since 14/DEC/96
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10月
31日
(wed)
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「ロック画報」06は、100ページ近いムーンライダーズ特集。犬上すくねさんもマンガを2ページ描いてます。7曲入りのサンプラーCDは、2曲のみファイドイン&フェイドアウトですが、他はビデオ「The Worst Visualizer」からの音源で4曲、そして今年4月のライヴの音源から「火の玉ボーイ」を収録。
「BUBKA」12月号の巻頭を見ると、中村愛美は若い頃の方が可愛いなぁ。ちょっと写っている状況に問題があるけど。それはさておき、「モーヲタの部屋」に登場する「真モーニング娘。」メンバー13人中6人が知り合いというのは心中複雑です。
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皆さんお待ちかねの本日の綿矢りさ情報、まずはMOZUさんのページにある「日本経済新聞」10月30日夕刊記事をどうぞ。
そして加藤千恵に教えてもらったのがbk1の文藝賞授賞パーティー記事、インタビュー記事はこちら。「すごい好きなんですよ、インターネットっていうものが!」という衒いのない発言に胸を洗われた思いです。
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落合尚之公式ページ、開設が間近らしいです。
Beltorchiccaから、氣志團デビュー記者会見。「オレたちの曲はヤンキーをポップにした『ヤンクロック』」って、パンクロックと掛けたにしろ語呂が悪いな。12月6日に東芝EMIからデビューだそうです。
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10月
29日
(mon)
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インターネットの過去を保管,Webアーカイブが公開される[ZDNN]、過去5年間の100億ページものWebページを保管したWebアーカイブが公開[INTERNET Watch]。24日から公開されたというWayback Machineは、こうした記事から受ける大袈裟なイメージを軽く超えてしまうほど驚異的なライブラリです。
以前友人と、インターネットの世界ではホームページが消えてしまうとどこにもデータが残らないので、図書館のようなデータの収集保管場所があればいいのにと話していたのですが、実際にいましたよ、そういうことを96年あたりからやってきたInternet Archiveという連中が。米国議会図書館やスミソニアン博物館とも協力しているそうで、すでに過去のデータは100テラバイトあるとか。どういう単位なのかもよくわかりません。
ヤフージャパンだと96年からデータがあります。僕のOUTDEXは2000年5月、この小心者の杖日記は99年3月から。僕のページの場合は基本的にファイルを削除しないので、あまりありがたみはないんですけどね。Wayback Machineの重要なポイントは、同一ページの過去のデータが年月日別に分類されていることで、これも登場時には衝撃的だったGoogleのキャッシュ機能よりも幅広い年月のデータを保存しているというわけです。
そのデータが保存されているウェッブページの幅広さも驚異的で、すでに閉鎖されたページのデータも、トップページから数ページ程度ではあるものの見れてしまいます。ただ、ちょくちょくファイルをアップロードしては消したり、サイト名やハンドル名を変更したりしているような人たちには、過去のウェッブページのデータが勝手に保存されて公開されているという点で迷惑なアーカイブということにもなりそうです。その辺はHelpの関連項目があっさりしている分、著作権関係でちょっとトラブルを産んでしまうかもしれませんが、一旦インターネットに公開したデータをむやみに消したりすることは多くの場合自己満足的なので、保存されたデータの削除要求方法さえ明確になれば、Wayback Machineはやはり貴重なデータベースになりうると思います。
Googleのキャッシュ機能やWayback Machineによって消滅したはずのページが部分的にでも見れるようになるなんて事態は、ちょっと前までは一般ユーザーレベルじゃ想像もしなかったことで、Wayback Machineの検索ボタンにある「Take Me Back!」という言葉も妙な重みとロマンを感じさせるほどです。ファイルを消せば二度と人の目には触れずに済むという世界は終わりを告げてしまい、ややウェッブページ作成者にしてみれば権利を奪われた気になるかもしれませんが、この程度にウェッブページのデータが公的に保存されるのも歓迎すべき試みじゃないかと思うのです。
ちょうど今日、あるサイトが突然消え去りました。それでGoogleのキャッシュ機能を使ってみたら、これまで見たこともなかったファイルを見つけてしまったし、Wayback Machineを使ったら一年前に別の名前で運営されていた時代のファイルまで見つけてしまう始末。なんかもう、なまじサイトを消した方がいろいろ見つけられちゃう状況なのだなぁと感じるわけです。
そして日々生まれては消える膨大な数のウェッブページは、それぞれの作成者の毎日における生死の縮小版で、それらはまだキャッシュされているぶん救いがあるよなぁ…などとぼんやり考えもしました。
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OUTDEX更新、「small circle of friends」に助清・TOKYO KMFDM LIGHT・Plasticsを追加しました。
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10月
28日
(sun)
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空いている時間があれば溜まった本やマンガを読む生活です。松山せいじ「エイケン」第1巻は、絵柄がやや不安定なのに目をつぶるとしても、その巨乳至上主義的な世界感は「乳に貴賎無し」を標榜する僕とは相容れません。ていうか御園霧香なんて乳がデカ過ぎて身体のバランスが変ですが、そういうところに突っ込みをいれると罠にはまりますね。
紺野キタ「田園少年」は、爽やかなボーイズラブ短編集。彼女の絵柄や作品の優しい雰囲気は好きなのですが、少女の延長線上に置かれた少年たちの心理描写は僕には居心地が悪く、読み進む上での前提となる何かを共有できていない気分になりました。「エイケン」のセクシャリティも「田園少年」のセクシャリティも、なんか僕には距離があるのです。
樋口橘「MとNの肖像」第1巻は、主役の二人がそれぞれマゾとナルシストになるに至るトラウマの描き方が安易といえば安易ですが、適度な毒があるのでけっこう素直に楽しめました。あとがきにロリータファッション風のイラストがあって、なんか納得。
望月峯太郎「ずっと先の話」は88年以降の短編を収めているためか、各作品の性格はかなりばらけています。表題作の「ずっと先の話」はずいぶん観念的ですが、他の作品は「僕ちゃん」をはじめとしていい感じのコメディーが中心。そして「COLOR」は、グロテスクな絵と観念的なセリフの連続であるものの、最後はとても爽快な読後感を残します。
幸村誠「プラネテス」第2巻は、木星往還船をめぐって物語が展開。宇宙を愛するということのエゴ、宇宙での孤独と絶望を描きつつ、最後で主人公にとっての宇宙の概念まで一気に描き上げます。キャラクターの魅力、物語の厚み、そしておそらくは単行本化を視野に入れた構成、どれもが素晴らしいです。今読むとテロの話のラストは甘過ぎだけどね。
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10月
27日
(sat)
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日本レコード協会主催による廃盤70%オフセール「新品CD大ディスカウントフェア」は、今年は11月1日から14日まで開催。去年のようにメーカー別にネット販売するわけではないようです。東京タワーの下のボーリング場からネット上に会場が移って格段に楽になったけど、また回線が重いのかな。
DRYBOXからアサヒコムの「ユウユウ殺す トキ密殺小説にセンター緊張」へ。阿部和重の「ニッポニアニッポン」の中でユウユウ殺害計画が実行される日付である10月14日、佐渡トキ保護センターは模倣犯に備えて警備を強化していたとか。佐渡トキ保護センターにしてみれば、やっぱあの小説はいい迷惑だったんでしょうねぇ。
PHEWのファンページによると、MOSTがNHK-FMのライブビートに出演するとか。そのMOSTとBIG PICTUREの試聴もこのページでできます。
けふりんさんから教えてもらったのですが、Yahoo!ミュージックに早くもSPANK HAPPYのデビューシングル「インターナショナル・クライン・ブルー」の情報があります。でもトラックデータの曲名が全部間違いのような。「Quick Japan」の北尾編集長は、サンプル盤を聞いて大興奮。
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10月
26日
(fri)
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「流行通信」12月号の特集「乗り物×ファッションの『甘い関係』」で1ページ記事を執筆しています。同じ特集の中にポール・スミスとクレイジーケンバンドが一緒にいて、それとはまったく無関係な原稿を僕が書いているのも不思議です。「Rt Closet」のモデルのカトリーヌ、可愛いなぁ。
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昨日よりは熱が引いたものの微熱は続いていたので会社を休み、町医者で診察を受けて薬をもらった後は、おとなしく本を読んで過ごしました。眠ってしまって予定ほど冊数を処理できなかったのですが。
高橋文樹の「途中下車」は、話題になる近親相姦に関する部分よりも、普通の恋人である麗奈との別れを描いた部分に引き込まれました。それ以降の終盤に至る展開はやや予定調和であり退屈で、むしろ麗奈が主人公と付き合った理由を告白する場面で彼が受ける衝撃の描写と、それに続く「ただ、文字にしてしまえばどんなにくだらない恋愛でも、ぼくらにとってみれば大問題だったのだ」という一節にこそ、この作品の魅力を感じました。
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10月
25日
(thu)
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昨日の夜あたりから鼻腔の奥の粘膜が痛み始めて「こりゃ風邪かな」と思っていたのですが、今日の夕方頃からは絵に描いたような悪寒を感じることとなり、インビテーションをもらっていたUMMO Recordsのイベントに行くことも断念して早目に帰宅。電車の中では吐きそうになって必死に気を紛らわせたり、地元の駅の階段を降りる時には手すりにつかまってフラフラしたりするなど、なかなか初体験の体調不良に年齢を感じたりもしました。帰宅後すぐには体温を計る気にはなれなくて、夜半に計ると37度3分とか。ピーク時にはもっと上がっていたんだろうなぁと思いつつ、久しぶりにバファリンのでかい錠剤を飲みます。熱がある時には音楽の聞こえ方も微妙に違っていて、妙に細部が聞こえたりするので、ドラッグとかやるとこの路線でもっと劇的な変化を体験できるのかなぁと、昨日買ったホルストの「組曲《惑星》」のオーケストレーションに耳を傾けながら考えました。こんなことを考えている時点で、いかにも頭が回っていない感じですが。
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10月
24日
(wed)
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カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ホルスト:組曲《惑星》」購入。「木星」は素晴らしいなぁ、たまんないや。マンガは富沢ひとし「ミルククローゼット」第4巻、幸村誠「プラネテス」第2巻を。
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毎日新聞の動画ニュースの22日分に、文藝賞贈呈式のムービーが。綿矢りさ、動いていると文藝ともフラッシュともちょっと印象が違いますね。石川忠司は若い頃の高橋源一郎みたい。
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10月
23日
(tue)
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「A Tribute To Terry Johnson ; Pillow Talks」は、イラストレーターにしてデザイナーの湯村輝彦へのトリビュート盤。プロデューサーでもある信藤三雄入魂のパッケージは、でかいシールのせいでプラケースが全開になりゃあしません。筒美京平作曲・小西康陽アレンジで、下世話なセリフも入っている「TERRY'S THEME」はサントラ曲っぽくてクール。あとは全部「ピロー・トーク」のカバーとリミックスです。クレイジーケンバンドはここぞとばかりに濃い汁を垂れ流し。常盤響はエレクトロ、高木完はもりばやしみほをフューチャーして、彼らしい奥行きのサウンドです。でも、7トラック収録で35分、しかもそのうち6トラックは「ピロー・トーク」のカバーとなると2940円は高いなぁ。
ナンバーガール「SCHOOL GIRL BYE BYE」は、97年のインディーズ作の再発盤。この頃は現在に比べたらまだ演奏も端正に感じるぐらいで、歌詞もちょっとナイーヴな印象で驚きました。向井秀徳の描く女の子は、ちゃんと目まで描いてある場合は可愛いな。このアルバムとは関係ないけど、向井がアニメのことも「マンガ」と呼ぶのには、ああこの人はオタクじゃないんだなと感じます。
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10月
21日
(sun)
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二次元ドリームノベルズの雑誌版である「二次元ドリームマガジン」vol.01購入。メインの小説は僕の趣味じゃないけど、がっぷ獅子丸・卯月鮎・南敏久・BIG☆BURNらによるエロ雑学記事は面白いです。ちゆは12歳にしては水戸黄門をよく見ていてさすが。そして全編を貫く爆裂☆インド象テイストは、その溢れ出すリビドーの勢いが素晴らしいです。
今日の綿矢りさは、旅人さんによる「インストール」評。10月21日の日記に書かれています。
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10月
20日
(sat)
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「アワーズライト」12月号の「BED ROOM DISC JOCKY」では、クラムボン「ドラマチック」とコーネリアス「point」を紹介しています。
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落合尚之「ダンデライオン」第2巻は、これで物語が完結。人間の意識に直接感染して潜在的な欲望を表面化させるコンピューターウイルスをめぐる物語で、男女や親子の関係の中に潜む断絶ゆえの愛憎を個の内面から噴き出させるラストへと展開していきます。この単行本に同時収録されている短編「圧勝デモクラシー」からもわかるように、落合尚之という作家は格闘アクションも得意としていて、そこに観念的な深層心理描写が加わり物語は厚みを増すわけです。ざっと読み進むにはやや難解ですけどね。ただ「ダンデライオン」のそうしたテーマは、巻末で本人が語っているように、僕が傑作と疑わない「黒い羊は迷わない」に通じるものがあり、終盤が急ぎ足とはいえ心地いい読後感をもたらしてくれました。
あと、願わくば誰か落合尚之さんに、もしホームページを作るなら手を貸したいと言っているムネカタという男がいると伝えてください。それはあなたがもっと多くの人に読まれるべき作家だからだ、とも。
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柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」第1巻は、隠れ里に迷い込んでしまった少年が、その村の独特の性習俗に翻弄されるというストーリー。本来は性的におおらかだった日本人の性意識を念頭に入れ、民俗学的な見地からもアプローチしている作品です。村にいるのは女ばかり、優しさと閉鎖性の奇妙なバランス、異様にあけっぴろげの性。そんな村に閉じ込められた少年は混乱し戸惑うわけですが、そこに村の感覚に染まりきってない少女を登場させるあたり、柏木ハルコはうまいと思います。次巻以降も楽しみ。
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10月
19日
(fri)
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「MUSIC MAGAZINE」11月号では、RIKKI「加那鳥」のアルバム評を執筆しています。まだ現物を見ていないのですが。
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午後9時に帰宅して食後の10時には意識を失い、布団もかぶらずに午前4時まで意識を失っていました。普通に寝たっていうにしては明かりもつけたままで眠りが浅くて、起きてからコーラの残りを飲もうとしたらそれ自体が夢。しかも起き上がってから呼吸をすると肺の奥まで冷えきっていたので、なにか失神でもした気分でした。もう無理がきかないことがわかったので、毎日午前4時まで本を読むのは中止。来週はちゃんと睡眠をとる人間らしい生活を自分に義務付けたいなぁ。
あと、長電話も勘弁して。と友人たちへ切実なお願い。
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10月
18日
(thu)
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ここ数年でロック嫌いが進行して、すっかりインドア・ポップスかグルーヴ・ミュージック中心のリスニング生活になっていた僕ですが、その反動のようにナンバーガールを聴き狂っています。僕の年齢でこの調子なんだから、今より鬱屈を抱えていた高校生の頃なんかに聴いていたらそれこそナンバガばかり聴いて、死に物狂いでチケットを取ってライヴに通っていたでしょう。ちなみに高校3年生の頃、僕にとって一番「ロック的」だったアルバムは、ビブラストーンがソリッドから発売したライヴ盤「Vibra is Back」でした。ちょっとどうかと思うような高校生ですね。
それから11年が流れたここ数日の愛聴盤は、ナンバガの99年作「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」と「シブヤROCKTRANSFORMED状態」。僕が反応するのは、「omoide in my head」「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」「桜のダンス」「透明少女」あたりなんで、妄想を抱えたダメ男の典型ですな。でも当の向井秀徳っていう人は妄想が乾いているというか、歌詞に多少の感傷は混じっていても、そこに己のコンプレックスを投影しているわけではないという点が清々しい。だからナンバガの疾走感とエネルギーに僕は素直に身を任せられるのです。
それにしても馬鹿馬鹿しいぐらいに素晴らしい曲名だなぁ、「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」。
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10月
17日
(wed)
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「Quick Japan」Vol.39では、青梅街道派のインタビュー記事を担当しています。クレイジーケンバンドの特集では、TGVのハルヲさんが横山剣インタビューとイベントレポートを執筆。
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綿矢りさも加藤千恵も誉める保坂和志は、単に17歳が好きなだけだったらどうしよう。というのは冗談ですが(たぶん)、その加藤千恵が遂に朝日新聞「ひと」欄に登場。すごろくでいえば「あがり」って感じですね。
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10月
16日
(tue)
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夕方、かちゃくちゃくんから今週号の「フラッシュ」に綿矢りさが登場しているとの緊急連絡。「まったくそんなことをわざわざ連絡してくるなんて」と思いつつも、退社後に寄った青山ブックセンターで「フラッシュありますか?」「ありません」という会話を店員としていました。結局駅の売店で購入、かちゃくちゃくんありがとう。
記事は「第38回『文藝賞』受賞作家は黒髪豊かな超絶美少女」と題されていてホームで苦笑しましたが、それ目当てで買っている僕も僕です。自宅で写真が撮影されたと思しきこの記事、ずいぶん清楚
なイメージで紹介されていて罠ではないかと疑うほど。可愛いしな。あと、記事の文体が「綿矢りさってどーよ」「萌え〜」などヲタ臭全開なので、いい反面教師になりました。
りゃんの10月15日の日記にも綿矢りさの「インストール」の感想。朝日新聞の「ひと」欄にも出てたんですね。兎山カケルさんのページでは「文学美少女の作品分析」として紹介されています。サイトウさんのPrefaceの10月17日分にも彼女の作品とそれをめぐる状況についての言及が。
ともあれ、こういうちょっとした「事件」に微妙な違和感を抱きつつも喜んで語ってしまう程度には、なんだかんだいって僕らはまだ文学が好きなのだなぁと思いましたよ。
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10月
15日
(mon)
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「レコード・コレクターズ」11月号では、布谷文夫「立ち眩みLive」のアルバム評を執筆しています。
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10月24日発売のGOING UNDER GROUND「かよわきエナジー」では、松本素生のメロディーメイカーぶりが光っています。同じく10月24日発売の空気公団「わかるかな?」はブックCDの形態。リコーダーや木琴の入った「トントンドア」が特に切ないです。HARCOも参加。これも10月24日発売のコーネリアスについては前言撤回、このアルバムはネオアコ的なポップス感覚をテクノ的な方法論で再構築した作品なのだと気付きました。
深田恭子の「キミノヒトミニコイシテル」は、小西康陽が作詞・作曲・編曲。いかにも化粧品のCMで流れそうな明るい曲調だし、「深田も最近」なんて歌詞を入れてもいますが、いかんせん深田恭子の声質は落ち着いているのでちょっと違和感が。カップリングの「スイミング」は、池田正典による前のシングルのリミックス。こなかりゆ作詞で、プログラミングは寺田創一がやっています。
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10月
14日
(sun)
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10月7日に行なわれたTGVの記録ページ「TGV in ACTION」が公開されました。一番右下の「special」をクリックしてごらんください。
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「文藝」2001年冬季号購入。第38回文藝賞の綿矢りさ「インストール」は、女子高校生の自意識モノ小説としてはとてもスタンダードというかむしろライトな感触で、拍子抜けするほど爽やかでした。不登校という要素があっても屈託はない印象で、エロチャットでサクラのバイトをする展開も特にネットにすりよった感じではありません。構成もそれなりによくできています。もっとも全体としては「本当にこれに賞をあげちゃっていいの?」と思ったのですが、選評で石川忠司が指摘しているように確かに他のタイプの作品を平気で生み出しちゃいそうな雰囲気があって、そこは楽しみでもあります。
村上龍「最後の家族」は帯の裏の本人による文章が気に入ったので、それだけのために買いました。必ずしもこの文章に賛同するわけではないけれど、自分への戒めを込めて。
この小説は、救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している。誰かを救うことで自分も救われる、というような常識がこの社会に蔓延しているが、その弊害は大きい。そういった考え方は自立を阻害する場合がある。
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北中正和さんのポップス日記によると「週刊 FMfan」が廃刊するそうで、ついにFM雑誌は全滅だそうです。僕も高校生時代には
「FM STATION」とかを毎号買ってはFMを毎日のようにエアチェックして、今思えばいかにも80年代的なレーベルを使ってカセットテープを整理していたものでした。
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10月
13日
(sat)
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この日記のカウンタが50万を超えました。サンキュー。
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ナンバーガールが出演するイベントを明日見るために上京したMOZUさんを迎え撃つべく、ManaMさん・(『ぼぶ』改め)かとぅさん・かちゃくちゃくん・そして僕が渋谷に結集して「氣狂い人の會」開催。ナンバーガールのライヴのためなら宇都宮なんて庭先感覚、名古屋は大阪はもちろん福岡にだって飛ぶナンキティの皆さんを相手に僕も気合いを見せるべく、カルアミルク一杯で酔いつぶれて爆睡しました。
収拾がつかない感じで話題は展開されましたが、なかでも我々に波紋を与えたのは、かとぅさんが持参した「文藝」2001年冬季号に掲載されていた第38回文藝賞発表。京都に住む17歳の高校3年生・綿矢りさの「インストール」という作品が受賞していたのですが、そのあまりにもストレートにインターネットな同時代性と、グラビア風に1ページ掲載された彼女の写真の可愛さに「これ、狙い過ぎじゃないのか」と騒然となったのでした。ええ、もちろん僕も明日買いますけどね。
ともあれ皆さんピースフルに業が深くて楽しかったです。ちなみにMOZUさんと僕が辻ヲタ、ManaMさんが加護派、かとぅさんが矢口ヲタ(着席時に『噂の真相』最新号を置いてすいません)、かちゃくちゃくんが孤高の保田派という勢力分布でした。
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篠田昌已「東京チンドン vol.1」購入。 演奏は長谷川チンドン社、途中で江戸アケミの口上も入るらしい2枚組チンドンアルバムです。ずっと探していたものの見つからず、もう新品では入手できないと諦めかけていたので、渋谷タワレコで見つけたときには本気で感動しました。
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岩澤瞳ちゃんがレギュラーのJ-WAVE番組「Yipes!」、順調に聞き逃しています。ていうかよく考えたらFM/AMチューナーはあるけど普段はコンポにも接続していなくて、やり方も忘れちゃいましたよ。全然ラジオなんて聴かないからなぁ。
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10月
12日
(fri)
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やまじえびね「LOVE MY LIFE」、松山せいじ「エイケン」第1巻、
樋口橘「MとNの肖像」第1巻、望月峯太郎「ずっと先の話」、紺野キタ「田園少年」購入。読む時間があるかどうかは別の問題です。「エイケン」は十数ページ読んだだけで、プルンプルンの連続攻撃にさられて降伏寸前。
「田園少年」は、正面を向いた制服姿の少年二人の背景に田園風景と夏雲の浮かぶ青空が広がっている表紙と、やはり制服姿の女子が小さくいる裏表紙がたまりません。もうカバーだけで勝手にストーリーが広がりますが、「妄想」の一言で片付けられればそれまでです。中学高校時代の僕は小金持ちの子息が集まる私立男子校でひどく空虚で希薄でそのくせ澱んだ日々を過ごしていたので、長い時間をあまりにも無為に消費した強烈なコンプレックスから、今となっては青春ものは無条件に眩しくて困ります。って、表紙見ただけでこんなに書くこともないんですけどね。
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10月
11日
(thu)
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市井紗耶香再デビューのニュースが意外だったのは、先日のモーヲタトークライブで事務所には所属しているものの飼い殺し状態だと聞いていたからでした。ていうか素直に信じすぎ、俺。気になるのは、モ娘脱退直前にはシンガーソングライターのソロ歌手になると宣言して、心配になるほどの自意識の肥大を感じさせていた市井紗耶香が、フォークソングのカバーアルバムやたいせーとのユニットで満足できるのかということなのですが、とりあえず満足したんでしょうねぇ。ところで、たいせーの顔ってすぐ浮かんだ?
あとレコード会社がゼティマじゃなくてピッコロタウンというキングレコードが販売を担当する新会社だそうなんで、営業的にはSPANK HAPPYと同じ窓口になるんでしょうね。市井紗耶香や中澤裕子が参加するフォークソングの企画アルバムは11月29日発売、SPANK HAPPYの再デビューシングル「インターナショナル・クライン・ブルー」は11月26日発売です。
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10月
9日
(tue)
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CARTOLA「VERDE QUE TE QUERO ROSA」、MARCOS VALLE「MARCOS VALLE FOR CAFE APRES MIDI」購入。珍しくブラジルづいています。
表参道のカフェに置かれていた「LIVE 10」というフリーマガジンをもらってきたのですがけっこう面白いです。表紙と巻頭インタビューは浅野忠信。ポルノ特集で、カンパニー松尾や常盤響なども登場しています。今宿麻美は美しいなぁ、おい。そして目玉企画は、やはり大澄賢也×マイケル富岡対談でしょうか。彼らがナイーヴぶって性を語るこのページだけ、濃すぎてむせかえるような淫靡さがありました。
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10月
8日
(mon)
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新宿THEATER BRATSで劇団、本谷有希子第三回公演「ファイナル・ファンタジー」。
テレクラで男と待ち合わせたはずの七城エーコが拉致監禁されたのは、さびれた遊園地「井上トシローランド」の地下牢でした。その主であり無精子症で精子を無駄使いするテレクラ女が許せない男・井上トシローによって、七城エーコは他の元テレクラ女たちと遊園地の電力をまかなうための単調な労働に従事することになります。そこにいる人間は、働かせる側も働かされる側も、揃いもそろってダメ人間ばかり。そんなダメ人間同士が勘繰りあい牽制しあう微妙な人間関係の中で日々は流れ、ひょんなことで監禁している側まで閉じ込められて外に出られなくなる事態となり、あとは飢えて死ぬだけとなった状況下でドロドロの愛憎劇が展開されることになります。
「女の病気シリーズ」のこの作品では、見知らぬ男とのセックスに走るテレクラ女のダメさを露悪的に暴き、当人にとっては深刻な苦悩をたたみかけるギャグで笑い飛ばしながらも、同時にそうした人々の自意識の葛藤をかなり直球に描いていて、その姿勢は愚直なほどです。そしてそこに多少の気恥ずかしさを感じながらも、それ以上の好感を持ちました。終盤辺りでは全体の長さが気になりだしましたが、ディープな場面でも笑いをとぎらせることなく展開させていく本谷有希子の手腕はさらに冴えてきた印象です。ギャグの食い込み方やテーマの深さでも、前回公演の「死ぬ気ね」より各段に良かったと思います。
終演後に本谷有希子さんに挨拶した時に聞きそびれたのは、本谷有希子さんが自分とテレクラ女との関係をどう位置付けているのかということで、自分を重ねているのか異物として見ているのかという点でした。どっちなのかな。
あと、役者の鳥海愛子はやっぱりキュート。
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10月
7日
(sun)
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壁を埋めるレコード、木の椅子やテーブル、古いけれど音のいいスピーカー、誰かの訪れを告げるドアチャイム、紹介される友達の友達、思わぬ訪問者、昔や今の恋の話、そして音楽。8回目にして2周年のTGVに来てくれた皆さん、ありがとうございました。
SPANK HAPPYのライヴに青梅街道派のVJと企画を詰め込んだ前回から一転して、今回は約2年ぶりに古巣のJERRY JEFFに戻っての開催。ここずっと会場にしていたマーブルトロンの予定が埋まっていたせいもあったんですが、個人的にはJERRY JEFFのリラックスした雰囲気の中でとても楽しむことができました。
1 | HIRTH MARTINEZ | ALTOGETHER ALONE |
2 | HARRY NELSON | RAINMAKER |
3 | THE RUTLES | I MUST BE IN LOVE |
4 | NICK LOWE | RAINING RAINING |
5 | MARTIN NEWELL | THE BOYS OF SEPTEMBER |
6 | THE BEACH BOYS | SAIL ON, SAILOR |
7 | JONI MITCHELL | ALL I WANT |
8 | 金延幸子 | はやぶさと私 |
9 | はっぴいえんど | 風をあつめて |
10 | サニーデイ・サービス | 江ノ島 |
11 | つじあやの | 恋のささやき |
12 | 加藤千晶 | ライジングサン |
13 | クレイジーケンバンド | せぷてんばぁ |
14 | ソウルフラワーユニオン | 野づらは星あかり |
15 | 空気公団 | 線の上 |
16 | 佐野元春 | 君を連れていく |
僕のDJの曲順は曖昧ですがたぶん上の通りじゃないかと。今回は夕方の喫茶店で音楽を流しているのがとても気持ち良かったので、つい「風をあつめて」みたいな定番までかけてしまいましたよ。
初めてお会いしたけふりんさんも、遠くからわざわざありがとうございました。
またいつか、肩肘張らずに音楽を楽しめる空間を共有できる時が訪れることを祈っています。
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うわー、SPANK HAPPYの岩澤瞳ちゃんがレギュラー出演するJ-WAVEの新番組・YIPES!、聞き逃した!
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10月
6日
(sat)
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TGVの選曲をしているものの、どう考えても明日流すタイプの音楽ではないナンバーガールばかり聴いて作業が進みません。「鉄風 鋭くなって」も聴きましたが、ほとんど「OMOIDE IN MY HEAD」ばかり。
なんで俺はこの曲がこんなに好きなのか?という疑問については、かおりんさんが「ナンバーガール、全肯定。」で彼らの世界の魅力について的確に述べてくれていました。
「OMOIDE IN MY HEAD」にはいくつかのバージョンがあって、インディーズ盤「School Girl Bye Bye」やライヴ盤「シブヤROCK TRANSFORMED状態」も悪くないけど、96年の自主制作カセットテープ「omoide in my head」に収録されているものが一番好きです。他の音源に比べたらカセットテープのものは端正(というには激しいけど)なのですが、この詩の世界とサウンドとのバランスが一番とれている気がします。その歌詞はここに。
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10月
5日
(fri)
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ピロスエさんのところの情報によると、モーニング娘。のニューシングルは「Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜」で10月31日発売だとか。で、問題なのがアー写。吉澤がセンターであることに驚くのは当然として、13人もいると全員が可愛い状態で写るのがかなり難しいという事実にも複雑な気分にさせられます。
オザケン復活、ニューアルバム発売は来年だそうです。3度目の正直で今度こそ出るのかなぁ。あと発売元は契約したはずのモータウンなんでしょうか、今回の発表は東芝EMIがしたようですが。
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10月
4日
(thu)
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10月24日発売のCORNELIUS「POINT」は、相変わらず前衛性と叙情性のバランスが絶妙です。数回聴いた感触はSTEREOLABの近作と似ていて、ちょっと戸惑うほどでしたが。10月11日発売のクラムボン「ドラマチック」はこれまでになく躍動的で、そして深い作品。プロデュースの亀田誠治、いい仕事してます。
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10月
2日
(tue)
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人が死ぬのはきつい。うまく言葉が出ません。たとえばごく普通の夕方、メールボックスに突然訃報が届いたりした時には。
そのメールには、ある人が今年の5月15日に亡くなっていたことが書かれていました。送信者は、遺品整理の際に僕のメールアドレスを知ったという彼のお父さん。
でもあの人はきついブラックユーモアを操る人だったからこれも彼ならではの悪い冗談ではないか、と彼の勤め先に電話で確認をしている最中にも思っていました。そして資料を確かめて電話口に戻ってきた人事課の人に「亡くなっていますね」と言われ、「そうですか」と言った瞬間の自分の声がまるで人が死んだのを知った時の声のようだと他人事のように思い、いやこれは本当に彼が死んでしまったせいなのだと気付いて、やっと事実を受け入れました。
彼の死から4ヶ月半も経ってから悼むのも間が抜けた話だと思います。でも4ヶ月半彼を悼んであげられなかったことも申し訳なく思いました。
以前、彼を含む6人で飲んだ日のことをぼんやり思い出します。僕も酒に弱いけど、彼も途中で眠り出してしまったこととか。最初のやりとりは99年で、深くはなかったけれど短い付き合いでもありませんでした。ネットワークを介して成立する人間関係と、そこに死が突然降りかかった時の実感のなさ。僕は何も知らないまま死んだ彼にメールを送っていました。
以前のメールに書いてあった「今年で30になります」の一言がひどく悲しいのは、彼が29歳のまま新しい誕生日を迎えることがなかったからです。
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一行だけのメール、プロザック、引き受けることができるわけもない他人のトラウマ、秋晴れの空、そっと見守るホームページの再開、「優しいとこ。怒りっぽいとこ。気分屋で子供っぽいとこ」、金木犀の匂い、告白と衝撃と沈黙と混乱と猜疑、ルサンチマンの逆流。最近の僕はグッチャグチャな気分でしたが、そんなものも死という不条理で圧倒的な出来事の前ではたいした意味を持ちません。もう、いいや。
傷つけられても、悩まされても、八つ当たりされても、裏切られても、音信が途絶えてもいい。良くないけどいい。とりあえずみんな生きていてくれれば、それでいい。
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ごめんなぁ、あなたへの手向けにあなたがかつて飛ばしていたような冴えた冗談でも書ければいいのだけれど、俺にはできないや。全然まとまらない。遺された側の勝手な感傷ばかりで、ごめんなぁ。
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10月
1日
(mon)
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雨だからタワレコより渋谷駅に近いHMVで買い物。ポイントは1000円単位なのでなかなか溜まりません。
先週山下スキルさんがくれたオリジナル編集CD「SONGS FOR A RAINY DAY」に収録されていた「Rainmaker」が気に入ったので、HARRY NILSSON「HARRY / NILSSON SINGS NEWMAN」を購入。「Raining Raining」という曲も素晴らしかったので、この曲を収めたNICK LOWEのアルバムも探したのですが、こちらは見つかりませんでした。以上3階。
2階に下りて、黒田硫黄「黒船」、魚喃キリコ「Water.」「痛々しいラヴ」「ハルチン」を買い込みました。魚喃キリコは「ガロ」のデビュー作から読んでいたために逆に「blue」のような傑作を読み逃していて、その悔しさの反動で他の単行本もまとめ買いです。
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