャクソンをネタにしたMCになりましたが会場は…。そして最後の「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」は、ブランド名のみならず大幅に歌詞が変更されていました。
終了後、「Quick Japan」の北尾編集長と合流。「やりにくかった、聴いていないし」とは瞳ちゃんの弁で、「まぁしょうがない、パーティーってのはこんなもんだ」とは菊地さん。お疲れさまでした。会場の雰囲気になじめるわけもない僕は、おとなしく会社に仕事をしに戻りました。
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9月
16日
(sun)
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池袋メトロポリタンプラザで網状言論F。会場に入るなりパネリスト席には斎藤環のパネルが置かれていて、ハワイにいた彼がテロの影響で帰国できなかったことを物語っていました。手伝おうと早めに行ったものの、無数の回線が床を這うサイバーな設営風景を前に僕はなすすべもない感じ。結局斎藤環は国際電話(イベント中つなぎっぱなし)で出演したのですから、TINAMIX側の意気込みがイベントの規模を超えていました。
イベントは各パネリストが発表を行なう形式で進行。まずひとつの軸は、東浩紀が唱える「大きな物語」を喪失した後の文化のデータベース化と「動物化」です。竹熊健太郎はそうした動物化に対して、「偽りの大きな物語」が与えられた場合にファシズムに吸収されかねない危険性を指摘(するはずだったけれど時間切れ)。伊藤剛は「萌え」の概念を詳細に検討した上で、「大きな物語」喪失後の情況を予測していました。彼によると「ピティ」ってのは「優しく抱きしめてあげたくなる」という感覚だそうで、いい言葉を聞きました。
もうひとつの軸は、斎藤環による戦闘少女の精神分析。これは国際電話で短時間に話すにはやや情報量が多すぎた感じです。永山薫はそれを受け、日本のエロマンガの歴史を踏まえた上でオタクのセクシャリティーの変化について解説し、小谷真里はオタクのジェンダーを分析していました。
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打ち上げは豪華なメンツの揃った飲み会でした。というか隣の席がコミケ代表の米澤嘉博さんだと、一度会ったことがあるとはいえ緊張します。初めてお会いしたはいぼくさんの筋金入りのメガネフェチぶりにも圧倒されました。
そして僕は、キャラクターに対する「萌え」とモーニング娘。に対する「萌え」の差異について真剣に考えていました。ちなみに周囲の意見は「同じでしょ」。しばたさんが言っていた「モ娘。=シスター・プリンセス」説は今後の検討課題とします。
参加された皆さん、お疲れさまでした。
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9月
15日
(sat)
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布谷文夫「立ち眩みLIVE」は、99年(1曲だけ2000年)のライヴ音源。ソロアルバム「悲しき夏バテ」やDEWの曲はもちろん、はっぴいえんど・THEM・坂本九・三橋三智也のカバーも。特に「達者でナ」では、日本に土着化したブルースを聴くことができます。
深夜から翌朝まで松本充代さんのホームページ開設1周年チャットに参加。彼女の青林堂の単行本をコンプリートするために古本屋を回った昔を思い出して、こういう状況を不思議に思ったりもしました。チャットに参加された皆さん、どうもでした。
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この日記の本体であるOUTDEXのカウンタが静かに30万を越えました。訪れてくれる皆さんに感謝。この日記以外はあまり更新しなくなっちゃいましたが、「small circle of friends」はちょこちょこ更新して行く予定なのでこれからもよろしくお願いします。
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9月
14日
(fri)
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けれど結局のところ僕らはパーティーを続けます。8回目にして2周年記念となるTGVは、題してTGV vol.8 extra edition "conspirators of music"。会場は、かつてTGVがスタートした早稲田のロック喫茶・Jerry Jeffです。SPANK HAPPYを迎えた前回までの拡大路線(?)は小休止して、今回は番外編として古巣のJerry Jeffでよりリラックスしたムードでお送りします。日時は10月7日の16時から22時まで、ドアチャージは1ドリンク付きで1000円。もちろんDJはいつものハルヲ・MASA・オザワ・まちだ・ムネカタです。すべての人にポップミュージックの至福を。
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鬼束ちひろ、「爆破」という言葉が出てくる新曲「infection」のプロモーション自粛。BRIAN WILSON、公式ページの掲示板でテロ事件ついてコメント。菊地成孔はイラつき続けています。
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上野千鶴子「発情装置」、本橋信宏「フルーツの夜」購入。
web現代のガイナックスが次世代アニメ標準だ!。けっこう長い山賀博之のインタビュームービーがあります。
慎吾ママの「慎吾ママの学園天国−校門篇−」は今回も小西康陽プロデュース。カップリングの「慎吾ママのおはロック音頭」はかつての大瀧詠一の音頭路線へのオマージュのようないかれた仕上がりです。
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9月
13日
(thu)
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国家間の戦争じゃなくても互いに攻撃をしていれば立派な戦闘状態だし、そもそも98年のケニアとタンザニアのアメリカ大使館へのテロの報復としてアメリカはすでにアフガニスタンのタリバンにミサイル攻撃をしているわけですから、昨日書いたことも我ながらのんきな話です。「戦争」が始まるわけではなくても、すでに戦闘はずっと続いていたのですから。
仏像の破壊でも知られるタリバンはアフガニスタンの8〜9割を制圧している組織だそうで、そのアフガニスタンは外務省の情報によるとものすごい状況のようです。そして首都カブールの住民は攻撃に備え、外務省はアフガニスタンの日本人に退避勧告、アメリカ議会は報復を誓う決議案を可決。
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インターネット上のどこへ行ってもこんなに同じ話題ばかりだったことは前例がないかもしれないと、テロが起きてから感じています。湾岸戦争やオウム事件、阪神大震災の頃にはまだネットが普及していなかったからなぁ。
ほつまさんによるリンク集・対米同時多発テロ事件 その2はさらに増加中。ここで紹介されているめもらいずでは、かなりの数の日記が「NY世界貿易センターに航空機衝突」のカテゴリに入っています。大塚日記で「テロ」と検索してみると、ここでも大量の日記がまとめて表示されました。
あとは、スズキトモユさんの「ただ『怖い』というだけの記述を自分のページに載せることがよいことなのかもわからない」という言葉と、それに対するサイトウさんの意見から、インターネット上で発言する意味について考えてみます。
また、事件への人々の反応に「気持ち悪さ」を強く表明するサキさんの12日の日記は、衝撃と不安を表明することが世界に対する認識の不足をも露呈する面もあることについて考えさせてくれます。そうは思っても、「わたしのアタマやココロの中は何でも有りの無法地帯」と語る彼女の言葉のすべてを肯定することは僕にはできないのですが。そして、現実に対峙するための想像力について考え続けるタキサカさんの日記に、僕は少なからず共感しました。
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9月
12日
(wed)
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今日は普段より丁寧にインターネット上を巡回しました。ほつまさん、さすがだ。
ナイーヴにショックを吐露したり、映画やアニメを連想したり、露悪を気取ったり、政治的に分析したりする、テロに触れたたくさんの言葉たち。この状況では当然のことながら大局的な視点からものを語れる人なんてそういないし、そういう状況だからこそ恐れるか興味本意で現実に接する人が多いという面はあるのでしょう。
とりあえず言えることは…そうね、僕らが戦争に巻き込まれたら、どっちにしろひとたまりもないね。
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ただ、事件の発生当初に懸念されたような国家間での「戦争」はまだ起きそうではありません。パウエル米国務長官は「戦争としてテロ事件に対応する」と明言していますが。今回のテロへの関与の可能性が指摘されているオサマ・ビン・ラディン氏は、現在はアフガニスタンのタリバン政権に匿われ、しかも世界的なイスラム原理主義のネットワークを形成しているために、アメリカにとっての「敵」であるかもしれない彼は国家という縁取りすら持っていないのです。ラディン氏に関しては、Who is Osama bin Laden ?・オサマ・ビン・ラディン情報・アラブ・アフガンとオサマ・ビン・ラディンを参照してください。
サイバーテロの情報戦といった近未来の戦争観は、直接的な殺戮の圧倒的な暴力性に吹き飛ばされてしまいました。アメリカと目に見えないネットワークとの戦いは、国家間の戦闘よりも凄惨なものになるかもしれません。そしてその戦闘が両者の間だけにとどまる保証がないのもまた事実です。
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事態の推移は、アメリカのYahoo!のTop Stories Photosに端的に表れています。事故の発生を告げるこの画像の前には、ブッシュ大統領のマラソン姿なんかが載っていたんですから。それが事件発生後は地獄絵図の連続に。穏やかとまではいえなくても今にしてみれば平和だった日常が、一瞬にして微塵にされてしまう恐怖をここから感じます。
ニューヨークのライブカメラからの映像では、一日もくもくと黒煙あるいは砂埃が立ち上っていました。
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9月
11日
(tue)
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直撃、台風どころではなく。
戦争が始まってしまえば歴史は不可逆だから、とりあえず恋人たちが普通にデートできる世界が続きますようにと祈りを。たとえこれまでの平和が幻想だとしても。あらゆる言説は無責任な興奮と共にすでに出尽くしていて、もはや不謹慎さにすら鈍感になりそうだから、今言えるのはあえてささやかなその程度のことです。
友人の妹はニューヨークに留学中だけど、そちらは連絡が取れたとのこと。ただ、ニューヨーク旅行中の別の友人には誰も連絡がつかない状態のようです。これが悪夢ってやつだね、ただもう、無事でいてくれ。(→追加:12日の朝方電話がきて無事が確認されたそうです。ホテルにいて起きたら窓の外で煙が上がっていたって。よかった。あとは無事帰国できますように。)
米ソ冷戦構造の終焉とともに核戦争の恐怖がひとまず去って以来、こうして日本が戦争に巻き込まれかねない恐怖を初めてリアルに感じました。けれど、世界貿易センタービルが砂細工のように崩れ落ちる映像を見た時には不思議なほど冷静で、ただこの世界は地獄と地続きだと感じたのです。
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9月
10日
(mon)
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相米慎二監督死去。僕は彼の作品では「台風クラブ」を中学生の頃に異常なほど繰り返して観た記憶があります。なんでだろうなぁ…と思って後年見直してみようと思ったら、部屋にあったはずのビデオが見つかりませんでした。工藤夕貴がオナニーしてる場面があるとも聞くんですが、僕にはそんな場面を観た記憶が全然なくて、純朴だったのか馬鹿だったのか、あるいは両方だったかです。
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ピロスエさん経由でManaMさんの掲示板のくるり新メンバー加入告知へ。一瞬無根拠にうすた京介かと思いました。笛で。そういえばうすた京介の「ピューと吹く!ジャガー」第1巻では、巻末企画にリトルクリーチャーズの青柳拓次が登場してます。これまた意外な。
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9月
9日
(sun)
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「アワーズライト」の原稿用に、昨日からずっとCocco「ベスト+裏ベスト+未発表曲集」と小島麻由美「My name is blue」を聴き続けていました。Coccoはまとめて28曲聴くと腹にもたれますが、そのものすごさも思い知らされます。「Raining」は最高のリストカットソングだなぁ、他にこの手の歌があるか知らないけど。根岸孝旨が作るギターオリエンテッドなサウンドは僕の好みじゃないけど、もうそんなことが関係なくなる次元にある歌でした。小島麻由美は収録時間が37分という短さが素晴らしい。
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池脇千鶴熱愛発覚のお相手、島根定義の公式ページ。「仮のURL」、ですか。
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祝発刊の大塚ユキヲさんのメルマガより、その名も漁港。潮の香りがするのはいいとしても、「本当にバンドなのか」と不安になるほど演奏をする気配がない徹底ぶりです。
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9月
7日
(fri)
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9月
8日
(sat)
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新宿ロフトプラスワンで娘。さんについて語る会2。会場に着いたらステージ上にいるのは主催者の有馬さんの他にイワキリさんと梅本さんで、なんかイワキリさんの家の居間状態でした。それなのに会場は満員で、前回に比べてゲストも少ないのに席もないほどの混雑。僕は河野伸インタビューのために菊地成孔さんに彼の連絡先を聞いて有馬さんに取り次いだりしたんですが、到着したころにはインタビューのビデオはもう流し終わってました。
座れるスペースを見つけたらすぐうたかさんに話しかけられて、約1年半ぶりに再会。今はなきマニュエラカフェで会って以来で、再会の場がこういうイベントなんだから人生ってやつは素敵です。あとくぼうちさんにも初対面。さかもとさんにはピロスエさんを紹介してもらいました。広がるモーヲタの輪。
僕らは愚かな人類の子供でありモーヲタで、結局僕もこの間の新人オーディションのビデオを見ていたら帰れなくなり、8時間ほどモ娘。関連のビデオを見続けることになりました。ていうか、終電の時間を過ぎても客はほとんど帰らないのです。夜中に展開された「結局皆はこれからのモーニング娘。にどうなって欲しいの?」と議論は、学生運動時代の若者の討論のような熱さでした。語り合うテーマがそれでいいのかって問題はありますが。朝方に流されていた怪しい音源の数々では、ネオアコ解釈によるモ娘。カバーが面白かったです。掟ポルシェのトークは今夜も冴えてたなぁ。
考えてみると事実上今夜のイベントは「よいこの歌謡曲」プレゼンツでしたね。あの後にさらに清里ライヴへと出陣するのは元気という次元を通り越している気がしますが、ともかくお疲れさまでした。
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9月
5日
(wed)
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モシュさんと登川誠仁のライヴを観に青山CAYへ。決して小さいとはいえない会場なのに驚くほどの満員ぶりで、東京中の沖縄民謡ファンが結集しているのかもしれないと思うほどでした。
琉球民謡協会名誉会長にして今年71歳になる登川誠仁ですが、前口上に登場した知名定男によるとなんと前日まで入院していたとか。そんな話を聞いただけに最初こそ大丈夫なのかと不安でしたが、熱烈な拍手とコールを受けながら登場した登川誠仁はきわめて飄々としていて、そして客席の身構えたムードを解きほぐすように冗談や軽口で笑わせ続けてライヴを進めたのでした。
その場で考えながらやっていたというステージは、琉球民謡の有名曲はあまりやらない渋い選曲中心。登川誠仁の元に12歳で弟子入りして修行したという知名定男と登川誠仁の共演では、三線や歌が重なる瞬間の息の合い方に長い長い時間の流れすら感じました。
病み上がりだけに短いライヴになるかと思えば、休憩をはさんで2部構成に。後半では「君が代」の三線トレモロ演奏、曲芸のような左手の逆弾き、歌を逆からうたうなど、芸人としての根性を感じさせました。というか、退院したばかりなのに飛行機で東京に来てあれだけやっていたのもすごい話です。最後のカチャーシーでは、それこそ老人であることを忘れさせるほど張りのある三線の弦の音を聞かせ、客席も大いに盛り上がることに。オーディエンスから強いリスペクトを集めるアーティストが生み出した熱いプレイに、かつて横浜WOMADに来日したときのヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのステージを連想しました。
アンコール前にトイレに行った登川誠仁が戻るまで知名定男が歌ったのですが、それが「ジントヨーワルツ」だったのには泣けました。そしてアンコールは、登川誠仁と中川敬のデュエットによる「緑の沖縄」。あまりにも感動したので、終演後に沖縄限定発売版のシングルを買ってしまいました。
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9月
4日
(tue)
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小林建樹「Music Man」は9月12日発売。ソウルやカントリーロック、ジャズの要素もまぶしながら、バラードで決めるところはきっちり決めて聴き手を痺れさせます。いい曲だなぁ、「イノセント」。ピアノ弾きとしての洗練させたセンスと、その枠からはみ出す熱さのバランスが面白いアルバムでした。
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下関マグロさんのパイ投げ倶楽部が更新されたのを見ていて気付いたんですが、僕も参加したnamuさん主催のパイ投げ大会の映像が「女だらけのパイ投げ大会 VOL.4」にボーナストラックとして収録されているそうです。メッシー&ウェットギャルにハァハァと息を荒げた方々が、ビデオが終わると突然僕らのパイ投げ騒ぎを目の当たりにするんでしょうか。ええ、正直なところ複雑な心境です。
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9月
3日
(mon)
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別冊宝島608「モーニング娘。バイブル 知りたいこと、全部。」購入。有馬さん・うたかさん・くぼうちさんとかも執筆しています。愛情の中に意地の悪さも忘れないノリはBUBKAに近く(というか執筆陣がかぶっている)、さらにデータも揃っていて面白そう。難点は、大きなサイズになった別冊宝島で、しかもこのタイトル・表紙だと、電車の中で読むにはちょい恥ずかしいことですねぇ。そういえば、このサイズになってからの別冊宝島を初めて買いました。今となっては恥ずかしいぐらい昔はたくさん読んだものですが。
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9月
2日
(sun)
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東京流通センターでCOMITIA57。夏コミに行かなかったもんだから、気を抜くとこのまま同人誌即売会に足を運ばなくなりそうでしたが、行ってみると楽しかったです。コミティアには何年も通っているので本をくれる人も多いのですが、自分は同人誌を作っているわけでもないし、「ガロ」に持っていた同人誌紹介の連載も終わってしまったので、今回はできるだけちゃんとお金を払うことにしてみました。そうしたらあっという間に金が飛ぶったらありゃしなくて、笑いましたね。持ちかえった本は以下の通り。
- FLAME OUT「Le rouage d'houloge」
- GRAIL「OVERDOZE」
- JUNK MOBILE+BOOMMOVE「TRAP or CLAP in'」
- NOISESYNDROME「Short Game!」
- PARING?「PARING? 7」
- 相原こう(catharsis)「あいのあるばしょ」
- 衣羅ハルキ(Hee-Haw)「千年喜劇」
- おざわゆき(おざわ渡辺)「海上のトラ」
- オレンヂつくりもの「十一月の四畳半」
- キクヅキカナコ(クラウド・クラウン)「総天然色の日々。」
- きづきあきら(GRAIL)「suicide note」
- さくらのりたか(DARUMAYA FACTORY)「blue」
- 紫苑みつめ(となりのみっちゃん)「NOT A ANGEL」
- 大村+プロパガンダユニオン「D-minus」
- 高村保(大村)「UNDER WAVE 4」
- 瀧本駱駝(GRAIL)「CAMAE Script」
- ちゃい(印度茶)「プラットフォーム」
- 世多(ENOKO)「カミングアウト」
- 中村明宏(MEDIA WANNABEE)「瀕死のダーマトグラフ vol.1」
- 新田五郎(WAIWAIスタジオ)「ぶっとびマンガ大作戦 Vol.6」
- 袴田めら(逆ギレ刑事)「Strawberry Short Cakes」
- 檜木倭世(あまちゃづる三昧)「あまちゃづる残暑20010902」
- みるく☆きゃらめる「みるく☆きゃらめる最終号」
おざわゆきの「海上のトラ」は、終盤で気が遠くなってしまったほど壮大な愛と転生の物語。今回最大の収穫です。PARING?による「PARING? 7」は力作揃い、参加者は全員友達だから全員嫉妬してやるってぐらいに。PARING?にも参加している山本昌幸=TOKIWAが編集したNOISESYNDROMEの「Short Game!」は、彼によるSF作品「channel64」がまた素晴らしい。衣羅ハルキのギャグ作品「千年喜劇」には大笑い。高村保の「UNDER WAVE 4」は、このシリーズ中でもっとも迫るものがありました。少女主義を掲げた吉本松明の「みるく☆きゃらめる」での戦いぶりには、その勝ち目の無い戦いに挑む姿勢に共感してもらい泣き。その後にキクヅキカナコの「総天然色の日々。」みたいな良質な少女マンガを読むとまた沁みます。きづきあきら「suicide note」は期待通りのクオリティ、袴田めらの「Strawberry Short Cakes」は彼女の力量がまた成長したことを感じさせました。
打ち上げには出ずに帰宅して、今日買った本を3時間で一気に読んだらいい刺激を受けました。片付けるはずだったライター仕事の原稿はさっぱり進みませんでしたが。
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9月
1日
(sat)
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新高円寺マーブルトロンでSYSTEMS OF ROMANCE。渡辺兵馬くんやウエハラケンイチさんのDJ、Jerryfishのライヴなどがあるイベントでした。兵馬くんは、ヒューマンリーグの歌う「君に、胸キュン。」を流していて反則です。芳賀ゆいの「星空のパスポート」とかSPANK HAPPYの「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」を流されては僕も一緒に歌わざるをえません。
自分が予想以上にJerryfishのファンになっている事実に驚きながら、断腸の想いで彼女たちのライヴを抜け、近くのジョナサンで「Qucik Japan」用にVJチーム・青梅街道派の取材。メンバーのウエハラさんやkoumeさんが「SYSTEMS OF ROMANCE」でDJ中だったので、他のメンバー5人にお話をうかがってきました。ちなみに本当は12人いるそうです。まさにトライブ。
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BJORK「VESPERTINE」、MERCURY REV「ALL IS DREAM」、MILES DAVIS「ON THE CORNER」、ROY WOOD「MUSTARD」、STEREOLAB「SOUND-DUST」購入。新宿のヴァージンメガストアは移転していました。
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